中川幹太上越市長の不信任案は無記名投票で採決 9月定例会冒頭に審議 上越市議会
上越市議会は2024年8月30日、議会運営委員会を開き、中川幹太市長への不信任決議案を9月2日に開会する9月定例会冒頭に審議し、採決は無記名投票で行うことを決めた。
個々の議員の賛否不明に 問われる議会の説明責任
市議会は7月19日の臨時議会で辞職勧告決議を可決しているが、その際は起立採決で、議長を除く31人のうち25人が賛成、6人が反対し、個々の議員の賛否も明らかになっている。今回の不信任決議案の採決では、辞職勧告決議への賛否との整合性が問われるが、無記名投票では明らかにならない。
《画像:7月19日の市長給料減額案、辞職勧告決議案についての賛否》
市議会が「最高規範」としている議会基本条例( https://www.city.joetsu.niigata.jp/site/gikai/gikaikihonjyourei.html )は、「議案等の審議及び審査の内容について、市民への説明責任を果たすこと」(2条)と定めており、今回の対応の是非が問われる。
不信任決議案
不信任決議案の提案者は滝沢一成議員で、本城文夫議員(市民クラブ)と上野公悦議員(共産)が賛成者として名を連ねている。
▼不信任決議案PDF( https://cdn.blog.st-hatena.com/files/4207112889963685954/6802340630902358685 )
9月2日の本会議冒頭で、滝沢議員が不信任決議案の提案説明を行い、質疑、討論の後、採決を行う。
賛成多数で無記名投票に 反対討論もなし
議会運営委員会では、採決の方法について、市民クラブ(6人)、共産(3人)、無所属(4人)が起立採決または記名投票を求めたが、最大会派の久比岐野(8人)、つなぐ(4人)、みらい(4人)、公明(2人)が主張した無記名投票に決まった。
また、30日に討論の通告が締め切られ、3人が賛成討論を行うが、反対討論する議員はいない。仮に決議案が否決された場合、その理由は分からないことになる。
《画像:8月30日の議会運営委員会》
議会運営委員会では「反対討論もなく何も言わずに無記名で結論を出すとしたら、市民からみて何をやっているか分からない」(平良木哲也議員)などの意見も出た。
不信任決議の成立要件
不信任決議案は、32人の議員の3分の2以上が出席し、4分の3以上の賛成で成立する。成立した場合、市長は通知を受けてから10日以内に議会を解散することができ、議会を解散しない場合は失職する。解散後の初めての議会で3分の2以上の議員が出席し不信任案に過半数が賛成すると失職する。
中川市長「厳粛に受け止める」
中川市長は「私に対する不信任決議案が提案されることとなったことについては、厳粛に受け止めております」とのコメントを発表した。