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会社をサボって東京から1時間半……山梨の「桃源郷」に行ってきた / 地元民だけが知る桃と菜の花畑

ロケットニュース24

いつもここではないどこかへ行きたい。うららかな風が吹く春はその気持ちが強くなる。要約すると「会社いきたくね〜」である。

そんなときに、実は東京から電車で1時間半ほどの場所に桃源郷があることを知った。

この世とは思えぬ極楽のような場所という比喩でよく出てくる「桃源郷」。実際に桃源郷に行ったことがある人はどれくらいいるだろうか?

よく晴れた花見日和に会社のある新宿を通過し、特急かいじに乗って桃源郷まで行ってきた。

・山梨県 笛吹市 石和温泉

その桃源郷がある場所は……山梨県笛吹市。全国でも有数の桃の名産地である。

桃が採れる場所ってことは、つまり桃の木がたくさん植えてあるってことで、この場所は春になると桃の花が満開になる。

特急かいじや特急あずさの車窓から景色を眺めていると、大月を過ぎたあたり(つまり山梨県に入ったあたり)から桃の花畑が目につき始め、この景色を見ながら駅弁を食べるだけでも十分な花見になるほど。

車窓がピンクに染まるのが、山梨市駅から石和温泉駅(いさわおんせんえき)にかけて。遠くの山並みもピンクにけぶって見えるほど。

特に桃の花畑が美しいのが、石和温泉駅周辺だという。温泉に桃畑、もはや笛吹市自体が桃源郷と言っても過言ではない。

・桃の花祭り

周辺では桃の花と桜の時期にあわせて「桃源郷 春まつり」をやっている。

石和温泉駅の観光案内所の人におすすめの桃の花の名所を聞いてみたところ……。駅から有名な桃の花畑はかなりの距離があって、タクシーでも片道4000円ほどかかるという。ガーン。

その中で、観光ガイドにあまり載ってないが駅からも比較的アクセスがよい桃の花の名所を勧められた。

そこは石和温泉駅から富士山駅行きのバスに乗り「夏目」という停留所を降りてすぐのところにあるという。

言われるがままにバスに乗ること約10分……。フルーツ農園が並ぶ通りに桃の花の名所「御坂農園グレープハウス」はあった。農園の名前が「グレープハウス」だし、桃の花マップなどにも載ってなかった! 完全にノーマーク!

ここはバスツアーも来る観光農園で、桃狩りやぶどう狩りが楽しめる場所のようだ。お土産コーナーや食堂もある。

なんでも、この中に立派な桃と菜の花畑があって無料で見られるらしい。お店の人も気軽に案内してくれた。

ややクセの強い「地球のへそ」という石碑を横目に……

花畑を指す看板の方へと歩いていくと……。

・まさに桃源郷

目の前に広がったのはまさに桃源郷とも言うべき景色

青空の下に、黄色い菜の花とピンクの桃の花が広がっているではないか!

先日、菜の花と桜が咲く埼玉県の幸手権現堂を紹介したが、桃の花はより色が鮮やかなので、コントラストがはっきりしている。

この日はよく晴れていたので、青空と菜の花の黄色、桃の花のピンクと、遠くに見える雪が残る白い山並みが美しい……。

観光地としてあまり有名な場所ではないこともあって、訪れる人も多くなく、のどかな時間が過ぎる。

まるで昔話の世界に入り込んだような景色が続いていて、平安時代の歌人にでもなったような気持ちだ。

うららかな日差しの中でミツバチが菜の花の蜜を吸い、モンシロチョウが花の間をふわふわと飛んでいる。ここはまさに天国のような景色である。

この景色を見た感動を残すために、昔の人は和歌を詠んだのだろう……。なるほど、桃源郷とは、かくも美しいのか。

横を通り過ぎた女性も「これはまさに桃源郷だね」「一首詠みたくなるね!」などと話していた。

・桜じゃなくて桃の花見もいい

桜の優美さに比べると、桃は可愛らしい印象である。例えていえば、桜が大人の女性ならば、桃の花は少女のような……。

花見といえば桜を見るけれど、桃のかわいらしさだって負けてはいないと思う。

ただ、惜しむらくは、桃の花の美しさが写真だとうまく残しづらいこと。

桜に比べて背が低く、花が枝に沿って咲くせいか、写真だと肉眼で見るよりも寂しく見えてしまうのだ。

逆にいえば、ふわっと大量に咲く桜は非常に写真映えのする花なのだろう。

鮮やかなピンクと黄色にけぶる目の前の花畑はこんなにきれいなのに、美しさの半分も伝えられない悔しさ。

本当に、この写真の数十倍は美しい景色が広がっているのだ!

というわけで、花見といえば桜だけど、少し足を伸ばして山梨県で桃の花見も行ってみてほしい。雪山と桃の花という、ここでしか見られない景色が広がっているから。

あずさやかいじの車窓からも花畑が楽しめるので、花畑に着くまで、そして帰りの道中もずっと花見ができますぞ。

なお、あずさやかいじは富士山観光で海外からの観光客で混むことが多いけど、桃の花見には外国人はほとんどいなかったし、なんなら日本人も少なかった。まだ知られていない美しさがある……という意味でもおすすめである。

ちなみに、笛吹市の2025年の桃の花見は4月13日ごろまでが見頃とのこと。気になる方はいますぐ中央線の特急に飛び乗ろう!

なお、これから行く人は隣の韮崎市にある新府桃源郷という桃の名所がいいかも。そちらは笛吹市より開花が遅く、これから桃の花の見頃を迎えるそう。

参考リンク:御坂農園グレープハウス、ふえふき観光ナビ、
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.

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