猫と『頻繁に目が合う』ときの理由3つ 視線を送ってくる心理や接し方のコツも解説
1.願い事があるらしい…
猫は基本的に目を合わしたがらない動物です。猫同士の凝視は、売り言葉に買い言葉であり、瞬間的に「喧嘩相場」の急騰が起こってしまいます。偶然に出くわしても、無用な争いを避けるべく、あえて知らんぷりして、その場を立ち去ることがほとんどです。
愛猫が飼い主さんをじっと見つめてくるのは、多くの場合、何らかの要求を抱えているときです。
おやつのおねだりをはじめ、「甘えたい」、「遊んで欲しい」、ときには「トイレが汚れているから、今すぐ何とかして!」など、愛猫からのオーダーは、状況次第で変わってきます。
何となく落ち着かない様子で、愛猫が飼い主さんのほうをうかがっているなら、何か叶えて欲しいお願いがあるのかもしれません。前後の文脈やこれまでの経験を踏まえつつ、愛猫にとっての「正解」を提示してあげてください。
その際には、威嚇されたと感じる可能性もあるため、見つめ返すことなく、さりげなく視線を外すことが大切です。
2.好きと伝えてくれているらしい…
2つ目の理由は、愛情表現です。
猫は「スリスリ」や「ヘソ天」などで、ラブレター代わりに、飼い主さんへのあふれる想いを伝えてきますが、凝視もまた、その一種と考えていいでしょう。
愛猫の熱視線を浴びると、「①リクエスト、②ラブレター」の2択で迷ってしまうところですが、判断の決め手は、見つめている間、瞬きしているかどうかです。
もし愛猫が目を細めつつ、瞬きしていたら、飼い主さんへの並々ならぬ好意を示しています。飼い主さんもゆっくり瞬きを返すと、便せん一枚のラブレターに対し、長文の熱い返事が返ってきたみたいに、愛猫はとても喜んでくれます。
愛情を込めた愛猫の凝視の裏側には、飼い主さんとの分厚いまでの信頼関係が欠かせません。信頼感は、そのまま愛猫にとっての安心感に直結します。
たとえば、要求の「じっと見」のたびに、適切な回答を返してあげると、愛猫はうれしくなり、飼い主さんをより深く信頼してくれるようになります。
愛猫がその真摯な視線で「我が愛」を伝えてくれるかどうかは、まさに飼い主さんの日頃の関わり方次第です。
3.何だか気になるらしい…
最後に紹介したいのは、単なる好奇心、という理由です。
猫は一般的に好奇心旺盛で、なおかつ、聴覚が鋭いので、気になる音などを中心に、いろいろな物事に興味を持ちたがります。
たとえば、飼い主さんの帰宅後、スーパーの買い物を冷蔵庫に収納していると、ビニール袋のカサカサ音も手伝って、思わず注目してしまいます。
おまけに、飼い主さんへの行動観察もルーティン化しているので、何をしているのか、注意深くチェックせずにはいられません。
おそらく、愛猫の目には、飼い主さんが思う以上に、人間の行動がとても不思議なものに見えているはずです。
相手を温かく見守る視線は、言い換えれば、緩やかな愛情表現のひとつです。冷え冷えとした無関心は、その対極にあります。
「眺められているうちが華よ」とうそぶきつつ、愛猫の愛ある視線をありがたく受け止めてあげてください。
まとめ
今回は、日常生活のなかで、目がよく合うとき、愛猫はどんな気持ちを抱いているのか、3つの視点を通して解説しました。
代表的なものでは、「要求のサイン」、「愛情表現のサイン」、「好奇心のサイン」の3つが挙げられます。
鳴き声やしっぽの反応と比べると、凝視によるサインはわかりにくいかもしれません。ただ、その視線の向こうに、愛猫の意図が込められていることを、飼い主さんはちゃんと理解しておきましょう。
そのつど細やかに気持ちを理解し、適切な行動を取ると、間違いなく、愛猫は飼い主さんのことをより深く好きになってくれるはずです。