【6/20決戦直前!村上和成インタビュー到着!】「俺が佐山の一番弟子だよってみんなの前で言うかもしれない」“平成のテロリスト”村上和成が背負う初代タイガーマスクとアントニオ猪木
6月20日(木)に後楽園ホール(東京都)で開催される『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.29』。メインイベントで第17代レジェンド王者・間下隼人に挑戦する村上和成のインタビューが到着した。
“平成のテロリスト”として名を馳せた村上和成が、昨年末にストロングスタイルプロレスに突然復活。圧倒的な強さを見せる村上を見て、現レジェンド王者であり佐山サトルの愛弟子である間下隼人が「俺はあんたと戦いたいんだよ!」と次期挑戦者に指名した。
間下はかつての村上に憧れを抱いており、「僕のスタイルの模範になっている。すごくプロレスファンのときに好きだったんです。あの狂気が。スーパー・タイガーは2連敗しちゃってるし。ここはやっぱり同門として仇をとらないと」と思いを語っている。
6月20日後楽園ホール大会で王座戦が決まったものの、間下の言葉が響く様子のない村上はこの試合にどのような思いを持って挑むのか?
ベルト、団体、そして佐山サトルに対しての言葉を聞いた。
『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.29』
日程:6月20日(木)18:30開始
会場:後楽園ホール
▼レジェンド選手権試合 60分1本勝負
【王者】間下隼人
vs
【挑戦者】村上和成(フリー)
※第17代王者が四度目の防衛戦
■佐山サトルを神輿として担げないぶら下がり健康機みたいな感じな奴ばかり
――まずは昨年ストロングスタイルプロレスに帰ってこられましたけれど、今のストロングスタイルプロレスに関してどういうふうな印象を持たれてますでしょうか?
村上「プロレスラーらしくなってる選手が2人しかいない(スーパー・タイガー&間下隼人)んですよね? あの2人見ても“プロレスラーらしくなった”というだけですかね」
――当時と比べるとその魅力は上がっていますか?
村上「ちょっとずつ自分の我が出てきてるのかな? 前は本当にラジコンみたいな感じですよ。ロボットというか、言われたまま。自分の感情どこにあるんだっていう奴ばっかりで。自分の潜在能力や今までのバックボーンであったりとかを無視して『え? 何やってきたの? 何やってんの?』って。スーパー・タイガーにしても彼である必要はなく、誰でもいいんじゃないのっていう感じだったし。はっきり言って間下とか全く知らないんで、こいつがあれなんだっていうぐらいです。言葉悪く言えば興味がない。本当に」
――やはり興味があるのは、佐山サトルが作った団体だからだと
村上「そうですね。やっぱりそこに対してはすごく僕の中では重きを置いておいていて。僕が本当にこの業界に入ってくる道しるべとなったのは佐山さんで、猪木さんっていうのは僕の最終的な背中を押してくれた人。道を開いてくれた人間っていうのは佐山さんでしかなくて。格闘技をやり始めて、サンドバッグとかミットを教えてもらったのが佐山さんですし、それはもう僕の中ではすごく縁を感じています」
――佐山先生とは様々な縁があったんですね
村上「僕が格闘技をやります、自分の道場を作りますと言ったときに、いの一番に佐山さんが僕に連絡をしてくださって。そのまま猪木事務所に呼ばれて『2年前から言ってた選手は彼ですよ』って猪木さんに僕のことを紹介してくれたんです。僕の中ではプロレスというカテゴリーは全く知識がゼロで、猪木さんに普通に挨拶しましたけどよくわかっておらず。でもその1週間か10日ぐらい経って、突然『ロスにおーちゃん(小川直也)がいるから一緒に練習してもらいたい』と。小川さんっていうのは柔道をやっていた僕の中でスーパースターですから、その方と一緒に練習ができるって、本当に柔道界にいたらあり得ない話ですよ。僕の中でもこれほどラッキーなことないなって思い、そのままロスに行きました。それをすべてお膳立てして導いてくださったのは佐山さんなんです。そこに関してはすごく、感謝というか、僕の中で佐山さんの団体というところに関してはすごく重きを置いています」
――常に頭の中のどこかには佐山先生がいたわけですね
