この世は爬虫類の背中に乗せられている?マヤ・アステカ文明の世界観とは【眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々】
マヤ文明とアステカ文明の世界観
この世は爬虫類の背中に乗せられている?
メキシコ南部からユカタン半島にかけての中部アメリカはメソアメリカと呼ばれ、マヤ文明やアステカ文明などが起こりました。
紀元前1500年頃から2000年もの長きにわたり隆盛を極めたのはマヤ文明。ピラミッドや神殿など、人間の創造物とは思えないほど巨大な石像建築が残されています。
マヤ人は、海に巨大な爬虫類が浮かび、世界はその背中に存在し、平坦なものと考えていました。そこに神の世界人間の世界、地下の世界の3層があり、生命の木が支えているというのがマヤ文明の世界観です。
マヤの創世神話は3つの世界譚からなり、2つめまでの世界は破壊され、3つめでトウモロコシから人間が誕生したとされています。
アステカ文明は、14世紀にメキシコ中央高地に誕生しました。アステカ神話が考える世界は、天界13層と地下世界9層で構成され、地下の最下層は死後の世界といわれます。
この世界はテヨロクアロヤンと呼ばれます。それぞれの層には神がいて、支配しました。
アステカの創世神話は、5つの世界譚で語られます。第1から第4までは天変地異などさまざまな理由で世界が破壊されますが、第5の世界で神々が誕生。大地や人間、農耕なども創造されて世界が創られていきます。
※トウモロコシ:約6500年前にマヤの低で最初のトウモロコシ栽培が行なわれたとされている。ただ、当初はお酒をつくるために栽培されたようだ。
メソアメリカ文明MAP
アステカ文明
中央メキシコで栄えた国家。アステカ王国以前から伝えられた神話もあり、最高神ケツァルコアトルも古い時代からの神だ。
マヤ文明
ユカタン半島を中心におこった文明で伝えられてきたのがマヤ神話。長年にわたって受け継がれてきたが、文献が残されていないので大半が不明。
アステカ神話創世神話
何度も滅亡と創造を繰り返すという神話はメソアメリカ文明によく見られる。
【第1の世界 巨人が支配する】
ジャガーによって滅亡
【第2の世界 ケツァルコアトルが支配】
大風によって滅亡
【第3の世界 雨と雷の神トラロックが支配】
火の雨によって滅亡
【第4の世界 水の神チャルチウィトリクエが支配】
洪水によって滅亡
【第5の世界 (現在の世界)太陽神トナティウが支配】
やがて空の怪物により滅亡するという
マヤ神話人間ができるまで
マヤ神話の文献ポポル・ヴフで、創造神テペウとグクマッツが人類をどのようにしてつくったのか語られている。最後、トウモロコシからつくって成功した際には、世界のすべてを見通せないよう、あえて目をくらませたという。
第1【泥から人間をつくる】
やわらかく水に溶けて失敗
第2【木から人間をつくる】
魂や知性がなく失敗
第3【トウモロコシから人間をつくる】
知性を持った人間が誕生し成功!
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』監修:鈴木悠介