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第17回真備船穂雛めぐり(2025年2月22日〜3月9日開催)〜 竹の町で出会う、個性豊かなお雛様

倉敷とことこ

第17回真備船穂雛めぐり(2025年2月22日〜3月9日開催)〜 竹の町で出会う、個性豊かなお雛様

倉敷雛めぐりは、倉敷市内各地の施設・お店・ギャラリーで、さまざまな雛人形が飾られるイベントです。

2004年より開催されており、倉敷市内の以下の地域で展示されています。

・倉敷
・児島
・玉島
・水島
・真備・船穂

筆者は雛めぐりに参加するのは今回が初めてです。
竹を使った珍しい雛人形が見られると聞いて、真備地区の会場へ向かいました。

真備船穂雛めぐりとは

真備船穂雛めぐりは、2025年2月22日から3月9日の期間で開催されています。

お雛様でつながる竹の町とスイートピーの里」をテーマに、真備町2か所、船穂町2か所の計4か所で雛人形が展示されています。

今回行った真備地区は、マービーふれあいセンターと、横溝正史(よこみぞせいし)疎開宅が会場です。

マービーふれあいセンター

まず向かったのは、マービーふれあいセンターです。

マービーふれあいセンターについて

マービーふれあいセンターは、真備町でもっとも大きい公共施設です。
大小二つのホールと、展示室・会議室などがあり、さまざまな催し物がおこなわれています。

建物の外観は、真備ゆかりの吉備真備公(きびのまきびこう)が、唐へ渡る際に乗った「遣唐使船」をイメージしているそうです。

マービーふれあいセンターは、2018年7月の平成30年7月豪雨で被災しました。1階部分が水没しましたが、復旧工事を経て、2021年6月に再オープンしました。

雛めぐりの展示は、平成30年7月豪雨から5年が経過した2023年より再開しています。

マービーふれあいセンターの展示

会場に入ると、来た人を出迎えるかのように、ロビーに雛人形が並んでいます。

なかでも目を引くのは、地元の竹細工作家である佐名木紀さんが手掛けた「竹雛(たけびな)」です。

平成30年7月豪雨で過去に製作した雛人形が水没したため、2代目の雛人形として約1年かけて新たに作り上げたそうです。小道具や装飾もすべて竹で作られており、細やかな作業に思わず見入ってしまいました。

竹雛には、竹の町として知られる真備町への、復興に向けた願いが込められています。

また、会場内には、真備町内の保育園児が作った雛飾りもありました。

一つ一つが違った表情をしており、個性豊かな雛飾りが並んでいます。

一生懸命作った姿を想像しながら見ると、つい微笑んでしまいます。

横溝正史疎開宅

次に訪れたのは、真備町岡田地区にある、横溝正史疎開宅です。

横溝正史疎開宅について

横溝正史疎開宅は、作家である横溝正史が、70年以上前の疎開中に家族とともに暮らした家です。建物が当時のたたずまいのまま、保存されています

ここでの疎開中に、金田一耕助(きんだいち こうすけ)が登場する小説、金田一シリーズが発表されました。
真備町には、小説にちなんで、「金田一耕助の小径(こみち)」という名前のウォーキングコースが設定されています。疎開宅周辺の見どころをめぐる、清音駅を始点として、川辺宿駅に至るルートです。

道中には金田一耕助シリーズ登場人物のキャラクター像が6体立っており、金田一耕助の世界を楽しめます。

横溝正史疎開宅は、2021年より真備船穂地区雛めぐりの会場となりました。

例年会場となっていたマービーふれあいセンターが、平成30年7月豪雨により使用できない期間、地区の内外から開催を望む多くの声が上がったそうです。

なんとか再開したいと、住民の有志が、横溝正史疎開宅での復活開催を決めました

横溝正史疎開宅の展示

会場に入ると、住宅の中にたくさんの雛人形が飾られていました。

横溝正史疎開宅にも、竹で作られた雛飾り、「竹舟雛」があります。

竹に飾られた雛人形は、まるでかぐや姫のよう。普段見かける雛人形とは違うかわいらしさがあります。

また、室内には吊るされた雛飾りがあり、部屋のなかを彩っています。

写真右側が吊るし雛

吊るし雛」といわれるもので、地元住民のかたが手作業で作っているそうです。

吊るし雛は、雛飾りが高価で裕福なものだった江戸時代に生まれたとされています。雛飾りは買えないけど、子どもの幸せを願って何か飾りたいと作られたのが始まりだそうです。

また、吊るし雛には動物やお花、衣服、野菜などさまざまな形があり、真備名産のたけのこの形をした飾りもあります。

飾りそれぞれに異なる意味があるそうで、たけのこは、「横道にそれず、まっすぐな生き方をしてほしい」という意味があるそうです。

軒下にも、桃の吊るし飾りがきれいに並んでいます。

桃は葉と種の両方に薬効があることから、桃の吊るし飾りには、「邪気、悪霊をはらい、延命長寿を授けてくれますように」という願いが込められているそうです。

雛めぐりの会期中でありながら、金田一耕助のシルエットが映る演出はそのままで、小説の雰囲気と一緒に、雛飾りが楽しめます。

帰り際には、甘酒の振る舞いもあり、温かな気持ちで会場を後にしました。

おわりに

真備船穂雛めぐりでは、竹の雛人形であったり、吊るし雛であったり、真備地区ならではの雛飾りを見られました。普段、雛人形をじっくりと見る機会はありませんが、雛めぐりだと一度にたくさん雛人形を間近で見られます。

よく見ると、雛人形の一つ一つ衣装や表情が異なり、製作者の繊細な技術を感じられます。

ぜひ会場に足を運んで、お気に入りの雛人形を探してみてください。

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