【個性が光る店主列伝vol.2】~阪神芦屋 日本酒専門バー『柿炭』秋岡雄一さん 芦屋市
「聞けば聞くほど会いたくなる、話せば話すほど好きになる」。
そんな魅力溢れる店主にスポットを当てた【この人に会いたい!個性が光る店主列伝】。
第2弾は、阪神芦屋(芦屋市)にある日本酒専門バー 店主『柿炭』秋岡雄一さん。
灘五郷の酒蔵で21年間の日本酒造りを経て、日本酒バーをオープン。そのきっかけや日本酒への想いとは?
昭和レトロ感が漂うお店
お店は阪神芦屋駅から徒歩1分という好立地。東改札口を出て線路沿いに歩くと、右手に抜ける道に昭和レトロ感漂う小さなお店があります。
店内はカウンターのみで、提供するのは日本酒と少しのアテだけ。ビールもソフトドリンクもありません。
見えないお客様の顔、その先にあるものを知りたい
秋岡さんは灘五郷の一つである西宮郷の『白鹿』で21年間蔵人として日本酒造りに携わってきました。日々力を尽くしてお酒を造っても、実際に口に運ぶお客様の顔や声に直接触れることはなかったそうです。
数字で判断するのではなく、自分が造った酒の味は正しいのか、本当に受け入れられているのか。また、どんな人が、どんな気持ちで、どんな瞬間に飲んでくれているのか…その“先”をずっと知りたいと思いながら過ごしていたのだとか。
そんな長年の“モヤモヤ”は、自身のお店を持つことを決意させます。自分の手で選んだお酒を届け、自分の目でお客様の表情を見るために『柿炭』は生まれました。
自信を持って厳選する日本酒が約11~12種類
「日本酒を選ぶ時、何か基準があるんですか?」との問いに、「種類にはこだわらず、皆が知らない、本当においしい、丁寧に作られているものを選んでいます」とのこと。
日本各地から厳選した11~12種類ほどの日本酒を用意、どこでも飲める人気の銘柄やプレミアムがついたものは選ばないそう。ごく稀に入手困難の知られざる銘酒が並ぶこともあるそうですよ。
渾身の一杯『木枡ロック』
夏の暑い時に最初の一杯として飲んでほしい『木桝ロック』。すっきり辛口の樽酒を独自の製法で凍らせてシャーベット状にし、その上から同じ樽酒をそっと注ぐお店のオリジナルです。
枡の角からそろりと口をつけると、ふわっと広がる樽の香り。シャリシャリとした口当たりから少しずつ液体へと変わる温度の変化を感じながらゆっくりと米の旨みを味わいます。
「日本酒って、こんなに楽しいんだ」
そう思ってもらえたら嬉しいと、大切にしている一杯なんだそう。
“味わう”のではなく“体験する”
日本酒が苦手だと思う人ほど、先入観を捨てて飲んでみて欲しい。「好きにさせる自信はありますよ」と笑顔で話します。まずは、“味わう”のではなく“体験する”のが大事なんですね。
カウンター8席だけの小さなお店は、客同士とも、店主とも距離が近いのがいいところ。女性が多いというのも驚きです。日本酒が好きという共通の話題があるので、店内はいつも和気あいあいと賑わっているのだとか。
「芦屋にオープンしてから本当に楽しい。いいお客さんが多くてありがたいです」
日本酒にまつわる話や、蔵人時代のウラ話など聞いていると「へぇ~」「ほぉ~」「そうなんだ~」の繰り返し。
今宵も秋岡さんの人柄と豊富な知識・話題に人が集まります。また、楽しいお話を聞かせてください!
場所
日本酒屋 柿炭
(芦屋市精道町6-3)
営業時間
18:00~22:00