指揮者の岡本陸がアンタル・ドラティ国際指揮者コンクールにて、最高位を受賞
2025年10月14日〜19日、ハンガリー・ブダペストで行われていた「第4回アンタル・ドラティ国際指揮者コンクール」にて、岡本陸（27）が最高位（1位なし2位）を受賞した。
コンサート形式でのファイナルでは、岡本は、ベーラ・バルトークの「管弦楽のための協奏曲」などをハンガリー・ブダペスト交響楽団を指揮した。岡本はコンクール後、「これまで支えてくださった皆さまに心から感謝をお伝えしたいです。本当にありがとうございます。これからも沢山の人と素晴らしい音楽を共有できるよう、より一層精進して参ります」とコメントした。
岡本には、今後ハンガリー・ブダペスト交響楽団との再共演、リッチモンド交響楽団（アメリカ）、マルキジャーナ・フィルハーモニー管弦楽団（イタリア）等との共演が予定されている。
同コンクールは、20世紀の偉大な指揮者であったアンタル・ドラティの名前を冠して、2014年に始まった国際指揮者コンクール。アルテス協会（Artes Association）が、ハンガリー・ブダペスト交響楽団（MÁV Budapest Symphony Orchestra）との協力のもとに創設された。リスト音楽院、Müpa（ブダペスト芸術宮殿）、ハンガリー国営テレビといった、ハンガリーの主要な文化機関とも連携している。
第1回大会には23か国から128名の指揮者が応募し、第2回には5大陸から220名が参加。第3回では応募者数が360名に達し、世界的な広がりを示した。第1〜3回はいずれも、映像による予備審査を経て、ブダペストでのオーケストラとの実演審査が行われた。第4回の今大会では、初めてアメリカとヨーロッパの2つの大陸でピアノによる一次審査が実施され、より多くの指揮者が応募できる仕組みが導入され、応募者数は全世界から400名以上の指揮者が参加した。
現在では、世界でも最も注目すべき指揮者コンクールの一つとみなされており、その重要性は、歴代の受賞者の活躍、褒章のコンサート・サポート、審査員、関係機関などによって証明されている。
◆岡本 陸（おかもと・りく）プロフィール
2022年、BMI国際指揮者コンクール（現：ブカレスト国際指揮者コンクール）にて優勝。
2025年、アンタル・ドラティ国際指揮者コンクールにて最高位（1位なし2位）を受賞。
1998年生まれ。3歳よりヴァイオリンを始める。11歳よりスーパーキッズ・オーケストラに入団し、以来佐渡裕氏の薫陶を受ける。洛星高等学校を経て、東京音楽大学音楽学部作曲指揮専攻(指揮)に特別特待奨学生として入学し、2021年に卒業。
指揮を広上淳一、田代俊文、増井信貴、三原明人、米津俊広の各氏に師事。ジョン・アクセルロッド、マーク・ヘロン、ボリス・ベルキン、汐澤安彦、徳永二男、ジン・ワンの各氏による指揮マスタークラスを受講。2024年、東京・春・音楽祭において、リッカルド・ムーティ氏によるイタリア・オペラ・アカデミーを受講。
2023年、プロイェシュティ・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会にて、ヨーロッパデビューを果たす。これまでに、ブカレスト交響楽団、イル・ド・フランス国立管弦楽団、ケチュケメート交響楽団、Siamo Orkest、ヴァーサ市交響楽団、日本センチュリー交響楽団、パシフィックフィルハーモニア東京、中部フィルハーモニー交響楽団、群馬交響楽団等と共演し、今後も全国各地のオーケストラと共演予定。スーパーキッズオーケストラ、京都市ジュニアオーケストラにて副指揮者を務めた。2024年、山田和樹氏により、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団の日本ツアーのアシスタント指揮者に選出。ツアー千秋楽のアンコールで同オーケストラを指揮した。
現在は、フィンランド・ヘルシンキを拠点に、ヨルマ・パヌラ氏の下で研鑽を積んでいる。
