【特集記事】瓜割石庭公園 (山形県高畠町)|見るものを魅了する圧巻の石壁と神秘的な空間へ
瓜割石庭公園は、高畠石という凝灰岩を採石していた場所です。
高畠石は、1922(大正11)年から2010(平成22)年までの長い間にわたって採掘され、今でも高畠町内の様々な建造物に利用されています。
2016(平成28)年8月に国登録有形文化財に指定された「旧高畠駅」も高畠石を利用して作られた建造物の1つです。
また、瓜割石庭公園という特徴的な名前の由来は
石切り場の清水に瓜を冷やしたところ瓜が割れるくらい冷たかった
ということから名付けられたといわれています。
実際に足を運んでみると、公園内のあちこちに水溜りがあったり、泉のようなスポットがあったりしました。
「名前の由来になったのはここだろうか?」と想像しながら歩くのも、楽しみ方の1つになりますね。
ここからは、実際に瓜割石庭公園を観光したレポートをご紹介します。
まず、道の駅たかはたに向かって車を進めます。
そこから車で3分もかからない位置にある瓜割石庭公園。
こちらの看板が目印です。
駐車スペースも十分な広さがあり、安心して停めることができました。
① 音の響きがこだまする「石舞台」
車を停めて、木々が生い茂る小道を進んで行くと、視界がぱっと広がります。
左側を見ると、高くそびえ立つむき出しの岩壁があらわれました。
突然あらわれた岩壁の高さに驚きましたが、この石舞台は空気が澄んでいてとても心地よい場所です。
小鳥のさえずりや動物の鳴き声がこだましていました。
(この日はお猿さんがたくさんいました。)
実はこの石舞台の反響の良さを利用し、過去には野外音楽祭が開催されたことも。
石舞台に上がって手を叩いてみると、おもしろいほど音の反響を感じられました。
② やさしい笑みの「まほろばの七福神」
石舞台から降りて元いた場所に戻ると、7つの石像がありました。
こちらは、まほろばの七福神という石像です。
一体一体の表情の違いや石彫りの技術を間近で見ることができます。
設置してある説明書きを読み、高畠町と中国の蓬莱市につながりがあったことを初めて知りました。
七福神のにこやかな表情に癒されながら、先へ進みます。
③ 当時の様子が思い浮かぶ「石切り場」
まほろばの七福神が並んだ場所のすぐ脇には、石切り場と書かれた看板がありました。
小さな階段をのぼってみると、四角い石がいくつか落ちていました。
ここで実際に石を切っていたのでしょう。
高畠石は「ホッキリ」と呼ばれる、つるはしや玄のうなどの道具を使って手掘りされていました。
この場所で手作業で切り分けられた石が、現在も町内各地で使われています。
歴史の深さと当時の職人の技術力の凄さを、改めて肌で感じることができました。
石切り場には可愛らしいフクロウとカエルの石像も。
遊び心が垣間見えて、ほっこりした気持ちになりました。
④ 山形が誇る高さ約50mの「圧巻の石壁」
石切り場を後にし、あたりを見渡すと小さな洞窟が!
入口のすぐ側には、やまがた景観物語の看板が立っていました。
このトンネルを抜けた先におすすめのビューポイントがあるとのこと。
足元に気を付けながら、先へ進みます。
トンネルを抜けると、そこには言葉を失うほどの圧巻の景色が広がっていました。
日常とはかけ離れた不思議な空間で、思わず息を飲んでしまいました。
静けさの中に、時折聞こえる葉擦れの音。
あまりの素晴らしさに、しばらくその場に立ち尽くしてしまうほど‥。
時が経つのを忘れて、石壁の高さと美しさに見入ってしまいました。
石壁の色や模様の表情は、どこを切り取っても唯一無二のもの。
実際に手で触れると、石肌のザラザラとした感触が伝わります。
約30mもの高さの石壁を背に空を見上げると、このような景色が見えました。
石壁の先から見える空の色も、いつもより特別に感じます。
今回は5月に来ましたが、異なる季節に訪れるとまた違った表情が見られるかもしれません。
近くにはベンチもありました。
座りながらゆっくりと石壁を眺めるのもおすすめです。
このベンチの奥に泉のようなものがあり「ここで瓜を割っていたのだろうか」と想像しながら過ごしました。
神秘的な自然の生命力を、直に体感することができました。
今回は30分ほどの時間で瓜割石庭公園を観光しました。
石壁は、想像していた以上の何倍もの迫力を肌で感じることができました。
日常とかけ離れた神秘的な空間は、心が落ち着きます。
なかなか写真だけで魅力をすべてお伝えすることは難しいので、ぜひ足を運んでいただけたら嬉しいです。
また、舞台となった映画「好きでも嫌いなあまのじゃく」を見てから聖地巡礼として行ってみるのもおすすめです。
ぜひ瓜割石庭公園で特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
瓜割石庭公園
【住所】
山形県高畠町安久津
【営業時間】
年中
※貸切で使用される団体がいる場合、入場できないことがあります
【お問合せ】
高畠町商工観光課
0238-52-4482