本好きの熱気 大磯に ブックマルシェ盛況
「大磯ブックマルシェ」が5月17日、18日に開催された。町内38会場が本好きの熱気に包まれた。
17日のトークショーには、「泊まれる出版社」として地域のファンを増やしてきた真鶴出版(真鶴町)の川口瞬さんと、真鶴出版とタッグを組み数々の個性的な書籍を制作してきた東湘印版株式会社(藤沢市)の石川智隆さんが登壇。大手通販サイトではなく地域に根差した書店を中心に販売を広げることで「本」の枠組みに捉われない書籍作りの歩みを紹介した。
真鶴出版が発行している、まち全体を宿として見立てた「まちやど」を取材した雑誌『日常第3号』では、群馬県前橋市の取材先からもらったレンガを砕き、乳鉢で擦ってインクを作成。表紙の模様として手塗りし、3千部を制作した話を写真や動画を交えて紹介すると、会場からはあまりのこだわりように驚きの声が上がった。
石川さんは「情報だけでなく、思いを込められるのが印刷物の強み。紙文化の力をもっと見つけられるのでは」とし、川口さんは「本を通じたコミュニティを作っていきたい」と話していた。