若葉台地区 グリスロが本格運行 移動手段の確保に喜ぶ声
城山の若葉台地区で移動手段の確保のために実証運行を行ってきたグリーンスローモビリティ(グリスロ)が4月1日から本格運行を開始した。移動手段の確保に住民からは喜びの声が上がる一方で、関係者は高齢化による継続性について危機感を抱く。
グリスロとは、時速20キロメートル未満で公道を走る電動車を活用した小型移動サービスのこと。若葉台地区は、住民の高齢化、坂道が多い地理的条件により、身近な移動手段の確保が課題となっており、グリスロの導入へ向け2023年度から実証運行を行ってきた。
運行主体は地域住民らで組織されるグリスロ若葉台の会(林和博代表)。車両はバスタイプで乗車人数はドライバーを含めて最大8人。運行便は【1】定期便と【2】臨時便の2種。【1】は毎週火曜と土曜の午前中に2便、買い物便として近隣のスーパーまでを往復。【2】は自治会でのサークル活動や朝市の際に運行する。乗車できるのは主に若葉台の在住者で運賃は無料。地域内に設置される停留所から乗降する。車両に関する保険や点検に掛かる費用は市が負担。ドライバーは住民が担当する。
3月30日には、出発式が津久井湖城山公園水の苑地で開催された。式ではテープカットが行われたほか、車両の名称が「わかば号」になったことが発表された。
根付く活動に
本格運行が始まり、林代表は「当初の目的である交通不便の解消に向け本格運行は住民も大変喜んでおり、移動による新しい地域コミュニティも生まれている。今後は若葉台だけではなく、城山地区全体への展開も模索できると思う」と話す。
一方で地域住民の高齢化が解消されたわけではなく、運行の継続は課題の一つ。「将来的な担い手の問題がある。運行体制を整えてしっかり根付く活動にしないといけない。また、ドライバーなど協力してくれる人にいつまでも無償というわけにはいかない。謝礼を渡せる体制にするためにも住民と話し合って体制を考えていきたい」と今後の展望を述べた。