【今週の『忘却バッテリー』の話題は?】1ヶ月ぶりの更新に読者大歓喜! 完璧なリードを見せる要、一筋縄ではいかない氷河打線<173話>
マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中のみかわ絵子先生による大人気漫画『忘却バッテリー』。中学時代に“怪物バッテリー”として名を馳せた天才投手・清峰葉流火と捕手・要圭が、要が記憶喪失になったことをきっかけに野球部のない都立高校に入部し、かつて自分たちが挫折させた球児たちと再び野球に打ち込む日々を描いた高校野球漫画です。
ギャグ調に描かれる男子高校生たちの日常と野球に真剣に取り組むゆえにぶつかるシリアスな問題との絶妙なバランスが多くの読者の心を掴み、2024年4月にはアニメ第1期が放送され、第2期の制作も決定しています。また、主題歌となったMrs. GREEN APPLEの「ライラック」はその年のレコード大賞を受賞し、こちらも大きな話題となりました。
隔週木曜日はそんな『忘却バッテリー』の更新日! 5月1日には最新173話が公開されました。4月は休載だったため実に1ヶ月ぶりの更新となった本話。読者は待ちに待った最新話を喜ぶとともに様々な感想をSNSに寄せています。
本稿ではSNSに寄せられた反響とともに、173話の内容の振り返りや考察をしていきたいと思います。
※本稿には、173話のネタバレが含まれますのでご注意ください。
1ヶ月ぶりの『忘却バッテリー』だ!!
3月20日に更新された172話で4月いっぱい休載することが発表された本作。読者は1ヶ月以上ぶりの最新話を心待ちにしていたようで、日付が変わる前から「明日は忘却バッテリーの更新日だ」「ここまで長かった……」「先生休めたかな?連載再開楽しみ過ぎる」といった待ちきれない読者たちのそわそわする様子がうかがえました。
「少年ジャンプ+」で公開されている172話のコメント欄にも「明日の更新に備えて最新話を読み返しに来た」という声が。(他人事のように言っていますが、筆者も最新話をじっくり読み返して予習した読者の一人です)
また、この5月で連載開始から7年を迎え、「連載7年目おめでとうございます!」「7年間ずっと面白い!絵子先生応援してます~!」「連載始まった時から読んでるんだけど……もう7年も経ったの……?」と祝福する声とともに作品の重ねた歴史の重みを感じる読者も。
「7年も連載続けてくれてるの感謝しかない」「大好きな作品だから無理なく連載続けてほしい」という数多くのコメントからは読者の強い作品愛が感じられました。
瀧を完璧にリードする要、しかし……
甲子園出場をかけた決勝戦は、両校無得点のままいよいよ後半に差し掛かります。小手指は清峰が疲れる前に投手を1年生・瀧に交代することに。これまでであればどんな状況であってもマウンドを下ろされる事を拒み、投手交代を決断した監督を投げ飛ばさんばかりの勢いで持ち上げるなど、激しく抵抗していた清峰。
しかし、今回の彼はちょっとばかり変な顔をしながらも、納得したうえで瀧にマウンドを任せたのです。その天才的な強さからこれまで唯我独尊状態だった清峰は、小手指での野球を通じて仲間を信じ頼ることを学び、そうすると心理的な負担が減ることを知りました。清峰が真のエースとして成長したことを感じさせます。
そんな清峰に、チームメイトも監督も驚きを隠せず、読者からも「投げ飛ばさなかった葉流ちゃん偉いね大人になった…」「葉流火成長したなあ。ちゃんとエースになってるよ」と感嘆の声が上がっていました。
そして、投手が瀧に代わったことで負担が増すのは捕手の要。制球力が持ち味の瀧は、パワーピッチャーの清峰よりもリード力が試されることになるためです。監督・佐古は負担が増したことはもちろん、自分の技量を超えたもうひとつの人格と一層比較してしまう事になるのではないか、と要のメンタル面が気がかりな様子。
