座間駅前 坂道に憩いのベンチ 市民団体が資金を募り
「座間駅前を盛り上げ隊」(岡田拓也代表=人物風土記で紹介)が座間駅前の坂にベンチ2基設置した。クラウドファンディングで資金を集め、4月19日には「座間駅前春まつり」に合わせて、座り始め式を行った。
「座間駅前を盛り上げ隊」は2021年、楽しみながら地域を盛り上げようと、座間駅の利用者や近隣の事業者などにより結成された。
座間駅前には、急な坂に沿うように商店街が広がる。同会代表の岡田さんは「高齢者の方が大変そうに坂を登る姿が印象的だった」と話す。会として何かできないかと考える中で、株式会社グランドレベル(東京都墨田区)が実施した「東京ベンチプロジェクト」を参考に、ベンチの設置を提案した。
組織が小さく、資金面に課題があったため、クラウドファンディングを採用することに決め、返礼品にポストカードを用意した。募集期間の昨年12月7日から今年1月31日までに、57人から35万円を超える寄付金が集まった。
ベンチは坂の中腹にあたる生花店「花メッセージ」の敷地内と頂上にあたる天台バス停横に設置された。座面が再生木材製で脚は鋼板製。小田急電鉄(株)が座間駅周辺に設置したベンチに合わせるなど、景観にも配慮した。側面には寄付者のニックネームとメッセージの書かれたタグが付いている。
19日の座り始め式には、佐藤弥斗座間市長にのほか、(株)グランドレベルの田中元子社長も出席。かわるがわるベンチに座り、会員との談笑を楽しんだ。田中社長は「ベンチをきっかけに、坂に上ることを楽しんでもらえればうれしい。まちの方々に愛されるベンチになってほしい」と話した。岡田代表は「設置はゴールではなくスタート。まちの方に安心して使い続けてもらえるように、維持・管理に努めていきたい」と述べた。