村上「どんな時でも『やっぱり佐山さん元気かな?』って思って調べて、そこから今の団体のことを知ることにもなる。でも正直今の団体は佐山さんのやりたいことに対して周りが的外れなことをしてんじゃないのっていう気はすごくしているし、僕の中ではあくまで佐山サトルというのは神輿であって、それをしっかりと最後の最後まで担げない、担ぐ人間がいなさすぎる。ぶら下がり健康機みたいな感じな奴ばかり。
僕もいろんな人をこの業界で見てきたし、やっぱりそういう人間が多すぎてどこかでそれを壊さなきゃいけない。思い切って動いた時、一瞬ちっちゃくなるかもしれないけれども、配慮するものはしなきゃいけないけど、それはそれで壊すものは壊さないと絶対新しいものは作れないと思う。そこは僕の中ではいろんな社会勉強した上で今回こうやって戻ってこれたのも、僕の中で何かの役目があるんじゃないかという気はしています」
■チケット代に代わるものとしたら、僕の感覚としては怒りなのかなと
――その中で今回佐山先生の団体のベルト挑戦が決まりましたけれど、以前もスーパー・タイガーへの王座戦などが決まっていました。2回王座戦が流れた上で今回改めてという部分で、当時のベルトへの想いと今の想いは違うと思うんですけれども
村上「僕の中でベルトということは、どの試合であろうがどんな相手だろうが脇でしかなくて。すべてがその1戦で『僕のプロレス人生が終わるかもしれない』っていう思いでリングに上がるので、絶対に悔いを残したくない、もう絶対相手を潰すということしか考えてなくて。そこにたまたまベルトというプラスアルファ、お土産があるだけの話であって。
でもベルトというものにはすごく権威があると思ってるんです。だから肩にかける奴とかね、ベルトって腰じゃないのっていうイメージがすごくあって自分の中では。だからそこだけは今のストロングスタイルの礼儀を正したいな、もし巻くことがあれば」
――ベルトより選手としての在り方が大切だと
村上「僕の育った環境はプロレスを何とも思ってない状態から入ってきてるんで、そこですべてをイチから学んできた。そこで感じたこと思ったことすべてが、僕にとってはプロレス人生の集大成だなって。そこで僕も選手でありながらプロレスファンになっていくんですよね。プロレスラーですけどファンとしてもプロレスを見るし、そういうことを学んでいきながら今こうして戦い続ける思いっていうのはある。
僕の中でただ単に、リングに行ったら何をするの? それは相手をぶちのめすしかない。猪木さんの言葉で“本能の戦い”っていうのは未だに忘れることはない。それを忘れ、捨てたときは僕はもうリングを降りる時だといつも思ってます」
――1試合1試合が覚悟の連続に
村上「僕の曲が鳴って、裏から出れるのかなっていつも不安ですよ。やっぱり自分の理想像や背負ってるものとか、自分で覚悟を決めたものに対して裏切りたくはない。1回嘘をついてしまうと今までのすべてのことが終わりになってしまう。僕の中でいつもそれは持ってるものであり、それと戦ってる。やっぱりお客さんとも戦わなければいけないし、でも僕は本能のままこれからも戦っていくし、それしかないんで。それを佐山さんが『村上ちゃん良いよね』って言ってくれれば良いわけで。
僕もやっぱり猪木さんにも何度も言ったことあるんですけど、『プロレスを教えるんじゃない』という指令のもとで、受け身を取ったこともなければ、ロープワークをしたこともなければ、ロックアップをする技術すら教えてもらっていない。プロレスの中に出てくるすべてのプロレスの武器というものを、自分を守るための武器であり相手を倒すための武器でもあるものを全部教えてもらわずリングに上がって、本当に何年も何十年も経ってからこれはまずいなと。怪我がやっぱり多いわけですよね。『猪木会長、これをやるために本能のまま戦ってきましたけど、教えるななんて言われたことによって、僕はすごい大怪我をいっぱいしてるんですけど』って言ったら笑ってましたけど、僕の中では笑いごとではないですよ(笑)。
でも『お前というものを確立したからいいじゃねぇか』って。それはそうなんですけど、やっぱり自分の中でこれからっていう時とか、やっぱりどうしても怪我をする。それも大怪我をするんで、大一番になったときにみんなが僕を倒しに来るわけなんで持ってる技術力というか、プロレス技術の中で僕の知らないことがいっぱいある中で、僕はどう対処していけばいいのか。少ない引き出しの中で戦うためには本能だけでは、なかなかできないこともいっぱいあったんです。でも猪木会長は『それでお前はな~』なんて言って結局その答えも出ずのまま笑って『美味いもん食べようや』って…なんてことが二、三度ありました」
