まいんどくらぶ30周年 記念誌に当事者体験談も
日吉本町に事務所を構える特定非営利活動法人精神保健を考える会まいんどくらぶ(渡邊久子理事長)は今年設立30周年を迎え、このほど記念誌を発行した。
同法人の前身は、精神障害のある家族がいる人の集まりである「家族会」。「地域の中でさまざまな人が関わりながらグループホームを作る」という目的で設立された。現在はグループホームの運営のほか、地域活動支援センター(HIKARI、リンデン―カフェ杜―、セサミ香房、四季菜館)の運営、精神障害の理解を深める普及啓発活動などを行っている。
「生活楽しむ」伝える
10周年毎に記念誌を発行しているが、30周年記念誌は、当事者の体験談に重点を置いた内容になっている。
その中の一つが、双極性障害2型の森本かおりさん(42)の体験談。森本さんはリンデン―カフェ杜―に通い、菓子のラベル製作などに携わっている。これまでにさまざまな支援を受け、現在も安定を模索中。森本さんは、「環境に恵まれて生活が整ってきた」と話し、「今苦しい人に届いたら」と講演も行う。
同法人事務局長の井上麻子さんは、「地域に見守られて30年間続けてこられた」と振り返った。リンデン―カフェ杜―の施設長も務めており、「教科書での学びも大切だけど、みなさんと関わり実体験として知ることができる」と話した。記念誌を通して、「精神障害があっても、生活を楽しみながら暮らせることを知ってほしい」と期待を込める。
記念誌は、同法人が運営する地域支援活動センターなどで販売。