AIオンデマンドバス 東急バスが実証実験 日吉・綱島周辺で来夏まで
日吉駅や綱島駅、日吉本町駅周辺で、AIオンデマンドバスの実証運行が9月16日から開始されている。運行は東急バス(株)によるもの。人口増加傾向にある同地域の活性化と、暮らしやすい交通サービスの構築を目指す。実証運行は2025年8月31日まで、毎日実施される。
地域の魅力向上に期待
AIオンデマンドバスは、既定の経路や時刻表を持たず、予約状況に応じてAIが最適なルートや時刻を算出して運行するもの。同社によるデマンド型運行は青葉区でも実施しており、終了したものを含めこれまでに4地区で行われている。要予約で大人数の乗車には不向きだが、バス便数が少ないエリアでは乗車機会が増加している。
エリア内には、鉄道やバスの路線網がある一方、大型車の運行が困難な幅員が狭い道路や勾配が大きい場所も存在する。既存バスを補完するような新しい移動手段により、街の魅力と移動総量の底上げによる地域経済活性化と、快適で暮らしやすい交通サービスの構築が期待されている。また、乗車人数などの目標値は設定されず、どの程度需要があるか探る。
58カ所の乗降場所
同実証運行はワゴンタイプ車両1台で実施。乗務員含めて11人乗りで、車いす用リフトが装備されている。時間帯は午前9時30分から午後4時30分まで。予約は、アプリ「mobiCommunityMobility」または電話(【電話】050・2018・0107、運行時間と同じ営業時間)で、即時予約のみ。大人500円、子ども250円(幼児は同伴者1人につき2人まで無料)、横浜市の敬老特別乗車証(敬老パス)の対象外。交通系ICカード・事前登録したクレジットカード・PayPayで支払う。状況によっては相乗りになる場合も。乗降場所は58カ所(上の表参照)。既設のバス停や安全に乗降できない箇所を避けつつ、エリア内を満遍なく網羅できるように選ばれている。
利用状況
開始されてから17日。これまで50〜60人が利用している(9月29日時点)。現在の1日の平均利用者数は4〜5人。
同社計画部計画グループ課長の石洋一さんは、「地域の移動の新たな選択肢として、まちの更なる魅力向上につながることを期待したい」とした。