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ポタジェ プチ自給自足 ~旬を意識したプランニング

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ポタジェ プチ自給自足 ~旬を意識したプランニング

今回は、プチ自給自足を意識して、旬を味わえるポタジェ(菜園)のプランニング。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。

プロフィール

藤井 純子さん

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとしてセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。野菜ソムリエ、ハーバルセラピスト。

 

 

北海道の2月はまだ雪が多く残りますが、日差しは少しずつ温かく感じられるようになってきました。そろそろ春の菜園のプランニングを考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、「プチ自給自足」を意識した、四季折々の野菜を少しずつ育て味わえるプランニングのアイデアをご紹介したいと思います。

プランニングのメリット

・旬の野菜が味わえる
・プチ自給自足できる
・手入れや収穫の時期が異なるため、繫忙期が集中しない
・食べきれる分だけ収穫、保存できる

プランニングを今から行なって、限られた空間(畑)を上手に活用しましょう。季節ごとの野菜を少しずつバランスよく植栽して、プチ自給自足で旬を味わうことができますよ。

季節ごとの味わい

まずは、その季節ごとに採れる野菜をご紹介していきましょう。

[ 早春 ]
ふきのとう、ヨモギ、ワラビ、行者ニンニク、アスパラ、ニラなど。

雪解けとともに顔を出すのは“ふきのとう”。天ぷらやふきのとう味噌はまさに春の味わい

 

[ 初夏 ]
エンドウ、ソラマメ、レタス、ラディッシュ、ニンニク、ムギ、イチゴなど。

4月末~5月初めに植えたラディッシュは、1カ月ほどで食べごろに

 

[ 夏 ]
トマト、ピーマン、ナス、キュウリ、ズッキーニ、スイカ、オクラ、インゲン、エダマメ、トウモロコシ、ジャガイモなど。

ジャガイモは早めに定植することで8月には収穫することができるため、夏野菜に入れています。

ミネラルが豊富な夏野菜たち

 

[ 秋 ]
落花生(らっかせい)、サツマイモ、ゴボウ、ヤーコン、タカノツメ、カボチャ、タマネギ、ニンジン、サツマイモ、大豆、芽キャベツ、山芋など。

秋野菜は保存できる野菜も多く、冬に重宝する

 

[ 初冬 ]
ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ダイコン、カブ、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナなど。

長期保存ができる冬野菜は、鍋やおでんなどに重宝

春夏秋冬を意識してバランスよく栽培

12月~3月頃まで雪に覆われる北海道などの地域は、ハクサイやダイコンなどの冬野菜を栽培したいと思っても、その時期に育てることができません。また、その前にタネをまいて育てようと思っても、トマトやインゲンなどの夏野菜が9月初めまで収穫ができるため畑が占領されています。サツマイモなども10月頃まで畑を占領しているので、続けて冬野菜を育てるのは難しい環境です。冬野菜を育てる場合は、春野菜が初夏には収穫が終わるので、その後のスペースを使って栽培することをおすすめします。


広い敷地があればいろいろ栽培できそうですが、夏の猛暑時期などは管理が大変です。家庭菜園は適度なスペースだからこそ管理しやすいというメリットもあります。

そこでおすすめなのが、宿根草や春野菜、夏野菜、秋野菜、冬野菜をバランスよく植える方法です。イメージとしては、①春野菜=冬野菜、②夏野菜、③秋野菜を3等分になるように栽培する方法です。また、宿根草の野菜を育てる場合は、4等分するイメージになります。

3等分にバランスよく植え付けることで、季節ごとの旬の野菜を収穫できる
宿根草の山菜やハーブ、果樹などは一度植えると、その後は植える手間が省かれる。ほかの季節の野菜と4等分のイメージで

ポタジェのレイアウト例

実際に、ポタジェで栽培したレイアウトをご紹介したいと思います。まず、紫色のラインの部分は宿根草で、菜園の周囲に植えています。赤色は夏野菜、オレンジ色は秋野菜、緑色は春野菜を栽培しています。日当たりを考慮しつつ、連作しないように気をつけながらレイアウトしています。

毎年、100㎡(平方メートル)ほどの菜園に100種類以上の植物を栽培している

栽培スケジュール

季節ごとに採れる野菜を落とし込みこみながら、栽培スケジュールをつくってみました。作業時期の目安にもなり、ポタジェのレイアウトも一緒に考えられそうですね。

栽培スケジュール

 

① 4月末~5月初めに春野菜の植え付け

まだ寒さが残る4月末~5月初めに、ジャガイモ、サヤエンドウ、スナックエンドウ、グリーンピース、ソラマメ、レタスを植え付けます。ジャガイモは8月初めに収穫することができます。エンドウ類は6月末頃から実がなり、3週間ほど収穫できます。春野菜は暑さに弱いため徐々に枯れていくので、7月中旬~下旬には片づけるようにしましょう。収穫後は必要に応じて堆肥を入れて軽く耕し、2週間ほど休ませておきます。ポタジェでは堆肥や肥料を入れず耕さないため、1週間ほど休ませたあとに植えています。

暑さが苦手なサヤエンドウ、スナックエンドウ、グリーンピースは7月末には収穫が終わり枯れていく

 

② ニンニク、ラッキョウ、ムギの収穫・片づけ
前年の秋に植えたニンニクやラッキョウ、秋まきムギは7月初めに収穫し片づけます。このスペースも冬野菜のスペースとして利用します。土づくりはと同様です。

採れたてのニンニクの緑がきれい

 

③ 8月初めに冬野菜の定植とタネまき

8月初旬~中旬にサヤエンドウやニンニクなどを植えていたスペースに、ハクサイやダイコンなどを植え付けます。冬野菜のタネを購入する際は、生育期間が短い早生(わせ)品種やミニサイズ(ミニ白菜やミニチンゲン菜など)の品種を選ぶのがおすすめです。ハクサイやキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーは、7月中旬には苗づくりをしておきます。

エンドウを植えていた場所に、ダイコンやカブのタネまきをした様子

物価高騰や健康志向、環境への意識の高まりとともに世界的にも家庭菜園が再び注目されていますね。少量多品種を栽培するポタジェでは四季折々の恵みを少しずつ味うことができます。プチ自給自足的な暮らしを楽しんでみてはいかがでしょうか。


次回は、「育てやすく利用しやすいクッキングハーブ」の紹介とあわせて、自家製ハムとサルシッチャづくりをご紹介したいと思います。

 

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