「新しいAKATSUKIを見せたい」というメッセージが伝わってきました──NEWシングル「Toxic World」リリース&ライブ出演決定記念『温泉むすめ』玉造 彗役・田澤茉純さんインタビュー
『温泉むすめ』“最強ユニット”が帰ってくる──。
アニメや漫画、声優などのコンテンツを通じて、日本各地の温泉や観光地の魅力を発信する地域活性化プロジェクト『温泉むすめ』。2017年の発足以来、勢いを増し続ける本プロジェクトでは、温泉地をモチーフにしたキャラクターたちが、自らの温泉地をPRするためにアイドル活動に励んでいます。
プロジェクトの中心ユニット・SPRiNGSのライバルとして登場したAKATSUKI。彼女たちが2025年12月28日(日)開催の「温泉むすめ 5th LIVE Five 温☆Sparkle!!!!!!!!!」にて、ついに再始動します。
アニメイトタイムズでは、AKATSUKIのメンバー3人へインタビューを実施。本稿では玉造 彗役・田澤茉純さんに、年末に控える5thライブの意気込みや、新曲「Toxic World」の注目ポイントなどを伺いました。
【写真】『温泉むすめ』玉造 彗役・田澤茉純が語る「余裕」と新たな「最強」の形【インタビュー】
「その名に恥じないように頑張りたい」
──来る「温泉むすめ 5th LIVE Five 温☆Sparkle!!!!!!!!!」へ、AKATSUKIの出演が決まりました。
玉造 彗役・田澤茉純さん(以下、田澤):AKATSUKIとしては久しぶりの出演ですね! 玉造 彗役としての稼働は何度かあったので、正直なところもう7年も経っていたんだ、と驚きました。
──ライブにはAKATSUKIに加えてSPRiNGSのみなさんなども出演されます。
田澤:SPRiNGSは人数も多いので、みなさんが集まるのは大変だと思うのですが、全員の出演が決まっていると最初にお聞きしました。私たちAKATSUKIも、全員集まることができそうだったのでよかったです。
──約7年ぶりのライブとなりますが、今の心境を教えてください。
田澤:新曲を録り終わった今の時点では、「これをライブで歌えるのかな?」と不安な部分もありますね(笑)。ライブでは過去の楽曲も披露すると思いますが、振り付けを覚えているかどうか……。身体が動きを覚えている、なんてことがあってくれたら嬉しいなと思います。
──AKATSUKIのダンスは非常にレベルが高い印象があります。
田澤:そうですね。ユニット発足当時から、ダンスの振付師の方やスタッフさんから高いレベルを求められているなと感じていました。AKATSUKIは“最強ユニット”ですからね。その名に恥じないように頑張りたいと、今も昔も変わらず思っています。
──これまでの温泉むすめとしての活動で、印象に残っているイベントはありますか?
田澤:玉造温泉(島根県・松江市)のイベントに、ほぼ毎年行かせていただいていることです。コロナの影響などで現地開催のイベントが減ってきた中でも、玉造温泉のイベントには定期的に呼んでいただいていました。
また、現地の方々が本当に優しくて! 私が顔を出せば必ず「おかえり」と言ってくださるんです。
──とてもほっこりするエピソードですね。
田澤:そうですね。玉造温泉のみなさまが『温泉むすめ』と玉造 彗ちゃんというキャラクターを心から愛してくださっているんだなと。そのおかげもあって、キャラクターの印象が変化していったようにも感じていて……。
──キャラクターの印象が変化?
田澤:“最強ユニット”という印象深い肩書きもあって、玉造 彗ちゃんは冷たいキャラクターとして認知されていたように思うんです。ライブでも高圧的なセリフを言ったり、キャラクターの呼ばれ方も「彗様」だったりしますから。
でも、玉造温泉での活動を通してキャラクターの高圧的な部分が柔らかくなっていって。例えば、初期は真剣な表情のグッズが多かった印象ですが、どんどん笑顔のグッズが増えたと思うんです。「彗様」だけでなく「彗ちゃん」と呼ばれるようにもなりました。
──地元の方々にも愛される『温泉むすめ』の活動とともに、キャラクターも成長していった、と。
田澤:そう思います。このように、最初の設定とは違う方向に成長していったキャラクターは珍しいのではないでしょうか。こういったキャラクターの印象の変化も、玉造温泉さんと過ごした中で生まれていったものなのかなと思います。
「『新しいAKATSUKIを見せたい』というメッセージが伝わってきました」
──AKATSUKIの活動で印象に残っているイベントを教えてください。
田澤:やはりAKATSUKIのワンマンライブですね。AKATSUKIは、メインメロのほかに上ハモと下ハモがそれぞれメロディラインを歌うのが特徴のひとつなのですが、ワンマンで披露したカバー曲にもその特徴が生かせていたと思うんです。
また、先ほどもお話ししたように、AKATSUKIは求められているものが大きくて……(笑)。例えばダンスが揃わない時には同じフレーズを繰り返し練習したり、3人でずっとハモリの練習をしたりしていました。たくさんの時間をかけて作り上げたワンマンだったと思います。
──“最強”を体現するために研鑽を重ねられていたのですね。
