やよい軒公式サイトにユーザーの「正直メニューレビュー」が大量に載っていて驚愕 /「意外な定食」が熱烈レビューを集めていたので食べてみた
突然だが、読者の方々にお願いがある。ただちに「やよい軒」の公式サイトを見に行ってほしい。
見に行ったあとに、この記事を読んでほしい。もしかしたら見るのに夢中になったまま帰ってこないかもしれないが、もはやそれでも構うまい。大変悲しくはあるが受け入れる。とにかく一度見てほしい。同店の公式サイトの、メニュー紹介ページに広がる異様な光景を。
筆者も初めてそれを目の当たりにした時は驚いた。何せ全てのメニューに、ユーザーによる5つ星評価とレビューがずらりと付けられているのだ。そしてさらに驚いたのは、ある「意外なメニュー」が、トップクラスの高評価と、数多くの熱烈なレビューを集めていたことだ。
本題に移る前に、改めて状況を共有しておきたい。定食チェーン「やよい軒」は、前述の通りユーザーによる評価・レビューシステムを採用している。その内容は公式サイトおよびアプリから閲覧することができ、後者を通じて5つ星評価や感想の入力が行える。
5つ星に近い平均評価を獲得しているメニューもあれば、一方で3つ星、あるいはそれ以下の評価を下されているメニューもある。筆者は最近になってこのシステムを知ったのだが、これほどあけすけにユーザー評価を公開している豪胆な大手チェーンは初めて見た。
加えて特徴的なのがレビューも公開している点だ。人気メニューであれば50を越える件数が寄せられていることも普通であり、なかなかの盛況ぶりと言える。それらを興味深く眺めていたところ、上で挙げた「意外なメニュー」の存在に気付いた次第だ。
そのメニューとはすなわち、「コク旨ちゃんぽんとから揚げの定食(1100円)」である。平均評価は星4.5、レビュー数は58件にも上り(2025年8月5日現在)、いずれも同店の中ではトップクラスの数値だ。しかし何より注目すべきは、集まったレビューの熱量に他ならない。
「ちゃんぽんがヤバイ美味い」「人生で一番美味しいちゃんぽん」「やよい軒で最高の定食」「これ一択」「これしか食べない」「長崎県民だけど美味しい」「ご飯4杯食べれる」等々、大量の「やよい軒ちゃんぽん族」が結集し、有り余る胸中をほとばしらせているのである。
筆者は少なくとも現時点で「日本で最もやよい軒のレビューを読み込んでいる男」だと自負しているが、そんな筆者から見て、この熱量もまた同店の中ではトップクラスだと感じる。
個人的に「やよい軒」にちゃんぽんのイメージがなかっただけに、急速に初実食への意欲が膨れ上がった。果たして本当に、おびただしい熱量に値するほど美味しいのか。「意外なメニュー」の実態を確かめるべく、筆者の足は自然と「やよい軒」に向いていた。
ようやくここからが本題なのだが、結論を先に書くと、筆者もめでたく「やよい軒ちゃんぽん族」の仲間入りを果たした。一口食べただけで、唸ってしまうクオリティだった。「ちゃんぽん族」の諸先輩方に肩を叩かれ、「ほらな」と囁かれる錯覚さえ覚えた。
まずもって、唇をつるりと通り抜け、もちもちとした弾力を歯に伝える、太麺のみずみずしさといったらない。すするのが、飲み込むのが快い。「ちゃんぽんの麺とはこれほどやるものだったか」と、興奮で身体を火照らせつつ、脳内で冷や汗をかくような心地だった。
そのうえ食感豊かな麺に、いくつもの味わいをたたえたスープが絡むのがたまらない。鶏ガラ出汁のコクと、野菜や豚バラ肉の旨味を引き連れながら、口の中でたっぷりと踊ったあと、そっと後味を残して引き下がる。濃厚でいて飽きづらい、絶妙な案配である。
もちろん脇を固める唐揚げも美味しいし、そのジューシー具合でちゃんぽんと張り合うさまは好ましいのだが、とはいえこのメニューにおいては準主役に甘んじてもらわざるを得ない。さすがにちゃんぽんの衝撃が勝る。
「やよい軒」側からもちゃんぽんが花形であると念を押すように、味変のための辛子味噌まで付け添えてある。この辛子味噌も実に良い仕事をするもので、加え入れると一気にスパイシーな風味が花開き、いっそう箸を止まらなくさせる。
極めつけに、麺やらスープやらを白米のところに持って行ったなら、もうこの定食の魅力から抜け出すことはできない。脳みそに「ちゃんぽん族」とタトゥーを彫ったようなものである。
余談だが、この日の最高気温は37度。紛うことなき猛暑日であり、スープを飲み干せば余計に喉が渇くことは自明であった。しかしそれでも、飲み干してしまった。「ちゃんぽんを背負って生きる」と決めてしまった。よもや「やよい軒」で丼をあおるとは思いもしなかった。
というわけで、筆者が初めての「コク旨ちゃんぽんとから揚げの定食」を満喫したことはおわかり頂けただろう。コク旨の名に一切違わない、そしてユーザーによる評価、レビュー数、熱量と寸分のズレもない仕上がりに、ただただ感服したのであった。
読者の方々にお願いがある。ただちにこの定食を食べに行ってほしい。虜になってこの記事のことなど忘れてしまうかもしれないが、もはや構うまい。「ちゃんぽん族」の諸先輩方とともに、皆さんの肩を叩くのみである。
参考リンク:やよい軒 公式サイト
執筆:西本大紀
Photo:RocketNews24.