――流石猪木さんですね
村上「でも僕の中でやっぱりそれを良しとするというか、僕がうんってうなずいてやりますと、お願いしますって言ったこと全てがそこに結局は、結果的にそうなるものなのかなと思うし。全部すべて責任は僕にあるんで、だから僕の中でこういうやつにはこうだなとか、結局僕が受けたものに関して答えを解いていく。それが集まったものが後々の答え。本当にここは大丈夫かなって思った時期も多々ありましたけど、ある意味貫いてきたことで今の僕という人間が出来上がってるんで。ぶっちゃけ誰も真似できないと思うんで本当に。真似事する人はいると思いますけど、真似することは全然いいと思うし、真似をされるようにならなければいけないといつも思ってるんで。やっぱり佐山さんの後ろに猪木会長いますし、そこの精神は受け継いでるつもりです。
本当に僕はありがたいことに少数精鋭の中でマンツーマンで話をしたりとか、こうだああだとか、セオリーを聞く機会をすごくいただいてこれた経験がある。皆さんは聞けないような話だったり想いだったり、逆に言えば佐山さんの弱い面だったり、愚痴じゃないですけどそういうこともボロボロと聞く機会があったので、こういうスーパースターでもそういう悩みがあるんだと。逆に言えばみんな持っていて、お客さんも持ってるわけです。プロレスで何か返すっていう時に『お前なに返すんだよ?』って言われると、お客さんに必ず何かチケット代に代わるものとして返せるのは、僕の感覚としては怒りなのかなといつも思ってて。あの野郎この野郎と、それでもう僕はいい、僕の役目だと思ってる。それは僕の信念だと思ってる。だから僕の中では別に声援なんていらなくて、ジャンジャン罵声浴びて、相手に声援してやってよって。でもそれで声援されないってことは、お前に原因があるぞって相手にいつも思ってますけど」
■俺が佐山の一番弟子だよってみんなの前で言うかもしれない
――今回ベルト挑戦が決まったときは村上選手コールで一色になったというか、観客席からの期待値が高かったわけですが
村上「だから、これ答えですよ……でも逆に言えば、こいつ(間下)は失うものはないわけです。ある意味ベルトは持ってるけど、ある意味失うものはなく。今回の試合でこいつが勝つか負けるかというよりも、本当に佐山精神をどこまでこいつが心底リングで伝えられるのか? どこまで持っているのかっていうところで、お客さんに間下がトップだなと思わせるチャンスだと思うんですよ。ま、僕は絶対負けませんけどね。絶対潰しますけど。と言っても、こいつとは勝ち負けを超えた勝負はできると思います。僕はその勝負を知っています。それは佐山さんに対する恩返しもあるし、原点であるこのプロレス界に対する僕の経緯です」
――この試合は佐山精神のぶつかりあいになるわけですね
村上「その脇には新間さんもいます。新間さんも新日本ではよくお世話になりました。未だに『おお村上!』って声かけてくれますけど、当時ビッグマウスを立ち上げて東京ドームに乗り込んだときに、全部入口を封鎖されたんですよ。チケット持ってんのに駄目だと。したら新間さんが、僕の中ではすごいことだと思うんすけど『こいつら顔パスだろう』って! 警備員は『いやパスは一応必要です』て言ったんですね。チケット持ってても入れなかった僕らに『入るとしたらパスは必要です』って。でも『こいつらは顔パスだろ、パス持ってんだよ!』って言ってそのまま僕ら入れちゃうんですよ。それができるのは新間さんだけです。やっぱそういうところでも僕は何か違った感じですけど縁を感じていて。
今よく昭和だとか平成だとか令和だとかね、時代がどうのこうのって言うけど、時代は確かに変わるけど、根本精神変わっちゃいけないだろっていつも思ってて。その精神を持ってる人間たちや、意識を共有してくれた人たちがいるのがこのストロングスタイルプロレス。今も佐山さんと新間さんが一緒にいたりとか、そういうところを考えると僕の中ではすごく他とはちょっと違う想いがあんのかなっていつも思ってます」
――今のトップの佐山サトルの弟子である間下隼人に対して、自分のものを伝承していきたいと?
