【朝食やお弁当、晩酌のおつまみにもなるレシピ】おにぎりはいつだってみんなの「味方」です[料理研究家/瀬尾幸子」
日本人にはとてもなじみ深いおにぎりですが、近年は海外でも安価でヘルシーな食べ物として人気上昇中だそうです。
今回ご紹介する『おにぎりは味方です』(Gakken)は、毎日の食卓やお弁当から晩酌のおつまみまで、どんな場面でも活躍するバリエーション豊かなおにぎりレシピが満載。
今回はこちらから、「おにぎりの基本」と、「朝おにぎり」「昼おにぎり」「夜おにぎり」をご紹介します。
誰にでも、どんな場面にも寄り添ってくれるおにぎりは、いつだって、みんなの心強い「味方」です。
おにぎりの基本
おにぎりを作る前に知っておきたい「材料のこと」をわかりやすくご紹介します。
※本書では、「お米のおいしい炊き方」「おにぎりのおいしい作り方」についても、詳しく解説しています。
材料のこと
おにぎりに欠かせない米と塩とのりのお話です。選ぶ時のヒントにしてください。
米:おいしくにぎるカギは「粘りけ」
おにぎりをおいしくにぎるカギは、米の粘りけにあります。
コシヒカリ、ゆめぴりか、ミルキークイーンといった近年人気の米は、粘りけが多いもちもちのご飯になります。
このタイプはご飯粒同士がくっつきやすいので、強くにぎらず、そっとまとめるくらいでよいのです。
いっぽう、ササニシキのようにあっさりしていて粘りけが少ない品種は、少し強めににぎって形を整えます。
ふだん食べている米のタイプに合わせて、力を加減してにぎりましょう。
米の品種は袋の裏に表示されています。
米は冷蔵庫で保存すると、酸化が防げて長持ちします。2リットルのペットボトルに移すと収納しやすいです。
塩:精製塩よりも、自然塩を
塩味がシャープな精製塩よりも、ミネラルが豊富で口当たりがやわらかい自然塩のほうがおにぎりには向いているように思います。
とくに海水塩を、中でも天日で乾燥させた「天日塩」がおすすめです。
お土産でもらった各地の塩をおにぎりで味比べするのも楽しいです。
のり:薄くて黒いものを選びましょう
のりは好みのものでかまいません。手に入りやすいものでよいのです。
強いていえば、噛み切りやすい薄いのりがおにぎり向きです。
色は黒いほうが味や香りがよいといわれますが、緑っぽいからといって品質が悪いわけではありません。
のりは袋を開けた瞬間から空気中の水分を吸収しはじめます。使う分だけ取り出したら、袋の中の空気を抜き、口をしっかり閉じて保存します。
朝おにぎり
具がなくても最高においしい、塩むすびの作り方をご紹介します。
忙しい朝に頼れる、とっておきのレシピです。
塩むすび
①茶碗にご飯を入れる
茶碗にご飯120g を入れる。熱々の場合、茶碗に入れて触れるくらいまで冷ます。
②手のひらを水で湿らせる
ご飯粒が手のひらにくっつかないように水でぬらす。軽く湿らせるくらいでOK。おにぎりが水っぽくなるのでビチョビチョはNG。容器に水を入れてぬらすと加減しやすい。
③手のひらに塩を広げる
手のひらに 塩小さじ1/2 をのせて、全体に広げる。
④余分な塩を落とす
パンと1回手拍子して、余分な塩を落とす。塩むすびは「パンと1回」と覚えておけば、間違いなし!
⑤にぎる
茶碗に入れたご飯を手のひらにのせ、優しく2、3回転がすようにして向きを変え、形を整える。
昼おにぎり
大好きな具で作る定番おにぎりと、おそうざいをそのままにぎったおにぎりをご紹介します。お昼に食べたいおにぎりです。
塩昆布+ささ身
●材料(1人分)
塩昆布 5g
鶏ささ身(筋を取ったもの) 1/3本(30g)
ご飯 120g
塩 小さじ1/2
焼きのり 適量
①材料の下ごしらえ
耐熱容器にささ身を入れてラップをふんわりとかけ、電子レンジで30秒ほど加熱するa。ささ身が冷めたら細かくほぐしb、塩昆布と混ぜる。
②ご飯に具をのせる
茶碗にご飯半量を入れ、①をのせるc。残りのご飯をかぶせる。
③にぎる
手のひらを軽く水で湿らせて塩をのせて広げ、パンパンと2回手拍子して余分な塩を落とす。手のひらに②をのせ、好きな形ににぎるd。好みでのりを巻く。
えび天おにぎり
●材料(1人分)
えびの天ぷら 1本
めんつゆ(3倍濃縮タイプ) 小さじ1
七味唐辛子 少量
ご飯 120g
塩 小さじ1/2
焼きのり 適量
①材料の下ごしらえ
