「まちを守る皆さんへ」 釜石中、消防援助隊へ寄せ書き横断幕 感謝の思い込め
釜石中(佐々木一成校長、生徒294人)は7日、大船渡市の大規模山林火災に伴い、釜石市鵜住居町の市民体育館を拠点に消火活動に尽力する新潟、茨城、栃木各県の緊急消防援助隊に感謝や激励を込めた寄せ書きを記した横断幕を贈った。「まちを守ってくれてありがとう」「助かります」。慣れない地域での活動を日夜続ける隊員らを思って、文字をしたためた。
「消火活動に来てくれた人たちに、中学生としてできることで感謝を伝えよう」と、同校の生徒会が横断幕の贈呈を提案。執行部の岡本あいるさん、久保伶奈さん、岩間心来さん(いずれも2年)、三浦碧人さん(1年)の4人が市民体育館を訪れ、隊員に手渡した。
横断幕は3枚製作。それぞれ中央部分に「全国の消防隊の皆様に心から感謝します」「みなさんはわたしたちのヒーローです」「全国からのご支援ありがとうございます」と文字が記され、その周囲に「力を貸してくれてありがとう」「大船渡のために来てくれてありがとう。頑張ってください」などと全校生徒がメッセージを寄せた。
4人は「全国から大変な思いをしながらも必死で消火活動に取り組んでいる方々に感謝の思いでいっぱいです。本当にありがとうございます。今回の山林火災を目の当たりにして釜石中としてもより一層防災への意識を高めていこうと改めて思いました。これから未来へつないでいきます」と思いを伝えた。
新潟県の後方支援隊長を務める新潟市中央消防署の田中勝消防司令(55)は「地震や山林火災など自然災害が相次ぎ大変だが、お互いに助け合っていきたい」と気を引き締める。中学生から届けられた気持ちを受け止め、表情を緩める場面も。「樹木などに火種が残っていたり厳しい環境だが、頑張れる」と力にした。
同校では、被災者を支えようと募金活動も展開。岡本さんは「山林火災が早く鎮火するよう、頑張ってもらいたい。親戚が大船渡に住んでいるので、早く元の生活に戻ってほしい」と願った。
この日、釜石市も激励として飲料水(仙人秘水)を各隊に贈った。
大船渡の山林火災は隊員らによる地道な活動などによって、延焼の恐れがなくなったことから、9日夕、大船渡市が鎮圧を宣言。それにより、釜石に拠点を置く3県の消防援助隊も活動を終える。