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天秤カゴフカセ釣りでヒメダイ連発【和歌山・黒龍丸】スペシャルゲストにホウキハタも登場

TSURINEWS

お土産確保(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)

1月末に黒龍丸(和歌山県見老津)を訪れた時に春からがシーズンなので是非来てくださいと船長に言われたこともあり、3月23日に再訪してきた。イサギやウメイロが本格化していることを期待しての釣行だったが、現実はそう甘くなく大苦戦。船長曰くなんとかお土産程度の釣果だったが、次につながる内容だったのでレポートしたい。

黒龍丸で天秤カゴフカセ釣り

朝、港に現れた船長によると今年はイサギ、ウメイロが遅れているとのこと。やっと釣れだしたが安定感に欠けるので、釣果は厳しいそうだ。

一方で深場(100mライン)の釣果は安定しており、特にヒメダイは期待できるとのことだった。当日のプランでは、浅場でイサギ、ウメイロを狙って、駄目なら深場へ行こうとなりました。

良い天気になりそう(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)

1月の釣行時には、ジャンボイサギやウメイロをキャッチしていたので、今回も楽しい釣りを期待していたが、現実は厳しいなぁ。とはいえ、今日から爆釣という事もあり得るぞと釣人特有のポジティブシンキングで期待して出航。

強風とウネリの悪条件

現地に着いた時から波の音が聞こえていたので、覚悟はしていたが港を出るとウネリと西の強風。船には強い方だと思うが、手元を見ていると気分が悪くなるほどだった。

黒龍丸はゆっくりと北上してイサギポイントを目指す。水温は17度弱で少し低いように思うが、食い渋るほどではないはず……。黒島沖のポイントに到着してフィッシングスタート。

天秤カゴフカセ(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)

私は右舷胴の間が釣座で背中合わせにNさん。昨年から黒龍丸に足蹴く通う。黒龍丸では、天秤、カゴ、オモリ、クッションを船長が用意してくれている。頼めば仕掛けも提供されるのだが、私はハリス4号3ヒロ強の3本バリ仕掛けを用意していました。

イサギとウメイロは不発

船長から指示されるタナにカゴをキープしてアタリを待つ訳だが、一旦はハリスの長さ分を落として素早く巻き上げるタナ返しを行う必要がある。これをちゃんとやらないと良い釣果には有りつけないと船を上がってから諭された。

1流目は船中誰も竿が曲がらずにさしエサは無傷で上がってきた。2流目でNさんが中型イサギをキャッチ。今日は行けるんじゃないかと思ったが、次もその次もさしエサは無傷で上がってきた。

船長がイサギを見切りポイント移動。今度はウメイロを狙ってみたが、船中で1匹も上がらないままに移動……。これは厳しいぞ。

尾長グレ狙いに転戦

磯釣りの人気ターゲットのグレには口太と尾長がいる。標準和名では口太グレがメジナで、尾長グレはクロメジナと呼ばれる。この2種類以外にもオキナメジナもいるが、個体数が少なく釣りのターゲットにはならない。口太グレは産卵期のため今はシーズンオフだが、尾長グレはこれからが旬となるターゲットだ。見老津では、イサギ、ウメイロと並んでこの時期に狙える。

尾長の特徴

口太と尾長は、同じような姿かたちの魚だが、尾長の方が引きは強い。また狡猾で鋭い歯を持っているため太いハリスでは食わないが、細いハリスだと噛み切っていくファイターである。脂がのった白身で非常に美味い。釣って楽しく食べて美味しい最高の魚である。初めて釣ったアングラーは、その価値を知って、また釣りたいと思う魚である。磯の上物をやっている時は、この魚に入れ込んだこともあった。

串本方面に移動したグレポイント。指示ダナは20mだったので、イサギやウメイロと比べると浅い。カゴを23mまで一旦沈めて3m巻き上げてアタリを待つ。今にもガツンを引っ手繰られそうだが、アタリなしで潮上に戻る。

