五平餅にサラダにジェラートまで!えごま尽くしのランチ【楽ya】高岡の山あいの囲炉裏カフェ
3月も後半に入り、もうすぐ春分の日。そろそろ春本番!というわけにはいかず、まだまだ気温が低い日もありますよね。
そんなときに行きたくなるあたたかい店が富山県高岡市にあります。名前は「楽ya(たのしや)」。えごま味噌の五平餅が名物のお店です。
高岡の山あいに佇む古民家の納屋をリノベーション
店があるのは高岡市須田。小矢部川と平行するように高岡の山あいを抜ける小矢部伏木港線の脇にあり、能越自動車道の高岡北ICから車で5分ほどのところです。
古民家の納屋をリノベーションした店で、どこか懐かしさを感じます。
囲炉裏のあたたかさに包まれる店内
店内に入るとすぐ、大きな囲炉裏が出迎えてくれます。
煌々と輝く炭のまわりには、ずらっと並ぶ五平餅。五箇山や細入など富山の南部や飛騨地方、長野の山間部などで親しまれる小判型の平たい餅で、素焼きしたものに醤油や味噌などを塗って味付けする郷土料理です。
炭の赤外線で炙られて香ばしい匂いが立ち込めますが、「楽ya」の五平餅にはちょっと珍しい特徴が。それが、この黒っぽい味噌です。
高岡のえごまを使った「えごま味噌の五平餅」
たっぷりと塗られた黒緑のペーストは、えごま味噌。
富山では醤油のみたらしや甘味噌、クルミや黒ごまを加えた味噌などのイメージが強い五平餅ですが、「楽ya」のものにはシソ科特有の香りとプツッとした食感が新鮮なえごま味噌が使われています。
店主の姫野さんがえごま味噌の五平餅に出会ったのは、10年ほど前。飛騨を訪れた時に食べた五平餅の味が忘れられず、その味を地元で伝えたいと考えるようになったんだとか。
それから、レシピを教えてもらったり、自宅の前のスペースで販売したりするなど、試作と研究を重ねながら、ついに2023年、店舗としてオープンしたのが「楽ya」です。
立てても垂れない! 濃密で舌触りも新鮮なえごま味噌
えごま味噌に使われているのは、地元の高岡で作られたえごまと醤油。そこへ味噌も混ぜ合わせますが、味噌だけは飛騨で出会った味を再現するために高山のものを使っています。
立てて焼いたり、ひっくり返したりしても垂れて落ちないほど濃密でもったりと重厚な黒い味噌。ですが、重みのある色から受ける印象とは異なり、味噌は甘めに仕上げてあり、塩辛さや苦みは感じません。ほのかに香るえごまの匂いとざらっとした舌触りはやみつきになります。
五平餅に肉吸い…えごま尽くしのランチも
そんな五平餅と牛肉のうま味に癒される肉吸い、えごまの葉を使ったお茶がセットになっているのが、「楽ya」の肉吸いランチです。
ランチはA、B、Cの3種類あり、五平餅と肉吸い、お茶のセットにそれぞれ、Aにはおからと豆腐のサラダが、Bにはえごまジェラートが、Cにはサラダとジェラートの両方がつきます。
肉吸いを除くすべての品にえごまが使われていて、えごま尽くしのランチ。
卓上にもえごまが用意されているので、お好みで肉吸いにかけることもできます。
おからと豆腐のサラダには、えごまのふりかけがかかっているだけでなく、使われている豆腐自体にえごまの粒が入っています。姫野さんの知り合いの豆腐店が「楽ya」のために作っているもので、ここでしか食べられない味なんだとか。
ベーコンの塩気とおから、豆腐のやさしい味わいが、さわやかなえごまの香りによく合います。
デザートのミルクジェラートには、五平餅と同じえごま味噌がトッピングされています。
味噌とジェラートの組み合わせは想像がつかないという人もいると思いますが、みたらし団子のような味わいで甘塩っぱい味がクセになります。
囲炉裏のおだやかなあたたかさに包まれて、五平餅と肉吸いを食べると、体の芯からぽっかぽか。ついつい冷たいものがほしくなる…なんてお客さんも多いんだとか。
あたたかい店主の人柄とえごまの滋味深い味に、心までほぐされそうです。
【楽ya】
住所 富山県高岡市須田81
営業時間 10:00~15:30
定休日 月・火曜