春の七草といえばお粥。三重県鳥羽市の国崎では“海の七草”をたたいて食べる!?
毎年1月7日が近づくと、スーパーに並ぶ“春の七草粥セット”。セリ、ナズナ、ゴキョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの七つ。けれど、それとはまったく違う七草を用意する地域があります。古来、伊勢神宮へ献上する熨斗(のし)アワビ(*)を作っている三重県鳥羽市の国崎(くざき)では、なんと! “海の七草”を用意するんです。イラストを拡大してどうぞ~。*アワビを薄くはいで引き延ばして干したもの
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海の七草はお粥じゃなく酢の物で
本来、国崎ではたたいた後の海の七草は、酢や酢みそで和えて神棚に供えます。
小豆(あずき)粥も一緒に供える家もあるみたい。
毎年1月7日に『鳥羽市立海の博物館』で振る舞われる海の七草粥は、博物館が国崎の七草たたきと一般的な七草粥をあわせてオリジナルで考えたものだそう。
『海の博物館』の七草は?
海藻6種(フノリ、ワカメ、フクロノリ、アカモク、ホンダワラ、ヒジキ)+陸の青菜1種。
陸の青菜を必ず1種類入れる。種類は特に決まっていない。
お土産にも海の七草!?
鳥羽市内のお土産屋さんで発見!!
乾燥した海の七草が入っていて、『海の博物館』の七草とは、まったく違う七草だけど……。
各地にある七草の囃子詞
昔、摘んできた七草をたたく時は、すりこぎでまな板をたたきながら唱える囃子詞(はやしことば)がありました。
1月6日の夜、一家の主が正装し、七草たたきをします。七草を包丁で刻むのと同時に、すりこぎで大きな音を出すのは、災いをもたらす唐土(とうど)(鬼車鳥〈きしゃどり〉。フクロウだという説も)を追い払うためなのです。
国崎Ver.
〽なずな七草 唐土の島が 日本の土地へ 渡らぬさきに かきやかして ごーちゃごちゃ
※地域によって文句は少し違います
取材・文・イラスト・写真=松鳥むう
松鳥むう
イラストエッセイスト
離島・ゲストハウス・民俗行事・郷土ごはんを巡るコトがライフワーク。著書に『トカラ列島秘境さんぽ』『粕汁の本 はじめました』(ともに西日本出版社)、『むう風土記』(A&F)などがある。