名古屋で巡るレトロな純喫茶 vol.16「籐の家具」と「オレンジエード」
素材の特性を生かした造形美とナチュラルな雰囲気。
昔から家具やかごの素材として使われ、いまでも多くの人に愛されている“籐(ラタン)”という植物。
子どものころは実家が家具店を営んでいたため、時に私にとっては幼いころから馴染み深いものでもありました。
そんな、ラタンの家具がたくさん並んだ圧巻の風景を見ることができるのは、実家や祖父母の家にいるかのような懐かしさを感じる喫茶店。
年季を感じる家具の使用感とノスタルジックな雰囲気は、冬の風に吹かれて冷えた体と疲れた心をしっかりと温めてくれました。
籐の家具で統一されたノスタルジックな雰囲気がお気に入りに!実家のような居心地の良さがある喫茶店「らたん」
“The・昔の喫茶店”な雰囲気が良い!瑞穂区で昭和の時代から営業する喫茶店
この日訪れたのは、瑞穂区土市町で昭和の時代から営業している喫茶店「らたん」さん。地下鉄名城線妙音通駅から徒歩4分の立地にある同店は、桜通線、名城線の新瑞橋駅からも徒歩でアクセスできます。
白壁と橙の瓦屋根の組み合わせが可愛らしいお店の外観はまるでドールハウスのよう。
お店の前にあるたくさんの鉢に植えられたグリーンを見て、子どものころによく遊びに行った祖父母の家の緑いっぱいな前庭を思い出し、その思い出に吸い込まれるかのようにそのまま入店へ。
歩き回って体が冷えていたころだったので、ちょうどいいタイミングで休憩スポットに出会うことができました。
色褪せとくすみに歴史を感じる!籐の家具が並ぶ、懐かしさと統一感のある店内
お店の中へ入ってみると、そこにはラタンの家具で統一されたノスタルジックな光景が広がっていました。
お店の名前が「らたん」であることから、お店のコンセプトはずばり“籐”。椅子からマガジンラックに至るまで、籐素材のものを使用しているところが同店1番のこだわりです。
壁や家具の経年劣化による変色や窓から差し込む明るい日差しで焼けたぬいぐるみの色褪せからも、同店の歴史を感じることができますね!
身も心も温まる♪甘酸っぱい味とさわやかな香りに癒されるオレンジエード
●オレンジエード 500円(税込)
この日いただいたのは、さわやかな香りと甘酸っぱく懐かしい味わいを楽しめる「オレンジエード」。
近年トレンドのカフェで提供されている“エード”はフルールシロップを炭酸で割ったアイスドリンクが主流ですが、純喫茶の“エード”といえば、ジュースを水と砂糖で割った温かいものが定番でしょう。
普段は季節を問わずアイスドリンク派なのですが、この日は体が冷えていたため、温かいドリンクが恋しくてこちらを選びました。
オレンジの香りにくわえて、レモンスライスが入ることでよりさわやかな風味を楽しむことができる同店のオレンジエード。
その味わいは想像していたものよりも甘く、子どものころ駄菓子屋で買った、果汁が10〜20%程度しか含まれていないチープなジュースの味わいととてもよく似ています。
中身の液体の様子が見える、ステンレスの取っ手がついた耐熱グラスで提供されるところも個人的に高ポイント。どこか懐かしさを感じる味わいと、色鮮やかなオレンジの見た目にとても満足しました。
提供直後はとても熱くなっているので、ゆっくりと冷ましながら時間をかけて少しずつ飲み進めていきます。
お茶請けは、あられとナッツの入った小袋のお菓子。
よく見かける定番のものですが、喫茶店を利用するたび、その日そのお店によって少しずつ提供されるお菓子の内容が違うところも喫茶店巡りの醍醐味ではないでしょうか。
昭和の時代から時間が止まったかのように錯覚できる、懐かしさを感じるお店
店内は全面喫煙可能となっているため、この日もコーヒーを片手にタバコを楽しんでいるお客さんがちらほら。
昨今は電子タバコの愛用者がぐんと増えた印象ですが、私以外のお客さんはみんな紙タバコを愛用している様子。ゆらゆらと煙がただようその風景はまるで、昭和の時代から時間が止まってしまったかのような錯覚を起こします。
小さいころ、祖母や母に連れられて行った喫茶店には、各テーブルに必ず灰皿が置かれていました。
そんな、子ども時代の記憶を思い出すほど、昭和や平成初期のころと変わらぬ姿で営業を続ける同店に、これからも末永く続いて欲しいと思います。
昔ながらの喫茶店らしいノスタルジーを感じてみたい方は、ぜひ「らたん」さんを訪れ、古き良き昭和の時代の雰囲気を味わってみてくださいね!
INFORMATION
店名:
らたん
住所:
愛知県名古屋市瑞穂区土市町1-24-1
営業時間:
6:00〜15:30
一人当たりの予算:
〜¥1,000
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