仮面夫婦だったけど…子どものために離婚を選んだ夫婦のその後 #4「シングルマザーになれば難しく…」
配偶者に関心も愛情もないけれど、夫婦の形だけは利用したくて関係を続けるのが仮面夫婦。
自分たちはそれでよくても、子どもがいる場合は「そうもいかない」となるのは、冷え切った親の状態が影響を及ぼすのを避けられないからです。
仮面夫婦だったけれど子どものためにあえて「離婚」を選んだ夫婦はその後、どんな過ごし方をしているのか、ご紹介します。
「離婚したのは、元夫が育児も家事もまったくやらない挙げ句に浮気をしたからです。それがきっかけで子どもが情緒不安定になり、別れることを決めました。
元夫とは再婚で一人息子は私の連れ子ですが、最初の数年はかわいがってくれたものの小学校に入学してからは仕事ばかりでろくに家におらず、夫婦の会話もなく仮面夫婦状態でした。
元夫の浮気はスマホの通知で見えた会話で発覚しましたが、『ホテルには行ってない』『食事をしているだけ』と言い訳を繰り返し、家族に残業と嘘をついて女性と会っていたことの謝罪はなかったですね。
私だけなら、夫の収入をあてにして仮面夫婦でもやっていけたのですが、息子は父親のイライラした様子に怯えて自分の部屋から出ることが減り、一緒に食事をするのも嫌がって。それがまた気に入らない元夫は常に不機嫌で、このままでは駄目だと思いましたね……。
『離婚してほしい』と言ったら案の定すぐ承諾して、簡単な財産分与だけして別れました。完全に縁を切りたかったので、養子縁組については離縁の手続きをして養育費ももらわず、今は私の収入で何とか暮らしています。
問題は私の勤務先が元夫の勤める会社とつながっており、会社で顔を合わせる機会があることです。
この会社に就職したのがそもそも元夫の口利きのような部分があり、退職も考えたのですが、シングルマザーになればその選択もなかなか難しいのですよね。
離婚したことは会社の人たちはみんな知っていて、それについては何も言われないのですが、元夫が訪問する日になるとやはり注目してくるのがわかります。顔を合わせるといっても半年に一度くらいなのでそこまで大きな悩みではないのですが、皮肉だなといつも思いますね……。
子どものために離婚したことは後悔していないし、仮面夫婦状態のままでもいつかは子どもに影響が出ただろうなと思えば、こんなストレスもそのうち消えるだろうと思っています」(女性/42歳/経理)
夫婦だった頃の口利きが、離婚後まで影響するのはいろんな場面で起こります。
潔く離れられない事情があれば、こんなストレスを抱えるのは仕方のないことかもしれませんが、別の選択肢も常に意識したいところです。
子どものための離婚なら、子どもに影響がないことにまずは安心を見出したいですね。
(ハピママ*/弘田 香)