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大庭「蟠龍山 宗賢院」 「龍の骨」信仰の謎に迫る 幕末から大正まで雨乞いに使用

タウンニュース

緑豊かな境内

架空の存在である龍。その頭蓋骨が藤沢にあるとの情報がネットでネタ探し中の記者の目に飛び込んできた。大庭の曹洞宗「蟠龍山宗賢院」にある「大龍骨」は総高27・2cm、総長62cm、くちばしのように鋭い口先が印象的だ。江戸末期から大正の終わりごろまで、干ばつに見舞われた際の雨乞いの儀式に用いられたとされる龍の骨。その正体は――。

520年の歴史を持つ境内。本堂の右隣りに龍の骨が収められた堂が立っている。

1876年に記された「大龍骨之評」ではこの地にもたらされたのは江戸時代とされている。筑波山で獲られ、檀家が購入後、同寺に祭られた。

同寺では雨を呼ぶ神として周辺の農家を中心に信仰を受けた。水不足の際には龍の骨を携え行列を作り、お経を書いた旗を立て鐘や太鼓を鳴らしながら引地川を下り、城南の高名橋まで運んだ。僧侶の読経の後、川の水を骨の入った箱にかける儀式を行うと、雨が降ったという伝説がある。近くの村からも借りに来ることがあったという。

その姿は「両角隻眼および鼻孔の蹤儼として在り」とされる。同寺で生まれ育った瀬戸良光住職は「意外と軽かった」と話す。今の龍骨堂は2005年に建てられた。骨は劣化が激しく、現在はガラスケースに保管されている。

その正体は、長らく「大蛇」の頭蓋骨とされてきた。『藤沢市史』では幕末期、隣接する羽鳥などで干ばつ被害があったとされ、辻堂や鵠沼ではざるで大きなヘビを作り、海水で流す儀式が行われていたという。同院の歴史を記した『宗賢院誌』には「鯨類の頭骨と推定」との記載がある。

現在は地域の史跡を巡るツアーなどで訪れる人が多数いるという。「気軽に見に来ていただければ」と瀬戸住職。

龍の骨を見学希望の場合は同院【電話】0466・36・3628まで。

「龍の骨」

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