広島のドラフト補強ポイント 長打不足解消が喫緊の課題も…地元出身スター候補、明大・宗山塁の1位指名公表
安定の先発陣、躍進遂げたリリーフ陣
9月に入るまで首位を走るも最終的には4位に終わった広島。シーズン終盤の勝負所で投手、野手ともに息切れし、悪い流れを断ち切ることができずに2年ぶりのBクラスに沈んだ。
来季就任3年目となる新井貴浩監督のもと、6年ぶりのリーグ制覇を目指すためにも、戦力強化は不可欠だ。10月24日に開催されるドラフト会議は来季に向けて戦力を強化する最重要の場となる。本稿では、現時点で在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、指名候補も含め広島のドラフト補強ポイントを考えていく。
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投手陣はチーム防御率が昨年の3.20から2.62と大幅に改善。先発、リリーフともに巨人、阪神に次ぐリーグ3位の防御率と健闘した。先発陣は床田寛樹、森下暢仁、大瀬良大地、九里亜蓮の4人が今季もローテの中心を担い、アドゥワ誠と玉村昇悟が谷間を埋める活躍を見せた。
その他にも、3年目左腕の森翔平に加え、1位ルーキーの常廣羽也斗ら昨年のドラフトで大学生投手を3人上位指名したこともあり、期待の若手も揃っている。今ドラフトでは即戦力というよりも、将来性を重視した指名となりそうだ。
リリーフ陣は昨季から大幅に改善。守護神・栗林良吏、セットアッパー・島内颯太郎に加え、3年目の黒原拓未が53試合に登板と躍進。森浦大輔と塹江敦哉がともに50試合以上に登板し、昨年の不振から見事に復活を果たしたのが大きかった。
その他にも実績ある矢崎拓也や助っ人のコルニエルが健闘。20代中盤の若手も豊富なため、緊急性は低い。消耗が激しいポジションだけに補充は必要となるが、優先度は高くないだろう。
野手は長打力不足を露呈、菊池の後釜候補も
捕手では正捕手の坂倉将吾が64試合、ベテランの會澤翼が49試合、大卒5年目の石原貴規が30試合と3人でスタメンを分け合った。若手も20代前半に3人そろっており、特に今年のドラフトで補強する必要性は感じない。下位~育成での指名を検討する程度と予想される。
続いて内野手。一塁は捕手の坂倉が最多の49試合、次いで33歳の堂林翔太が47試合で先発と人材難な状況。本来であれば、助っ人大砲を置きたいポジションだが、近年投手のレベルが急激に上がったせいか、打撃で好結果を残せる助っ人探しは困難を極めている。将来の4番候補となる選手がいれば、積極的に指名しておきたい。
二塁は34歳の菊池涼介が健在で、遊撃には今季急成長の矢野雅哉が定着。小園海斗が遊撃から三塁へと回った。守備面では安泰の布陣だが、どうしても打力不足の感は否めない。コーナーポジションに長打力のある選手、そして年々成績が下降気味の菊池の後釜となる二遊間候補を、それぞれ補強しておきたいところだ。
外野手はセンターに秋山翔吾、ライトに野間峻祥がレギュラーとして君臨。西川龍馬が抜けたレフトでは、末包昇大がケガでの離脱がありながらもなんとかその穴を最小限にとどめた。ただ、秋山が36歳、野間が31歳とこの2人に頼れる期間はそう長くはないだけに、特にセンター候補は指名しておきたいところだろう。
1位指名は地元出身の逸材、長打不足解消への一手は?
以上のことから、以下の3つを優先補強ポイントとして挙げたい。
1.明大・宗山塁を競合覚悟で1位指名
地元出身のスター候補をみすみす逃すわけにはいかない。11日に広島・広陵高OBの明治大・宗山塁の1位指名を12球団最速で公表した。アマ球界ナンバー1の即戦力遊撃手は攻守ともに1年目からレギュラーを奪える能力を有する。今季は矢野が台頭し遊撃レギュラーは埋まったはずだが、それでもなお宗山の1位指名を公表。その評価の高さがうかがえる。
2.一発長打が魅力のクリーンアップ候補
長打不足解消への一手も打っておきたい。今季のチーム本塁打は52本で12球団ワースト。同5位だった得点力(415得点)を上げるためにも、ポジション問わず長打力のある野手を指名しておきたい。
即戦力性の高さでは青山学院大の西川史礁と佐々木泰の2人に、大阪商業大の渡部聖弥が候補となる。3人とも大学球界屈指の長距離砲で、プロでも20本塁打以上を期待できるパワーを持っている。3人とも宗山の外れ1位候補として検討しておきたい。
高校生では花咲徳栄高・石塚裕惺がピカイチ。高校生ゆえに即戦力とはいかないが、2年目から一軍で存在感を発揮してもおかしくない打力を有しており、浅村栄斗(楽天)のような攻撃的セカンドとしての活躍も期待できる。早稲田実高・宇野真仁朗もパンチ力ある二遊間候補として注目だ。
3.将来性の高い高卒先発投手
将来に備えて高校生の先発候補も指名しておきたい。今年は高校生右腕の候補が多く、上位でなくとも素材の良い投手を確保可能。北星学園大付高・石田充冴、聖カタリナ学園高・有馬恵叶らポテンシャルの高い長身投手を獲得しておきたいところだ。
※表の年齢は2024年12月31日時点
※育成選手、引退及び退団が発表された選手は含まず(10月11日時点)
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記事:SPAIA編集部