猫の『異常を知らせる危険な鳴き方』5選 スルー厳禁の、痛みや不調を伝えるサイン
1.苦しそうに大きな声で鳴く
猫が苦しそうに大きな声で鳴く場合、それは緊急性の高い異常事態である可能性が非常に高いです。猫は痛みを隠すのが得意な動物ですが、苦痛が限界を超えると、鳴き声でSOSを発することがあります。
たとえば「アオーン」「オオ~」と大きな声で鳴いている場合は、何かしらの異常を訴えていると思っていいでしょう。また嘔吐の前にも大きな声で鳴くケースもあります。
2.頻繁に鳴く
猫が以前よりも頻繁に鳴くようになった場合、不安やストレス、もしくは病気を抱えている可能性があります。
とくにこれまであまり鳴かなかった猫が、突然頻繁に鳴くようになった場合は注意が必要です。病気が原因の場合、甲状腺機能亢進症や認知症などが考えられます。
また発情期の猫も、落ち着かずに頻繁に鳴くことが多いです。さらに、環境の変化やストレスが影響しているケースもあり、新しいペットの参入や引っ越しなどが原因になることも…。
猫の様子を観察し、食欲や元気がない、ふらつき、粗相をするなど、普段は見られないような症状が見られる場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
3.触ろうとすると唸るような鳴く
猫が触ろうとすると唸るように鳴く場合、それは猫が痛みや恐怖を感じているサインです。無理に触ろうとすると、攻撃的な行動に出る可能性もあります。
考えられる原因のひとつは、痛みです。怪我や病気などによって身体のどこかに痛みがあると、触られることを嫌がるようになります。とくに患部を触られると激しく唸ったり、噛み付いたりする様子がみられることも…。
また、警戒心や恐怖心も原因の一つです。猫は警戒心が強い動物なので、慣れていない人や場所、音などに敏感に反応します。なかでも過去に嫌な経験がある猫は、触られる行為に対して強い抵抗を示しがちです。
そのため猫が触ろうとすると唸る場合は、まず原因を推測してみてください。怪我や病気が疑われる場合は、早めに動物病院を受診し、適切な治療を受ける必要があります。
警戒心や恐怖心が原因の場合は、無理に触ろうとせず、時間をかけてゆっくりと慣れさせていくことが大切です。
4.かすれ声で鳴く
猫がかすれ声で鳴く症状は、呼吸器系の疾患を患っているかもしれません。たとえば猫風邪(猫カリシウイルス感染症、猫ヘルペスウイルス感染症など)、気管支炎といった病気に罹患している場合に多く見られます。
かすれ声と共に、くしゃみや鼻水、目やにといった症状を伴うことも多いため、注意深く観察をしてみましょう。
さらに、長時間の鳴き声による声帯の疲労や炎症が原因となっている場合もあります。食欲不振や元気の低下といった症状も併せて見られる場合は、より深刻な病気へ進行する可能性もあるため、早めに動物病院を受診しましょう。子猫や老猫はとくに重症化しやすいため、細心の注意が必要です。
5.夜鳴き
猫の夜鳴きは飼い主にとって悩ましい問題ですが、猫にとっては切実な訴えのひとつです。考えられる原因としては、まず老化による認知機能の低下が挙げられます。
人間と同じように、猫も年を取ると認知機能が衰え、夜間に徘徊したり、鳴き続けたりすることがあるのです。いわゆる「認知症」の症状の一つであり、不安や混乱から夜鳴きをしてしまうと考えられています。
また、病気が原因で夜鳴きが増えることもあります。甲状腺機能亢進症など、特定の病気は猫の行動や感情に影響を与え、夜鳴きを引き起こすことがあるのです。
とくに老猫の場合は、病気が隠れている可能性が高いので注意しましょう。
まとめ
猫の鳴き声は、猫たちが飼い主に伝える大切なメッセージです。飼い主は、猫の鳴き声に耳を傾け、その意味を理解する努力が必要です。そのため、ぜひこの記事で解説した危険な鳴き方のサインを参考に、愛猫の健康状態を把握してみましょう。
もし愛猫の鳴き方に不安や疑問を感じたら、必要に応じて動物病院を受診してください。獣医師がその他の症状、検査結果などを総合的に判断し、適切なアドバイスや治療を行ってくれるでしょう。
愛猫と健康で幸福な生活を送るために、鳴き声を通じたコミュニケーションも大切にしていってください!
(獣医師監修:葛野宗)