村上「僕が佐山さんから感じて受けたものというものを、こいつにぶち込もうと思ってます。お前は何を佐山さんから受け継いできたのかっていう、その見えない芯の部分で魂をぶつけ合って。そうすることでどんな音が響くのかなと。それがとてつもなく汚い音になるかもしれないし、とてつもなく綺麗な音になるかもしれないし、それは僕らも感じてみないとわからないですけど。やっぱりそれを聞いたお客さんがどう反応するのか……。
間違いなくどこでも、今までなかなか聞いたことない、多分ストロングでも聞いたことない音は聞けると思います。その自信はあるし、それぐらいの想いと覚悟でリング上がるんで。それぐらいの覚悟でやっぱりお客さんにはプロレスを見てほしいなと思うし。『あ~、こうかな?』っていうような今まで来るお客さんの思いじゃなくて、ちょっとどんなことが起こるのかなという期待というかハラハラというものは持ってきてもらうといいのかなと。出遅れてしまうと間違いなく萎縮してしまうお客さんが出てくる。それぐらいの気持ちでいるので、だからなかなか見れない佐山遺伝子を向こうの先輩後輩ではない部分で、看板背負ってくる相手に僕は魂をしょってこうと思います。そこでどんなことが起こるかは僕もわからないです。開けてみて最後、どっちがリングに立って、それとも両方とも倒れてるのか。どちらかの拳を上げられるのか、そのときにどういう景色が見えてるのか。そしてお客様がどんな音を奏でてくれるのかなと思うと僕もワクワクする。やっぱりやる人間がワクワクして燃えないとお客さんは燃えないですから、間違いなく。僕はもうそこのところだけでいつも戦ってますし、これからもそういうやり方でずっと戦っていきますから」
――王者にもしなったときに、団体をどうしていきたいみたいな思いはありますか?
村上「いやもう僕は団体をどうしたいとかじゃなくて、僕の思いは戦いに全部集約されてる。それはただ僕の中で預かったものであって、でもやっぱり権威があるのでそれだけの責任というか、逆に言えば今まで続いてきた想いを切らすわけにはいかないし、切らしちゃいけない。僕の中ではもしベルト巻いても、ただ単に僕の中では原点というか。僕象徴ってあんまり好きじゃなくて、本当に今自分の思いを確認をさせて、そしてその上でこの信念をこのまま貫いて、次の戦いにもその信念を貫いてっていうだけの物語の力でしかないと思う。でもベルト1回も人生で巻いたことないんです。人の強奪したことはありますけど(笑)。盗ったことはあるけど自分で本当にチャンピオンになったことないんですよ」
――シングル、タッグ含めて?
村上「ないっすよ。巻いたことないです。チャレンジはいっぱいしてますけどないと思う。なのでベルトを巻いたときの感情って僕わかんないですよ。棚橋が持ってるベルトを泥棒して巻いたことあるぐらいですけど(笑)」
――もちろんベルトには興味は?
