プロに学ぶ、ギタリスト向けの作曲講座ミニ・レポート 2025.4.26@学芸大学メイプルハウス
ギターの良さを引き出す方法、コードの知識からMIDIまで
去る4月26日、大浜和史氏による“バンドマンの作曲講座2025 ギタリストのサウンドクリエイト”が開講した。第1回のレッスンを見学させてもらうことができたので、ミニ・レポートをお届けしよう。
会場は、都内のライヴハウス:学芸大学メイプルハウス。初回はコードの成り立ちとギターとの関連性といった基本的な知識がテーマとなっていた。
まずはギターの音域の把握、コードの成り立ちや活用ポイントといった基本を確認。コードの種類を決定付ける3度の音は1回しか弾かなくて良い…といったことも踏まえ、人気ファミコン・ゲームのテーマ曲を参考に解説された。
途中、大浜氏の言葉を補足する形で、ゲスト・ギタリストの斎藤 亮氏がギターで実際の音を実演してみせる。例えばピアノとギターとでは楽器の構造が違うため、演奏しやすいコードやフレーズも変わってくるものだ。さらにギターはそのチューニングの構造上、Eをルートに持つコードやKey=Eの楽曲が弾きやすい傾向にある。それらを考慮した楽曲アレンジやコード進行はギタリストにとっても弾きやすく、楽器の良さを引き出してくれる。両氏の会話や演奏例を通したわかりやすい解説に、受講者はしっかりと聞き入っていた。
また、コード進行を学ぶ上で欠かせないドミナントVコードの役目やドミナント・モーションなどについても言及。ここでは、大浜氏がキーボードでレコーディングに参加した大瀧詠一『A LONG VACATION』(1981年)制作時のエピソードなども明かされた。
現在都内でギター講師やプレイヤーとして活動する斎藤氏も、ロックからポップスまで幅広い現場での経験を活かしたトークを展開してくれた(余談ながら斎藤氏は、かつて2000年代前半に小誌YGで展開されていたギター・コンテスト“挑戦”シリーズのダイムバッグ・ダレル編に16歳の若さで入賞、注目の10代ギタリストの一人として誌面掲載された経歴の持ち主だ)。
レッスンでは他にも、現代の楽曲作りに欠かせないパソコンやDTM(デスクトップ・ミュージック)の知識として、MIDI規格の基本にも触れられた。ちなみに大浜氏は、日本国内で展開されているMIDI検定の立ち上げに関わっている。DTMやDAWの環境を使いこなす上で避けては通れないものの、ビギナーには敷居が高い…と感じられがちなMIDIの知識も、丁寧に分かりやすく教えてくれるのだった。
最後には、今日学んだことのおさらいも兼ねて「Over The Rainbow」のエリック・クラプトンによるライヴ・ヴァージョンを披露。大浜氏の巧みなピアノ伴奏に合わせて、齋藤氏がヴォーカル&ギター・ソロで熱演を披露、2時間にわたるレッスンは瞬く間に閉会となった。
第2回は5月31日(土)に開催され、「ロー・インターヴァル・リミット」や「Gコードにおける3rd音の対処法」などを予定している。どの回からでも取り組める内容になっている上、ギタリストでなくても参加可能なので、興味のある人はぜひ訪れてみてはいかがだろうか。
バンドマンの作曲講座 2025 “ギタリストのサウンドクリエイト” 概要
会場:MAPLEHOUSE
住所:東京都目黒区五本木 3-18-7 B1
日程:
2025年5月31日(土)
6月28日(土)
7月26日(土)
時間(全日程共通):13:00〜15:00
講師:大浜和史
ゲスト・ギタリスト:齋藤 亮
受講料金:
一般:3,000円
学生:2,500円
※資料準備のため、事前予約は必須ではないが推奨
詳細・申し込み:info@maplehouse.jp
TEL 090-9955-9715
会場公式サイト
MAPLEHOUSE
(ヤング・ギター編集部)