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2033年度目標に上下分離方式で鉄道復活 「JR肥薩線検討会議」で復旧方針決まる(熊本県人吉市など)

鉄道チャンネル

特急「かわせみ やませみ」(画像:JR肥薩線検討会議のJR九州資料から)

2020年7月豪雨で大規模に被災、現在も運休が続く熊本県のJR肥薩線八代~人吉間(51.8キロ)の復旧方法を国レベルで話し合う、「JR肥薩線検討会議」の11回目の会合が2025年3月31日、熊本市中央区内で開かれ、鉄道で復旧することでJR九州と熊本県などが最終合意した。鉄道の施設保有と列車運行主体を分ける、「経営の上下分離方式」を採用する。運転再開目標は8年後の2033年度。

八代(熊本県八代市)~隼人(鹿児島県霧島市)間のJR肥薩線(124.2キロ)は、熊本、宮崎、鹿児島の南九州3県を縦貫する唯一の鉄道路線。明治年間に全通した。「SL人吉」(2024年3月までに現役引退)や、「はやとの風」(2022年3月に運行終了)といった観光列車・特急列車で、鉄道ファンにも人気の路線だ。

「令和2年7月豪雨」では、線路流失や土砂流入といった大きな被害が発生。被災は400カ所以上に及んだ。

【参考】恐るべき水の力【木造駅舎コレクション】066(※2021年4月時点の肥薩線の状況を現地レポートしたものです)
https://tetsudo-ch.com/11580803.html

復旧に当たっては、235億円(2022年3月時点でJR九州試算)と見込まれる鉄道の復旧費用確保が課題になり、国(国土交通省)は2022年3月、国交省、JR九州、熊本県をメンバーとするJR肥薩線検討会議を立ち上げ。今回、11回目の最終会合で「上下分離の鉄道による復旧」に関係者が合意した。

検討会議は、鉄道で復旧する理由や目標を、「観光を軸にした日本一の地方創生モデル実現」、「マイレール意識による日常利用の創出」などとする。

最終合意では、2025年度内に復旧工事に着手。国の助成制度も活用しながらJR九州が実際の復旧工事に当たる。復旧費の負担割合は国と熊本県が210億円、JR九州が25億円で、JR九州の負担割合は約10%になる。

不通区間各駅のうち瀬戸石、海路、那良口の3駅は廃止。段、坂本、葉木、鎌瀬、吉尾、白石、球泉洞、一勝地、渡、西人吉、人吉の11駅体制で運行再開する。

鉄道での復旧決定に当たり2025年4月1日、JR九州と熊本県は熊本県庁で合意書を交換。熊本県の木村敬知事とJR九州の古宮洋二社長が、鉄道復旧の確実な推進や両者協力しての地域振興などを誓った。

記事:上里夏生

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