村上「ある程度あるんですよ。ベルト巻いてみてえな~って思う時もあるんですけど、結局なんですかね? 戦うことの方が……今さっきも言ったようにおまけでしかなくて、勝ったからついてきてたまたまそこにチャレンジをしたことによって、たまたまその大会で試合が組まれたことによって、ベルトが来ましたよってだけなんで。でもだからって何か特別なことをしてやろうとか思うようにしてやろうとかはない。もちろん勝ちに行くイコール獲りに行くので、結局は勝つことだけしかイメージがない。相手をのすっていうイメージしかないので。それ以上も以下もなくて、ベルトに今になって指名をされてチャレンジをしてってところまで来て、それこそ想いをしっかりと身体で返してやらなきゃいけないなと思います。そこだけですかね。逆に言えば巻いたら俺二度と離したくないと思うかもしんないし。『俺がここのスターだぜ』『俺がここの看板選手だぜ』って。『お前たち俺が佐山の一番弟子だよ』ってみんなの前で言うかもしれない(笑)。わかんないっすそこは(笑)。
そこも感情の許すままに、もしそのベルトを巻いた時には、多分そのときの感情のまま言葉になるでしょう。逆に言えば『あ、これはいりません』って言うかもしれないし。『返すわ』って言うかもしれないし(笑)。そこは僕もわからないです。そこはほんとに僕の中でも楽しみです。見たこと無い僕がどういうふうな行動をして、どういう感情になるのか、僕はそのまま正直な気持ちはその場で出すんで。そこも楽しみかな。逆に言えば、負けたとしたら、負けないけど、負けたとしたら、もっかいやらせてって言うかもしれないし強奪するかもしれないし(笑)、そこはわからないですよ。そこの先のところも一つドラマだと思うし。だからプロレスって本当に僕の中で異次元であって、全く僕もわからないんですよ。自分の感情自体は戦ってても喜怒哀楽出てくるので。そういうところも僕の中ではいつも楽しんでいる」
――毎回未知の戦いに挑むわけですね
村上「いつも猪木さんはお客さんと戦ってるのかって言われてましたけど、僕の中ではプラス自分っていうのが居て、なのでお客さんと相手と自分という人間と戦わなきゃいけない。僕の中で1人増えてるんですよ、自分という人間がいるんで。人間てやっぱり弱いとこ強いとこあるんで、気持ち的にも。『俺これだけやったら大丈夫だよ。でももうちょっとかな?』っていうその2人が絶対いるんですよ。そこのところとも戦わなければいけない。それぐらいやっぱりしのぎを削るものであるので。最近そうやって試合をするんで、疲れるんすよ、一段と(笑)。
やっぱ反省もしますし、その分リングに対する気持ちというのは本当に昔と比べもんにならないぐらい今はあるので。だからいつもその思いを持てることには感謝しますし、誰よりもそのリングに上がらさせてもらってるっていうことを、戦えてるっていうことにはものすごく感謝してる。それに対しては感謝や恩返しをっていうのは、いつも本能のまま戦うっていう自分を裏切らない。そういうことを思ってどこのリングにも上がるわけですけど、ちょっと気持ちはプラスアルファがあるかな、今回は人に対してもリングに対しても」
――ご自身の中では今の自分がいろんな経験を積んできて全盛期っていう気持ちは?
村上「そうですね。本当に間違いなく全盛期ですね。気持ちと体がやっと一致してる感じなんで。僕の中では本当にある意味来るべき時来てんのかなと思います」
■人ってここまでこうなるのかというところをみんなに見てもらいたい
――話は変わりますが、今のストロングスタイルプロレスは女子と半分半分みたいな形での大会になってます。そのあたりはどのように感じられてますか。
村上「いや、僕の中で女子とか男子とか、喰えばいいんじゃないかなと思います、女子が。興行ですから、これでお客さんを女子が呼べるんだったら、別に最悪もう4対2とか、2試合男子、セミ・メインを女子っていうのでもそれはそれでいいのだと思いますけど(笑)。僕も興行やってた人間としたら、やはり回していかなければいけない、ビジネスとして動かさなきゃいけないってなるときには、やっぱりお客さん呼べる選手のカードを組む。それはもう鉄則ではあるので、もしぶつくさ言ってるやつがいたら女子が来なくてもいいようにすりゃいいじゃんって俺は思う。男子でそこまで呼べんのかお前らって。呼べるんなれやって思うし。それだけですよ、簡単な話で。
女子だってはっきり言ってすごい戦いしますし、すごい信念持ってる人いっぱいいるんで。下手したら男子より根性座ってる人いっぱいいますよ。腹座ってる。プロレスにかける想いだったりとかそういうところに関しては。逆に言えば本当に狭き道ではあるんで女子の方が。やっぱり男子と違って短命なんで、自分の思うようにできるなと思った頃に本当に引退しなければいけないっていう人たちも見てきているので。やっぱそういうことを考えると、想いがちょっと違うかなと思いますし、僕は全然ありだと思います」
――タイガークイーンに関しては?
