Yahoo! JAPAN

積算ミスで工事契約解除 市が損害賠償へ

赤穂民報

 国道2号のバイパス工事に伴う水道管の付け替えのため、赤穂市が今年7月に発注した「有年牟礼配水管移設工事」で、市が落札業者との契約後に設計金額の誤りに気付き、契約を解除した。市は、契約解除で業者が被った損害について「契約書の規定により賠償する」としている。

 関係者の話では、契約後に違算が発覚して契約解除に至るのは「聞いたことがない」といい、極めて異例。しかも、この工事は今年5月に別の工事名で入札が予定されていたが、「設計内容に誤りがあった」として中止になっており、同一工事で二度続いた失態に「あまりにもずさん」などとの批判とともに、国道工事の遅れにつながるのではと懸念する声も上がっている。

 入札は6月28日に行われ12社が参加。11社が最低制限価格を下回って失格し、残る1社が落札した。積算疑義の申し立て期限の翌日正午までにクレームはなく、市は7月8日に落札業者と契約を締結。しかし、その3日後の11日、「内部での調査により違算が確認された」として、業者に「契約解除」を申し入れた。

 市は「今後の入札に支障が出る」ことを理由に違算の具体的な内容を明らかにしていない。情報公開請求で市が開示した決裁文書には、違算によって「予定価格及び最低制限価格が高く算出されたため、本来の落札者が失格となった」「入札の公平性を確保するため、工事請負契約書の規定に基づき契約を解除する」と記載されている。市は赤穂民報の取材に「1社を除いて失格したことを受け、内部で設計を再確認したところ、違算が見つかった。外部からの指摘はなかった」(水道課)と答えた。

 この工事をめぐっては、当初は「黒尾配水管移設工事」の名称で今年5月に入札公告されたが、「設計内容に誤りがあった」との理由で入札中止となった経緯がある。市は今月20日、工事名を再び変更して入札を公告。工期は来年1月末に設定され、当初の工期から2か月遅れとなった。

 一方、契約解除された業者は取材に対し、「こちらには何の落ち度もないのに一方的に契約を解除され、納得できない。すでに発注した部材の費用、本来なら得られた利益も逸失することになり、これらの損害を賠償してほしい」と訴えている。

 市は「関係する皆様にご迷惑をお掛けしたことについて、心からおわび申し上げます。今後は業務の適正な執行に向け、再発防止の取組を徹底してまいります」とし、業者への損害賠償額は「業者から申し出があった損害額を精査した上で妥当な額を賠償することになる」(同課)としている。

おすすめの記事

新着記事

  1. 三宅健に井上真央が移住するなら? 菅田将暉もひょっこり 『第37回東京国際映画祭』

    動画ニュース「フィールドキャスター」
  2. 亀梨和也は家庭的? 窪塚洋介が「亀ちゃん」に代行してほしいこと 『第37回 東京国際映画祭』

    動画ニュース「フィールドキャスター」
  3. 中世ヨーロッパでもっとも忌み嫌われた「意外な色」とは

    草の実堂
  4. 【メイク練習18日目】今までで1番満足の行く出来栄えになった! けど、あの人に似ているような……

    ロケットニュース24
  5. 赤目四十八滝で「幽玄の竹あかり」 今年は水をテーマに渓谷照らす

    伊賀タウン情報YOU
  6. 大村神社秋祭り 11月2、3日 伊賀市阿保 

    伊賀タウン情報YOU
  7. さらばスマホよ!無心で読書に没頭できる秘境温泉で過ごすぜいたくな時間とは【山形県米沢市】

    ローカリティ!
  8. フィナーレは2,500発の花火!「貝塚マリンフェスタ2024」開催

    PrettyOnline
  9. 森永氏「どこかの協力は得ないと政権を続けられない」自公過半数割れの衆院選 各党の今後の動向に注目

    文化放送
  10. WEリーグ・ノジマステラ 東京Bに惜敗も攻撃に手応え

    タウンニュース