Yahoo! JAPAN

新国立劇場バレエ団、古代インドを舞台にしたエキゾチックでドラマティックなバレエ『ラ・バヤデール』を上演

SPICE

新国立劇場 2023/2024シーズン『ラ・バヤデール』

2024年4月27日(土)~5月5日(日・祝)新国立劇場 オペラパレスにて、新国立劇場 2023/2024シーズン『ラ・バヤデール』が上演される。

本公演は、古代インドを舞台にした、エキゾチックでドラマティックな傑作バレエ。新国立劇場では2000年に牧阿佐美舞踊芸術監督の改訂振付第1作として新制作され、古典バレエの様式美を存分に堪能できる演出、スピード感あふれるスペクタクルな舞台展開、豪華でオリエンタルな深い色彩の舞台美術によって、大成功をおさめた。

       撮影:瀬戸秀美

       撮影:瀬戸秀美

異国情緒溢れるグランドバレエである本公演。牧阿佐美版では古典バレエの様式美を存分に堪能できる演出でありながら、スピード感あふれる舞台展開で評価を得ており、物語の最後に寺院が轟音とともに崩壊し、その廃墟の中をニキヤとソロルが共に天に昇って行くシーンは、牧阿佐美版ならではの解釈と息を呑むような美しさとなっている。

       撮影:瀬戸秀美

そしておとぎ話を題材としたバレエとは違った、複雑な人間ドラマも魅力のひとつ。清楚で内に秘めた強さを持つ舞姫ニキヤ、その恋人で王に仕える戦士ソロル、ソロルを慕う王の娘ガムザッティ、ニキヤを憎からず思う大僧正など、それぞれのダンサーがどのようにキャラクターを演じるか期待が高まる。

       撮影:瀬戸秀美

さらに、ソロルの夢の世界である「影の王国」の場面で、白い衣裳のコール・ド・バレエがひとりずつ3段の九十九折スロープをゆっくりと舞い降りる様子は、幻想的な美しさに満ちている。一糸乱れぬコール・ド・バレエは圧巻だ。

夢の場の群舞など古典バレエならではの美しさはもちろん、登場人物たちが織り成すドラマも見どころの本公演を楽しみにしよう。

       撮影:瀬戸秀美



【ものがたり】
インドの寺院に仕える舞姫ニキヤはラジャー(王侯)に仕える戦士ソロルと恋仲である。ニキヤに思いを寄せる大僧正はニキヤを手に入れようと機会をうかがっている。一方、ソロルが仕える王の娘ガムザッティはソロルとの結婚を望み、王の命に背くことができないソロルは心ならずも結婚を承諾してしまう。
絶望するニキヤはソロルとガムザッティの婚約の宴で悲しみをこらえながら踊るが、ラジャーとガムザッティが仕込んだ毒蛇にかまれ、解毒剤を差し出す大僧正の手を振り払って絶命する。後悔にさいなまれるソロルは、夢の中でニキヤと再会して至福のときを過ごすが、彼が夢から覚めたとき、愛の力か、はたまた神の怒りか、寺院が轟音のなかで崩壊していく……。

【関連記事】

おすすめの記事