しかし、その心配は杞憂に終わります。俺にできることは瀧を完璧にリードすることだ、と覚悟を決めた要のリードは一切迷うことがなく瞬時に正解を導いていきます。清峰の魔球・スプリットはまだ捕球できなくとも、智将・要圭はキレのあるリードで勝利をもぎ取ると言われた天才捕手なのだと再確認させられましたね。
「智将の後ろ姿かっこよすぎた」「智将の目に光入ってるシーン好きだ~!」「ぜったいノートとこれまでの経験が智将を支えてるんだよね…泣ける」「智将の迫力に圧倒される…!」などの声が上がっており、この熱い展開に読者の興奮する様子がうかがえます。
スプリットを捕れない自分を冷静に受け止めながらも諦めずに勝利を目指す要。それは、171話でチームメイト・千早がプレーによって「諦め悪く挑むこと、自分に嘘をつかないこと」を示したことも心に大きく響いているようで、「千早のメッセージがちゃんと届いてる…」と涙する読者の姿も。
非の打ち所がないリードで、瀧の立ち上がりも上々。6回表を難なく終えて後半戦も上手く流れていく、と監督も選手たちも、そして読者も安心した矢先。氷河の小柄なパワーヒッター・舞原がシングルヒットを放ったのです。
これは甲子園出場をかけた決勝戦であり、相手は強豪・氷河高校。すんなりスリーアウトを取らせてくれるわけがなかったのです。そして、氷河のエース・桐島の「さァ ここからやで」という不穏な一言で173話は終幕しました。
「安心させてからの急降下、このジェットコースターこそが忘却バッテリーよ」「久しぶりに忘バの不穏を浴びて苦しい」「ヒヤヒヤする~次回読みたいけど怖いよ~!!」「最後は智将が何とかしてくれるんだよね!?ね!?」と読者からは期待と不安をない交ぜにした感想が多数寄せられています。
白熱する西東京大会・決勝戦。果たして勝利はどちらのものとなるのでしょうか……。
小手指と氷河、どっちに勝ってほしい? この先の展開を予想してみた!
両校ともに無得点のまま後半戦を迎え、どのような決着を迎えるのか気になって仕方がありませんよね。SNS上では先の展開を期待する声とともに「小手指に勝ってほしいけど、氷河が負けるところも見たくない」「どっちも応援したくなるからどっちが勝っても嬉しいし悲しい」といった声も多く見られます。
そこで少し気が早いかもしれませんが、ここからは筆者の独断と偏見で小手指が勝つ展開と氷河が勝つ展開それぞれのパターンで先の展開を予想してみたいと思います。
まずは、小手指が勝った場合、智将でも強豪校に勝利できたということで、彼にとっては大きな救いとなるのではないでしょうか。その時、智将がどんな感情を抱くのか、心から喜ぶことができるのかに注目したいですね。
さらに、小手指は甲子園初出場を果たすことになります。いよいよ天才バッテリー要するチームが甲子園に挑む姿は想像するだけでワクワクしてきますね。そうなると全国の強豪校と戦うことになるため、更なる強敵の登場にも期待したいところです。個人的には、土屋、鈴木、佐藤ら3年生たちが甲子園の舞台に立つ姿を見てみたいと思っています。
氷河が勝った場合は、どうしても桐島兄弟の直接対決を期待してしまいますね。172話では大阪の強豪・陽盟館高校に属する弟・夏彦が兄・秋斗に対する複雑な感情を見せ、注目が集まりました。秋斗にとってはこの夏が最後の大会。ぜひ勝ち上がって夏彦とプレーで語り合ってほしいなと思います。
小手指の敗退で私が一番危惧しているのは、智将のメンタルです。スプリットが捕れないというだけではなく、大事な試合で勝てなかった事実は彼を酷く追い詰めてしまうのではないでしょうか。野球はチームスポーツのはずですが、彼の人柄を考えると必要以上に責任を感じてしまう気がしてなりません。
そうなったとき、情緒が育った清峰や他のチームメイト、佐古らはどのように彼を支えるのでしょうか。私は彼を救うのはきっと彼自身だと思っているので、主人格の要が智将の要を救ってくれると信じています。……お願いだからどっちの人格も消えないで……。
次の更新は5月15日。試合展開とともに、自分自身と戦う要圭にも注目していきたいところです。