同船者に尾長グレがヒット

2流目、Nさんのロッドが強烈に曲がる。慎重なファイトで上がって来たのは、尾長グレ41cm。素晴らしいプロポーションをしていた。この日は調子が良く、この後も尾長、口太を連発していた。トモのご夫婦は一回り大きい43cmと44cmの尾長をキャッチしたが、私にはアタリが出ない。

凹んで頭を抱えていたら、船長からハリスが短いと指摘された。私の仕掛けは5m。前もって仕掛けは長めが良いと聞いていたので、いつもは3ヒロで作る仕掛けを少し長くしたが、それでも短いという。

やっとの思いで口太と尾長をキャッチ

ハリス1ヒロを直結して仕掛けを長くした次投。カゴをタナに入れて、さしエサが馴染んだタイミングでコツコツ。待望のアタリが嬉しくてロッドを煽ると素針を引いてしまった。落ち込んでいる場合ではない。祈りながらオキアミを刺した次の流しでやっと捉えたが、これが口太グレで微妙……。

苦労して尾長グレをキャッチ(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)

船長から尾長を釣ってよと激を飛ばされて、最後の最後に尾長グレをキャッチ。38cmとサイズ的には…………だが、苦労しただけに嬉しい魚だった。

深場移動で早々にアカイサギ

グレも食い渋ってしまったので、深場へヒメダイを狙いに行くことに。深場と言っても100mラインなので同じ天秤仕掛けでオモリだけ重くする。まきエサもさしエサもオキアミのままだが、仕掛けは、浅場の物に比べるとハリスを太くして3本針仕掛けを全体的に短く作った。

100mの海底までカゴを落として、7m上げてカゴを振って待っているとゴツゴツと直ぐにアタリ。少し待って連掛けを狙ってみたが、浮いてきたのは30cm超の雌のアカイサギ。ヒメダイはアカイサギと混じっているが、タナで釣り分けることが出来る。

ヒメダイが連発!

次の流しでは、底から10m上げて待っているとグーと仕掛けを持っていく。優しくアワセを入れてごつごつとした引きを楽しんでヒメダイをキャッチ。朝の船長情報の通りにヒメダイの活性は高くて入れ食いを楽しみました。

ホウキハタ(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)

Nさんは深場でも絶好調!ヒメダイの連発はもちろんのこと、ホウキハタ50cm超のスペシャルゲストまで仕留めてご満悦でしたよ。

これからの展望

風が強まったタイミングで深場を諦めて最後に再びウメイロ狙いに行ったが、これまたNさんが唯一のウメイロを仕留めただけで沖上りとなりました。もう無双状態でした。

イサギ、ウメイロは遅れているようですが、魚探に映る反応は多いので、いつ爆発してもおかしくないと思います。因みに昨年は、GWからジャンボと呼ばれる40cm超のイサギが爆釣したそうですよ。

釣行後の反省

天秤カゴフカセを始めて1年。タナにカゴを入れる前に余分に落とすことはやっていましたが、適当にやっていました。2ヒロの仕掛けでも4ヒロの仕掛けでも2~3m余分に落として巻き上げるという行為をタナ返しと思っていた。これが甘かった。

5mの仕掛けでも2~3mしか余分に落とさなかったので、私のさしエサとまきエサは離れていたんだと思います。しかもさしエサよりまきエサの方が先に落ちることになるので、魚は安全なまきエサだけを啄んでいたのでしょう。船長に言わすとハリス分以上に落としてから巻き上げた方が良いとの事です。私だけ極端にアタリが少なかったのはその辺に理由があるのではないでしょうか。

アバウトにやっていても魚の活性が高ければある程度は釣れると思いますが、シビアな状況では通用しなかった訳ですね。ハリスの長さが足りていなかったのも原因でしょう。

またカゴを振ってまきエサを出すタイミングも釣果に大きく左右するのでしょう。当日調子の良かったNさんはウネリが大きかったので、ほとんどカゴを振ることをせずにウネリの上下だけでポロポロとまきエサが出ることを意識していたそうです。私は、アタリが出ないものだからまきエサを出したくてカゴを大きく何度も振っていました。活性の低い魚を散らしていたかもしれませんね。

この辺は次回に検証しなければ……。

<田中こうじ/TSURINEWSライター>

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