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レアカードが一枚もない!「大量ポケカ」在庫処分のはずがクレーム騒動に発展 トラブルの元凶は退職済の“前店長“だった

キャリコネニュース

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コンビニで扱う商品は多岐に渡る。ときには人気商品をめぐって思わぬ苦労を背負いこむこともあるようだ。コンビニ店員の太田さん(仮名、40代女性)が、そんな厄介ごとに巻き込まれた経験を語ってくれた。

それは数ヶ月前のこと。退職した店長が店に残した大量のポケモンカード(ポケカ)をめぐり、本部をも巻き込む騒動へと発展したという。太田さんによれば、前店長は40代男性で、勤務態度に問題が多かったそう。

「普段からパチンコ店に入り浸っているような人で、派遣社員から店長になったのですが、昇格試験には何度も落ちて、本部からお情けで合格させてもらっていました。パートの従業員でも満点を取れるような試験なのですが……」

その彼が騒動の元凶だったというが、一体なにがあったのか。編集部では太田さんにポケカ騒動の詳しい話を聞いた。(文:篠原みつき)

「うちはおもちゃ屋じゃない、コンビニなんだよ!」と感じる日々

前店長は、当時店にいた学生アルバイトからポケカの存在を知り、急速にのめり込んでいった。ポケカの拡張パックは種類にもよるが基本的に1パック5枚入りで税込み180円。30パック入りのBOXが5400円だ。その中に含まれるが出現率の低いレアカードは、ファンの間で高値で取引されている。

その状況に、「前店長はポケカの転売に手を染めていたようです」と語る太田さん。その趣味は商品発注にも影響を及ぼし、ポケカや「一番くじ」といった商品を大量に仕入れるようになったという。

「1番くじは、キャラクターのオリジナルグッズが当たるくじです。種類が多く、一時期は12種類も店頭に並んでいました。でも管理が大変で……『うちはおもちゃ屋じゃない、コンビニなんだよ!』と心の中で叫んでいました」

シュリンクなしのポケカ約350パック、疑惑の中での格安処分

前店長が辞めてしばらく経った頃、店舗には大量のポケカが「未開封で、色々な種類が混じっておよそ350パックくらい」残されていたという。つまりBOXが10箱以上だ。

「前店長が大量のカードを『自分が買う』と言っていたので、しばらくは待っていました。でも、前店長から何もアクションがなかったので夜勤を担当するベテランの男性スタッフに相談し、処分価格で売りさばくことにしたんです」

しかし、残されたポケカの状態には不可解な点があった。

「ポケモンカードの新品BOXは通常、シュリンクと呼ばれる透明なフィルムで包装されています。それが未開封の証なのですが、残っていたカードの箱はそのシュリンクが剥がされ、開封された状態でした。未開封のパック自体は箱にきっちり30パックずつ入っており、通常のBOXと同じ構成ではありましたが……」

太田さんは、前店長が価値の高いレアカードだけを抜き取っていたのではないか、という疑念を抱いていた。

「前店長は、ポケカの管理を徹底し、他の従業員には一切触らせませんでした。レアカードには金属が使われているため、他のカードと比べて若干重いと聞いたことがあります。カードを抜き取る現場を目撃したわけではありませんが、前店長が店頭に出すことを許可したパックは、なぜか発売日から数日遅れて陳列されるのが常でした。だから、『レアカードだけを選別して抜き取っているのではないか』と、内心では思っていました」

そうした疑念があったため、1パック税込50円という破格の値段をつけ、バラ売りにしようと決めた。ところが、その意向は他のスタッフに十分に伝わっていなかったそうだ。

まとめ買い客からのクレーム、本部も巻き込む事態に

ある日の夜のこと。何も知らない夜勤のスタッフが「まとめ買いする」という客に、残っていた約350パックのポケカ全てを売ってしまった。バラ売り前提であっても、全部買うという客がいれば断れないものだろう。しかし

「それからもう大変!後日、そのお客さまから『あれだけ大量に買ったのに、レアカードが一枚もないとはどういうことか』ってクレームが入って、本部も巻き込んでの大騒動になりました!私が直接対応したわけではありませんが、かなり激怒されたそうです」

太田さんの懸念は現実のものとなった。やはり前店長がレアカードを抜いてしまっていたのだろう。このクレームは店だけの問題に留まらず、本部も後始末に追われることになる。

「伝え聞いた話ですが、初期対応にも不手際があったらしく、事態がさらにこじれてしまった側面があるようです。最終的には、今後の販売方法などについて、購入された方と何らかの取り決めを交わしたと聞きました」

この騒動の後、あの日ポケカを販売した夜勤のスタッフは「もう二度とポケカは見たくない」と意気消沈しているという。しかし店では、現在もポケカの取り扱いは続いている。

「正直なところ、本当にイヤなんですけどね……。他のスタッフも、一番くじも含めて面倒そうな様子です」

こう本音をこぼす太田さん。この元店長について「お客さまに見えるところで寝ていたとか、酷いことが多過ぎました」と、振り返る。いまだに思い出すと呆れる事は尽きないようだ。

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