小説家・岩井圭也氏 「生徒たちの作品が刺激に」 高校生の小説を講評
戸塚地区センターで7月26日、戸塚図書館主催の講座「小説を書いてみよう」が行われた。当日は横浜市在住で『われは熊楠』が第171回直木賞の候補となった作家・岩井圭也さんを講師に迎え、市内外から集まった7人の高校生が事前に執筆した小説を講評した。
冒頭では岩井さんのプロフィールを紹介。小説家になったきっかけとして、小学生の時に雑誌『小学三年生』に連載されていた『ちあき電脳探偵社』の終了に伴い「いわゆる『公式』からの供給が無くなって絶望した。『それなら自分で書いたらええんや!』と思った」と話すと、生徒たちは大盛り上がり。「わかる!」との声や、強くうなずく生徒も見られた。
書き出しは「状況」から
また小説執筆の「極意」として、小説家を志す生徒に対して「短くても最後まで書き上げることが大切。『(了)』を打った回数だけ書き手は成長します」と語った。
講評パートでは、生徒たちが事前に執筆した小説を読んだうえで一人ひとりにコメント。「書き出しは説明ではなく、状況を書いた方が効果的」「(青春小説で)最後まで『好き』という言葉を使わないのがいいね」などの言葉に生徒たちは真剣に耳を傾けていた。
イベント終了後、岩井さんは「生徒さんの作品を読むことで、私も初心を思い出しました。今後も様々なところでやっていけたら」と語った。