えび天はキッチンペーパーを敷いた天板にのせ、オーブントースター(700W)で5分ほど焼き、カリッとさせるa。えび天にめんつゆと七味唐辛子をからめるb。
②ご飯に具をのせる
茶碗にラップを敷いてご飯半量を入れ、①をのせるc。
③にぎる
えびの尻尾が出るように残りのご飯をかぶせ、ラップの上からにぎって具とご飯を密着させd、ラップを外す。手のひらを軽く水で湿らせて塩をのせて広げ、パンパンと2回手拍子して余分な塩を落とす。手のひらにおにぎりをのせ、形を整える。好みでのりを巻く。
夜おにぎり
おつまみになるおにぎりで、ゆっくりのんびり晩酌タイム。
今日も一日お疲れさまでした。
オリーブご飯 生ハム巻き
●材料(1人分)
生ハム 2枚(20g)
黒オリーブ(種なし) 4粒
オリーブ油 小さじ1/2
粉チーズ 小さじ2〜大さじ1
粗びき黒こしょう ひとつまみ
ご飯 120g
①混ぜご飯を作る
黒オリーブは粗みじんに切るa。ご飯、オリーブ、オリーブ油、粉チーズ、こしょうを混ぜるb。
②ご飯をにぎり、生ハムで巻く
ラップを2枚広げ、①を2等分にしてのせる。ラップの上から好みの形ににぎるc。生ハムを広げ、おにぎりをのせて巻くd。器におにぎりを盛り、こしょう適量(分量外)をふる。
おにぎりのそばに
おにぎりのそばに汁ものがあるとうれしいですよね。
お茶でもいいのですが、汁ものがあると、それだけで「食事」になります。
みそ汁だったら言うことありません。野菜たっぷりで、豆腐や油揚げなどのかたんぱく質も入れた具だくさんのみそ汁とおにぎりの献立は、栄養バランスもよく、ほぼ完全食になります。作る手間はかからないのに、満足感もしっかり得られます。
でも、みそ汁さえも作るのがおっくうな日もありますよね。
お酒が進んでしまって台所に立つのが面倒なこともあります。そんなときは、注ぐだけでできる汁ものがおすすめです。食材や調味料を器に入れてお湯を注ぐだけ。
こんな簡単な汁ものでも、おにぎりのそばにあると、体が温まってほっとするのです。
そばちょこやお椀に、練り梅と塩昆布を入れ、熱湯を注ぐだけの「梅昆布汁」。塩味を自分好みに調整できるのがうれしいです。ほかにも、めんつゆ(3倍濃縮)大さじ1を熱湯150㎖で割り、三つ葉やねぎを加えた「めんつゆ汁」も簡単でおいしいです。
おにぎりは味方です
<おにぎりの基本>
材料のこと/米のおいしい炊き方/おにぎりのおいしい作り方/のりの切り方と巻き方
<朝おにぎり>
◆火を使わず、家にあるもので スピードおにぎり
練り梅/おかか+しょうゆ/明太子+バター/塩昆布+チーズ/なめたけ/昆布の佃煮+炒めひき肉
◆具がなくてもうまい! 塩むすびの作り方
<昼おにぎり>
◆王道の具をちょいアレンジ 定番+αおにぎり
練り梅+おかか/練り梅+ねぎみそ/おかか+わさび+しょうゆ/おかか+マヨネーズ+しょうゆ/昆布の佃煮+練り梅/昆布の佃煮+いり卵/明太子+貝割れ菜/明太子+マヨネーズ/たらこ+枝豆/焼きたらこ+チーズ/塩昆布+ささ身/塩昆布+ツナ/焼き塩ざけ+青じそ+白ごま/焼き塩ざけ+黒ごま/塩さば+レモン汁/塩さば+みそ …ほか
◆おかずいらずの満足感 混ぜご飯おにぎり
チーズ+しょうゆ/かに風味かまぼこ+天かす+三つ葉+めんつゆ/ちりめんじゃこ+ねぎみそ/たくあん+いぶりがっこ+おかか/炒めひき肉+キムチ+ごま油 …ほか
◆意外なおかずも具になります おそうざいおにぎり
えび天おにぎり/鶏のから揚げおにぎり/焼き鳥おにぎり/シューマイおにぎり/かき揚げおにぎり
◆にぎらず、ご飯をたたむだけ おにぎりサンド
ねぎみそチーズサンド/ベーコンコーンサンド/ひき肉のしょうが炒めサンド/豚ピーマンきんぴらサンド/スクランブルエッグサンド …ほか
◆食べやすくくるりと巻いて 太巻きおにぎり
いわしのみそ煮巻き/焼きウインナー巻き/ちくわきゅうり巻き/ねぎみそゆで卵巻き/チャーシュー卵巻き …ほか
<夜おにぎり>
◆お酒がクイクイ進んじゃう おつまみおにぎり
ぶりのなめろう/たいのごま和え/トロたく納豆/てんこ盛りしらす/オイルサーディンのっけ …ほか
◆つまみに、晩酌の〆(シメ)に 焼きおにぎり
みそ焼きおにぎり/韓国風焼きおにぎり/酒盗チーズ焼きおにぎり/カマンベール焼きおにぎり/いかの塩辛焼きおにぎり …ほか
《作りおきコラム1》毎日でも食べたいおにぎりの具
練り梅/ねぎみそ/炒めひき肉
《作りおきコラム2》ちょっと特別なおにぎりの具
自家製塩ざけ/牛肉のしぐれ煮