村上「僕見たことないです試合を。会場には居るんですけど僕一切モニターとか見ないので。そのタイガークイーン、誰でもなれるわけじゃないじゃないすかタイガーマスクって。はっきり言って間下だってマスク被ってもおかしくない、でも被れないじゃないですか。タイガークイーンもなるべくしてクイーンになってるんでしょうし。どれだけ重いものを背負ってるかって絶対忘れて欲しくないかな、うん。
やっぱり佐山さんの昔の動きだったりとか、タイガーマスクというあのアニメの中と、アニメよりもすごい動きをする佐山さんっていう人を真似るよりも精神的なことを大切にしてほしい。今佐山さんに手を取って足をとって教えてもらえるわけじゃないので、やっぱりちょっと時間を作ってでも佐山さんに話をしてプロレス話を聞く。どういう練習をしてたのかなとか、このときはどうやったんですかとか、こういうときどうするんですかとか、やっぱり一つでも多く、佐山サトルではなく、タイガーマスクというエキスを知って吸収してほしい。継承者ですからね、ある意味。みんなは被れない、みんなこれ被りたくて、タイガーマスクになりたくてしょうがないわけじゃないですか。
昔の子供もそうですけど、今のプロレスラーもそうだと思うんです。タイガーマスクになりたいって思ってレスラーになった人いっぱいいると思うんですよ。でもなかなかなれるわけじゃないわけですよ。選ばれし者、新日本にタイガーマスクがいても、結局4代目どまりじゃないですか。5代目ブラックとかいますけど、実際に佐山さんが認めた、世の中が認めたタイガーは4代目止まりですよね。そういうところを考えると、やっぱりタイガーマスクってすごいわけなんです。これだけ年月ある中で、片手で収まるぐらいの数しかいないわけなんで。やっぱそこは今のこのストロングにいるタイガーに対しては、すごくいい環境のもとにいるわけだっていうことを忘れて欲しくないし、そこでだけ学ぶべきことは責任重大であって、忘れずに試合をしてほしいなと思いますね」
――この試合はある意味御前試合になるわけですけど、そういう新間寿・佐山サトルが見ている前で王座戦をするということに対してプレッシャーは?
村上「一切ないです。はい、一切ないです。本当に僕は僕のやり方で僕の想いを、逆にどうですか見てくださいという気持ち。もう本当に新間さんの『頑張れよ』『村上アッパレや』っていう絵面しか見えないです。でもそうしてやろうと思ってますし、それが僕のある意味恩返しだと思ってます」
――ありがとうございました。最後にこの試合にかける想いを
村上「そうですね。この挑戦、僕は挑戦者であるわけなんですけど、僕はいつもどんなときでも相手をのすっていう気持ちしかなかった。自分が決めた道はそのまま真正面から切っていくし、変な小細工もしたくないので、僕のこの思いを相手にストレートにぶつけて、まあそれで相手が逃げるのか、向かってくるのか。向かってきたものを僕はどう返すのか。本当にその気持ちの部分が90%になると思うんで、僕はもう本当に絶対気持ちでは負けないんで、その生き様というか、人ってここまでこうなるのかというところをみんなに見てもらいたいなと。それもやっぱり生で、この戦い、見てほしいなと思うんで、ぜひ会場に来てください」
佐山サトルへの思いを、現在ストロングスタイルプロレスに所属している選手を超える熱量で語った村上和成。
並々ならぬ思いは、凄惨な血しぶきとなって当日爆ぜるだろう。
【『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.29』対戦カード】
<メインイベントレジェンド選手権試合 60分1本勝負>
[第17代王者]間下隼人(SSPW)
vs
村上和成(フリー)
<セミファイナル タッグマッチ 45分1本勝負>
タイガー・クイーン(SSPW)&青木いつ希(ショーンキャプチャー)
vs
Sareee(フリー)&関口翔(フリー)
<第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
スーパー・タイガー(SSPW)&船木誠勝(フリー)&関本大介(大日本プロレス)
vs
ダーク・ウルフ(DarkerZ)&将軍岡本(フリー)&関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)
<STOMPING[ストンピン]提供マッチ 第3試合 3wayマッチ 30分1本勝負>
ジャガー横田(SSPW女子タッグ王者/CRYSIS/ワールド女子プロレス・ディアナ)
vs
ダーク・チーター(DarkerZ)
vs
ダーク・ウナギ(DarkerZ)
<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)&日高郁人(ショーンキャプチャー)
vs
アンディ・ウー(フリー)&阿部史典(格闘探偵団)
<第1試合 シングルマッチ30分1本勝負>
ダーク・タイガー(DarkerZ)
vs
藪下めぐみ(SSPW女子タッグ王者/ CRYSIS/フリー)