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トリマーのスキルを生かした保護活動で犬たちの命を救う「GOGO groomers」の取り組み

いぬのきもちWEB

撮影/田尻光久

ここでは、犬と、犬を取り巻く社会がもっと幸せで素敵なものになるように活動している方々をレポートします。

今回は、トリマーのスキルを生かした保護活動を始めて、現在までに500頭を超える犬たちの命を救ってきた「GOGO groomers」代表・猪野わかなさんの取り組みを紹介します。

撮影/田尻光久


猪野わかなさん
トリミングサロンWANBO、GOGO groomers代表。トリマー歴18年。数多くの顧客をもつ人気トリマーとして活躍するのと同時に、多くの犬たちの保護、譲渡にも尽力する。

有志のトリマーが集まり、今までに500頭以上の保護犬の命を救う


東京の西日暮里にある「トリミングサロンWANBO」は、毎日多くの飼い主さんと愛犬が訪れる地元でも人気のサロンです。一見、普通のトリミングサロンに見えますが、ここでは日々、犬や猫たちの命を救う保護活動も行われています。

保護犬の情報が貼られたWANBOの入り口


サロンのオーナーでスタイリストの猪野わかなさんは、2011年にトリミングによって動物の保護活動に貢献するボランティアグループ「GOGO groomers(以下グルーマーズ)」を結成。以来、現在までに500頭以上の犬たちの命を救ってきました。
 
もともと、動物が大好きだった猪野さんは、動物にかかわる仕事をしたい、という思いから専門学校でトリミングの勉強をし、卒業後はペットショップのトリマーとして働き始めました。でも、「夢と現実は違っていました……」と猪野さん。

「当時は、やはりビジネスが優先で売り場では過酷な状況に置かれる子犬も少なくありませんでした。あるときは子犬を購入したお客さまが数日後に、店の前にその犬を捨てていったこともありました。でもペットショップとしてはその犬をどうすることもできないので、私が自宅で保護することに。ペットショップで売れずに廃棄されそうになった犬など含めて、多いときには、10頭を自宅でお世話していました」と話す猪野さん。

一度家族として迎えた犬を簡単に捨てる人がいる、という現実を目の当たりにし、現状をなんとか変えていきたいという思いから、自身のトリミングサロンを立ち上げることを決意。そして、不遇な環境に置かれた犬たちも助けるトリミングサロン「WANBO」を開業しました。

右は高齢の飼い主さんの病気により保護されたみつよちゃん(5才)。左は卒業犬のももちゃん(推定10才)


「2008年にオープンした当初は、『動物保護団体』が数多く存在することも知らなかったので、個人で保護犬の譲渡先を探したり、保護犬のシャンプーボランティアを行ったりしていました。そして2011年に起こった東日本大震災が転機となったんです」と猪野さん。

撮影/田尻光久

出典/「いぬのきもち」2024年4月号『犬のために何ができるのだろうか』
写真/田尻光久
写真提供/GOGO groomers
取材・文/袴 もな
※保護犬の情報は2024年2月6日現在のものです。

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