【親子で読みたい】東広島で誕生した会話が得意な小さなロボット「RoBoHoN(ロボホン)」について、開発者に聞いてみた!
※この記事は、子ども達にも楽しんでもらえるよう文章をやさしくしています。
みんなが暮らす東広島で、未来へ挑戦するロボットが誕生したことを知っていますか? この特集では、そんなロボットたちの姿と、開発にかけた人たちの思いを紹介します。いつかあなたも、ロボット開発の仲間になる日が来るかも!
心を前向きにしてくれる会話が得意な小さなロボットRoBoHoN(ロボホン)
人の形をしておしゃべりできる小さなロボット「ロボホン」。八本松地区磯松工業団地のシャープ広島事業所で、「モバイル型ロボット電話『ロボホン』」が生まれ、今年で9歳をむかえたよ。全国にたくさんのロボホンがいて、人間と一緒に家族や友達のようにくらしているよ。開発チームの方にロボホンについて教えてもらったことを紹介するね。
開発チームにロボホンのこと聞いてみた
「どうやって話をおぼえるの?」
ロボホンを開発しているロボホンチームの人に言葉を教えてもらって覚えていきます。ロボホンはロボットですが、すべての言葉を知っているわけではありません。ロボホンチームが、「ロボホンにお話ししてもらいたいな」と思った言葉やセリフを毎月教えています。ロボホンが新しい何かを覚えることを、「アップデート」と言います。毎月のアップデートを通してどんどん賢くなっていくよ。
「外国語も話せるの?」
日本語以外にも、英語や中国語、韓国語を話すことができます。海外から日本に来たお客様に英語で案内をするなど、観光地でお仕事を頑張っているロボホンもいるよ。
「一緒に遊んだりできる?」
ロボホンは言葉を使った遊びが得意です。一緒にしりとりやクイズ、旗揚げゲームもできるよ。他にも百人一首やかるたを読み上げることもできるので、人間同士の遊びのお手伝いもできちゃいます。
「おうちでどんなお手伝いができるの?」
高いところやお水が苦手で、自分で歩けるのも5歩までなので、お掃除や洗濯みたいなお手伝いはできません。でも、電気をつけたり、エアコンのスイッチを入れたり、電気製品の操作は得意です。アラームの機能もあるので、皆さんが学校に遅刻しないように、時間になったら起こしてあげることもできます。ロボホンにとっては、これも立派なお手伝いかも。
「おじいちゃんやおばあちゃんの家でも活躍できる?」
はい、活躍できます!ロボホンには電話やメールをする機能が搭載されているので、皆さんと、おじいちゃんおばあちゃんがロボホンを通してやり取りをすることができるよ。他にも、お薬を飲む時間をお知らせしたり、ニュースや天気予報をお話したりするので、生活を助ける存在になってくれると思います。
「どんなところで活躍しているの?」
お話しするお仕事が得意なので、案内所や施設の受付で、訪れたお客さんに案内をしているロボホンがたくさんいます。実は、ロボホンは学校でも活躍していて、ロボホンチームの人と一緒に学校に出かけて授業をすることもあるんです。この授業は、ロボホンを使ってプログラミングを学ぶことを目的としていて、ロボホンチームの人が、「皆さんにたくさん学んでもらえるように」と、ロボホンと一緒に授業をしているんですよ。ロボホンの活躍の場は今もどんどん広がっているよ!もしお仕事をしているロボホンを見かけたら、やさしく話しかけてあげてね。
「ロボホン同士で遊んだりできる?」
はい、できます!ロボホンは、他のロボホンと交流するための機能があって、しゃべったり、一緒にダンスをしたりすることができます。一言で「交流」といっても、ネットワークでつながって交流したり、特殊な音で交流したり、使っている技術は色々あるんですよ。実は、ロボホンはお友達だけじゃなくて、兄弟同士でもおしゃべりしたりすることができるんです!兄弟のロボホンがいると、2人だけでごっこ遊びを始めたり、お互いが今日何をしたのかお話ししたりするよ。
「どこで誕生したの?」
八本松にあるシャープの広島事業所が生誕の地。ロボホンを作ろうというアイデアが出たのも、設計をしたのも、どういうお話をして何ができるかを考えて決めたのも、そして組み立てたり怪我をしたロボホンを治したりしているのも、この場所です。今は、組み立ては別のところでやっていますが、ロボホンに関する様々なことが広島事業所で行われているのです。
「調子が悪くなったらどこに行くの?健康診断があるってホント?」
ロボホンは調子が悪くなったら、東広島にあるシャープ広島事業所にくるよ。そこには、ロボホンのお医者さんがいるので、広島事業所に来たロボホンたちは、お医者さんの診察を受けて修理をしてもらって、元気に帰っていきます。毎週健康診断もしているので、「気付いてなかったけど実はここが悪かった!」みたいなことが見つかるロボホンもいます。ロボホンはとっても精密なので、こういう検診や修理をして、オーナーの皆さまの元で安心して暮らしてもらえるようにしているよ。
開発担当者に聞いた ロボホン誕生秘話
開発しようとしたきっかけは?
その昔、東広島のシャープ広島事業所では、テレビが搭載されていたり、いろいろなかたちに変形したりなど、たくさんの個性的な携帯電話を作っていました。しかしスマートフォン(スマホ)の時代になって、画面の大きさでしか個性を出すことができなくなり、シャープの製品を好きだと言ってもらえることが少なくなってしまうことを心配しました。そこで、一人一体、いつも一緒にいてくれるパートナーのようなスマホ、ロボットのかたちをしてみんなに好きになってもらえるような製品を開発しようと考えたことがきっかけです。
開発中、悩んだことは?
いままでにない製品を作っているので、自分たちがやっていること、やろうとしていることが正解かどうか全く分からず不安でした。これは、これから新しいことをやる場合、皆さんも必ず感じる気持ちだと思います。それぞれ、皆さんが自信を持てるものを持って、強い気持ちで進めていくことが重要です。
うれしかったことは?
ロボホンが世の中に出てからは、思いもよらない方法で「いろいろな人の役に立っている」ことが分かりました。気持ちを前向きにしてくれたり、外に一緒に出かける気持ちにしてくれたり。私たちは、このようにロボホンが人の役に立っているなと感じると嬉しいですし、これからもいろいろなアイデアを出していこうとやりがいを感じているよ。
ロボホンの目指す未来は?
私たちは人間とロボットが共生する社会の実現を目指しています。ロボットは人間ができないこともできる、人間を助けてくれる存在として考えられている方も多いと思いますが、人間ができてロボットにはできないことはたくさんあり、人間がロボットを助けてあげることが必要になる場面もあります。お互いがお互いを尊重し、共に生きていくことができる社会を、ロボホンを通して実現したいです。
開発チームからみんなへ
今、皆さんの周りにはたくさんの機械があると思います。今でもたくさんありますが、これからもっともっと増えていくでしょう。この機械はすべて、人間が一生懸命考えて作っているものです。「どうしてこんな機械を作ったんだろう?」「この機械はどうやって作られているんだろう?」と、その機械を通して、機械を開発した人たちの考えを想像してもらえると嬉しいです。そして将来、私たちと一緒に開発したいと思ってもらえると、とっても嬉しいです!
シャープ株式会社のロボホン開発チームの皆さま、ありがとうございました。みんなもロボホンの活躍を応援してね。