オリーブ発祥の地は神戸って知ってた?神戸でオリーブの樹を探してみた! 神戸市
神戸は「オリーブ栽培の発祥地」といわれていることをご存じでしょうか?
時代は明治にさかのぼります。政府は農産物の開発に取り組むため明治12年(1879年)、神戸・山本通に『内務省三田育種場 神戸支園』をつくり、フランス産のオリーブの樹550本、ユーカリ、ゴムノキなどを植えました。
中でもオリーブがよく育ち、明治15年にはオリーブオイルの製造に成功したことから、明治17年に『国営神戸阿利襪(オリーブ)園』と改称し、オリーブ園の面積を拡大しました。その後、政府の財政難から明治21年に民間への払い下げが決まり、後に閉園します。
神戸北野ホテル前の『国営神戸阿利襪園跡(神戸阿利襪園跡モニュメント)』
『国営神戸阿利襪園』があったとされる場所は、現在「神戸北野ホテル」が建っています。エントランス横には、オリーブの樹と歴史がわかるモニュメント(プレート)があります。
神戸市中央区のオリーブを探してみようと思ったきっかけになったのが、神戸北野ホテルのモニュメントとオリーブの樹です。
日本最古といわれる『湊川神社オリーブ樹』
地元の人から「楠公さん」と呼ばれ親しまれている『湊川神社』。
表神門をくぐって左手に「国営神戸阿利襪園」ゆかりのオリーブ樹があり、「湊川神社オリーブの木保存会」の皆さんによって守られています。
なお、「国営神戸阿利襪園」ゆかりのオリーブ樹として、宝蔵寺(ほうぞうじ/兵庫県加古川市)にも、日本最古のオリーブ樹があり、現存する日本最古のオリーブは『湊川神社』と『宝蔵寺』にあるのみといわれています。
神戸北野美術館
神戸北野美術館では、国営神戸阿利襪園に関する資料が展示されていたり、オリーブのことがよくわかる小冊子(編集:インターナショナルオリーブアカデミー神戸)が読めます。
また、神戸北野美術館の入り口にはオリーブの樹があります。
北野異人館 風見鶏の館前『神戸・小豆島 友好のオリーブ樹』
風見鶏の館前にも、大きなオリーブがあります。神戸でのオリーブ油搾油130年を記念して、香川県小豆島町から贈られたものです。
明治12年に国営神戸阿利襪園を作った「神戸」。神戸でのオリーブ事業が中止され衰退したあと、明治41年に政府が新たにアメリカからオリーブの苗木をいれて三重・香川・鹿児島の3県を指定し、唯一オリーブ栽培に成功した香川県の「小豆島」。オリーブが繋いだ縁のように感じます。
東遊園地『復興のシンボル・オリーブの記念樹』
震災翌年の1996年、イタリア・オリーブの町協会のカルロ・アントニーニ会長らが神戸市を訪れ、東遊園地にイタリアで平和のシンボルとされるオリーブの苗木を寄贈しました。東遊園地の芝生広場の近く、モラエス翁像の隣りにあります。
神戸マラソンの優勝者に贈られるオリーブの冠には、湊川神社のオリーブ・東遊園地のオリーブ・風見鶏の館前のオリーブの3つの樹の枝が使われています。
北野坂の『マイ・オリーブ活動』
北野坂沿いに「マイ・オリーブ活動」の説明プレートつきのプランターがあります。
『神戸北野ノスタ』のオリーブ
神戸北野ノスタ(旧:北野小学校)にも、建物入り口の両脇、テラス席、駐車場にオリーブの樹があります。
『サンキタ広場』のオリーブ
サンキタ広場にもプランターのオリーブをみつけました。
今回、オリーブの樹を探し歩いたお陰で、道を歩いていても「あ!オリーブだ!」と見つけられるようになりました。ご紹介した場所以外にも、神戸市内や兵庫県内にはオリーブの樹があります。いつも歩いている身近な場所にもあるかもしれません。
オリーブゆかりの場所
国営神戸阿利襪園跡
(神戸市中央区山本通3丁目3-20)