犬の表情から読み取れる心理6つ どんな感情が隠されているの?愛犬の気持ちを理解して絆を深めよう
犬も感情が顔や動作に現れます
人は言葉というコミュニケーション手段を持っていますが、感情の全てを言葉にするとは限りません。そのため、相手の顔つきや身振りなどの表情からいかに相手の感情を読み取れるかが、人間関係構築の鍵となります。
飼い主さんと愛犬との間にも、同じことが言えます。言葉でコミュニケーションを図れない愛犬の感情は、愛犬の表情から飼い主さんが読み取るしかないのです。
人の場合、表情の多くは顔や手の動作に現れます。犬の場合は、目、耳、口などの顔の他に、しっぽや姿勢にも多くの感情が現れます。これらの部位別の表情を見分け、かつ各部位の表情を総合的に勘案し、愛犬の心理を読み取ることができるようになるのです。
犬の部位別表情の見分け方
まずは、部位別に現れる表情の見分け方について見ていきましょう。どの部位も、変に力まずに普段通りの様子であれば、それがリラックス時の表情です。それ以外の表情について、代表的なものをご紹介します。
目の表情
✔不安、不快感、敵意
力の入った目で相手のことをじっと睨みつけます。
✔要求、おねだり
上目遣いに飼い主さんをじっと見つめます。
✔ストレス源となっている相手から解放されたい
相手と目を合わせないようにしながら、しきりに瞬きをします。
✔追い詰められて逃げようか反撃しようか迷っている
目を大きく開け、白目を見せます。
耳の表情
✔何か見つけてワクワク
興味の対象に顔をむけ、耳を上げて前方(対象)に向けます。
✔恐怖、不安
耳を頭にペタッと貼り付けるように後ろに倒します。
✔軽い不安、困惑
耳を下げ、腰が引けたように固まります。
✔親しげに挨拶
耳を下げ、リラックスした目をしながら近づきます。
口の表情
✔不安や不快感でイライラ
口角を後ろに向かって伸ばし、しかめっ面のように見えます。口が開いて舌が見える場合は、ヘラのような広がった形になっています。
✔心配、不快、真剣な気持ち
しっかりと口を閉じ、ヒゲを前方に向け、鼻面や唇を膨らませます。
✔強い不安やストレスに耐えきれずに攻撃へ
唇を前方にすぼめるように開け、上下の歯を見せます。ただし、耳が前方を向いていれば「自信あり」、後ろに倒れていれば「自信なし」。
しっぽの表情
✔不安、恐怖
しっぽを下げます。下がれば下がるほどその度合いが強いサインです。これ以上ないほど怖いと、しっぽを股の間に挟みます。
✔ワクワク感
しっぽをいつもより高く上げますが、体に余計な力みはありません。通常しっぽを巻き上げている犬種も、強く巻き上げるのでしっぽが頭寄りに見えます。
しっぽの振り方による感情の見分け方
✔左右に大きくゆったりと振る…信頼、親愛
✔しっぽと一緒にお尻も大きく振る…喜び、ワクワク感
✔しっぽを早く大きく振る…興奮、喜び
✔しっぽを小刻みに振る…不安、ストレス
✔しっぽを下げてゆっくりと振る…困惑
✔しっぽをプロペラのようにクルクル回す…幸福感
姿勢
✔注目、警戒
頭としっぽを高く上げ、前のめり気味に特定の方向を凝視します。
✔威嚇
注目、警戒の姿勢で硬く口を閉じ、背筋を伸ばして相手を睨みつけます。
✔不安、困惑
体重を後半身に残したまま前のめりになり、頭・耳・しっぽを下げて固まります。
✔強い恐怖や不安
腰が引け、頭・耳・しっぽを下げたままじっと固まります。震えていることも。
お腹の見せ方による感情の見分け方
✔背中を下にしてゴロゴロと転げ回る…遊びたい、安心
✔体の側面を下にして体を緊張させている…不安、困惑、降参
犬の表情から読み取れる心理
各部位の表情を総合的に勘案して読み取れる、主な心理を見ていきましょう。
1.人によく似た笑顔|喜び
口角が上がり口を軽く開けた状態で目をキラキラさせ、人によく似た笑顔を見せます。舌を出している場合もあります。耳は少し後ろに倒れ、しっぽを大きく振り、全身で喜びを表します。喜びが大きいと、ジャンプをしたり体をくねらせたりすることもあります。
2.体の芯からリラックス|安心
全身に余計な力が入っておらず、舌を少し出していても呼吸は落ち着いています。しっぽはゆっくりと振るか、または自然に垂らします。半開きの目でとても優しい表情に見えます。横になってお腹を見せていることもあります。
3.興味津々、無我夢中|集中
少し緊張気味な顔つきになり、頭としっぽを高く上げ、一点をしっかりと見つめながら、耳も対象に向けて前のめりになります。
4.犬だってオロオロします|困惑
緊張気味な様子で、首をかしげたり瞬きをしたり舌で自分の鼻先を舐めたりしているときは、どうすれば良いのか分からずに困っています。
5.怖いよ、なんとかして!|恐怖・不安
できるだけ小さく見えるように縮こまり、耳を後ろに引き、しっぽを下げて股の間に挟みます。また顔を相手から逸らして口を閉じ、固まります。小刻みに震えていることもあります。
6.負けないぞ、かかって来いよ!|怒り
全身に力を入れて硬直し、毛を逆立てることで体をできるだけ大きく見せようとします。しっぽを立て、相手の目をじっと睨みつけながら歯を見せて唸ります。しっぽを揺らしていることもあります。
まとめ
犬の表情から感情を読み取るためには、まず体の部位ごとのサインを知りましょう。
その上で、各部位のサインや全身の様子、状況等を総合的に組み合わせて判断します。とっさに適切な判断ができるようになるためには、愛犬の普段の様子を把握しておくことが欠かせません。愛犬の気持ちを読み取り、より深い絆の形成につなげましょう。