田澤:やはり“最強ユニット”に求められているものを提供したい、という思いがありましたので、当時の私たちもヒーヒー言いながら頑張っていました(笑)。今回もみなさんの期待に応えられるよう、頑張っていきたいです。
この7年間で歌とダンスの経験を積んできたので、昔よりも上手くなっていると思います。当時レコーディングした楽曲を今回も披露するかもしれないので、AKATSUKIの成長を改めて感じていただけたら嬉しいです。
──同じ楽曲でも、当時と今ではまた違った印象になりそうですね。
田澤:当時は慣れなかった声のキーも、7年経った今では良い塩梅に出せるようになりました。当時からAKATSUKIで歌う時は「上・下・真ん中」と役割が決まっていて、私は低いキーを出していたんです。地声よりも低い声質だったので、当時の自分にとっては結構限界ギリギリのキーだったんですよね。でも、今なら良い感じに出せると思います。
──そんなAKATSUKIの新曲「Toxic World」をはじめて聴いた時の印象をお聞かせください。
田澤:どちらかと言えば、“新しいもの”という印象のほうが強かったといいますか、正直に言うとはじめて聴いた時には“AKATSUKIらしさ”をあまり感じなかったんです。もちろん歌詞からは“AKATSUKIらしさ”を感じたのですが、曲調からは「新しいAKATSUKIを見せたい」というメッセージが伝わってきました。
──どのようなポイントに「新しいAKATSUKI」を感じられたのでしょうか。
田澤:今までは“最強ユニット”としてのカッコ良さを出すためにも、声で音圧を出すようにしていたんです。ハモリでも3人で同じ音圧を出すことがAKATSUKIらしさだったので、声を張って歌ってきました。
でも、今回はそれがまったくなかったんです。先録りした2人の歌い方も、普段と比べると肩の力を抜いて歌っているような印象を受けました。トップとして君臨するイメージだった当時から「時が経って余裕が出てきた」というコンセプトに変わったのかなと想像しています。
──富田さん、岩橋さんの歌を聴いて、歌唱イメージが変わったと。
田澤:そうですね。最初は以前のように声を出して歌っていたのですが、ディレクションもあったので、途中からは息を抜く歌い方にシフトしました。
──新曲の中で注目してほしいポイントを教えてください。
田澤:一番の〈約束された未来にはもう 興味なんてないのさ〉という歌詞ですね。今までのAKATSUKIは、やはり周りのチームを意識しつつ「私達が最強よ」と言っていたと思うんです。でも今の彼女たちはもう、他を一切気にしていない。本当に誰にも追い付けないところにまで行ったんだなと感じました。
「それではライブでお会いしましょう!」
──この7年間で温泉地へ行く機会はありましたか?
田澤:姉と一緒にプライベートで玉造温泉に行きました! そこで玉造温泉旅館協同組合さんに「遊びに来ました」とご挨拶をしたら、とても喜んでくださって。私が来たことをSNSでご報告いただいたようなのですが反響もすごかったみたいで、山陰中央新報の方からインタビューも受けました。
──プライベートでも訪れるほど素敵な温泉地なのですね。
田澤:大きい川を挟んで宿やお店が並んでいて、そこ一帯が玉造温泉なんですよ。夜になると川のほとりを浴衣で歩いている人がいることもあって、すごく風情があるんですよね。浴衣や提灯を貸し出している所もあるので、提灯を持ちながら歩くことも出来るんです。玉造温泉は散歩が定番の楽しみ方になっているのだと思います。
──その際には、玉造温泉のほかにもどこかへ行かれたのですか?
田澤:宍道湖と松江城に行きました。色んな所へ行くというよりは、ゆっくり過ごすことが目的でしたね。
──素敵な時間の過ごし方ですね。次に、“最強ユニット”のAKATSUKIにちなんで、田澤さんの最強の特技を教えてください。
田澤:なんでしょう……ご飯をおいしく食べることでしょうか(笑)。
──(笑)。最近おいしかったものはなんですか?
田澤:めちゃめちゃ悩みますね……。白いご飯が大好きなので、それに合うお刺身やとろろ、シンプルにおにぎりも好きです。そういえば、少し前にご飯を売りにしている専門店にも行ったのですが、そこで食べたご飯は本当においしかったです。
──お米にこだわっている専門店だったのですね。
田澤:そうです! ご飯だけで3、4種類も用意されていて、その中から好きなものを選ぶんですよ。大人数で行ったので、みんなそれぞれ違うご飯を頼みました。「ツヤツヤだね!」と言いながらみんなで食べました。
──最後に、新曲や5thライブを楽しみにしているぽか旦那・ぽか女将のみなさんにメッセージをお願いいたします。
田澤:長い間私たちを待っていてくださり、ありがとうございました。当時はAKATSUKIとして「“最強”に追いつかなければ」と思っていましたが、この7年間で私たちも色々な経験を経て、余裕を見せられるようになったのではないかと思っています。
ぜひ私たちのパフォーマンス、歌とダンスを楽しみにしていただけたらと思います。新曲もたくさん聴いてくださいね。それではライブでお会いしましょう!
【インタビュー・撮影:鳥谷部宏平 文:柴山夕日 編集:西澤駿太郎】