身近な釣り場にいる【危険な生き物5選】 予防策と万が一の時の対処法を解説
いよいよというか、いきなり真夏の暑さとなった今年。こうなると釣りでの熱中症リスクが普段より高まる。ならば夜釣り(夕方)なら問題ない。そう思っているとしたらそれは大自然の怖さを知らない証拠だ。夜になれば危険な生物がこぞって動き出し、刺したり感染症のリスクを高めたりするからだ。そこで、この記事では釣り場で遭遇する可能性の高い、超危険な生物をとりあげてみたい。
釣り場の超危険生物5選
ではさっそく、釣り場で遭遇したらヤバイ生物を5つ紹介しよう。意外と身近にもいるから知っておいて損はないはずだ。
マダニ
最も厄介なのがこの虫だ。都心の草むらや公園などにも普通にいるのだが、刺されると命にかかわる感染症を引き起こす場合がある。それが、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)だ。
発症すると発熱や下痢、腹痛など消化器系がやられる恐ろしい感染症だ。ヤブコギや草むらなどに入って釣りをする場合、真夏でも必ず長袖長ズボンは必須と思った方がいい。
ナメクジ
ナメクジは住血線虫という寄生虫が体内や這った後の粘液にいる可能性がある。いないとは思うが、口に入れたりいたずらに触れるのも危険だ。感染すると1週間~3週間前後で、頭痛や吐き気、全身の痛みなどの症状が出る。
日本でも沖縄を中心に感染例があるが、現状そこまで心配はいらない。ただ、釣り場などで荷物にくっついてくることもあるので、知らないうちに触ってしまうこともある。釣りから帰ったらよく手を洗おう。
ヘビ
関東ではヤマカガシなどもいるが、アオダイショウが多い。基本的に臆病でこちらが近づかなければ攻撃されることもなく、毒もない種類が多い。
河川に近い草むらに生息し、釣りをしていると意外と遭遇することも多い。主にバッタやネズミ、カニなどの小動物を捕食しているので、ヤブコギや穴場的なスポットで釣りをする場合、間違って踏まないように注意が必要だ。
咬まれると毒はなくても傷口から雑菌などが入ることもあるので、見かけたらそっとしておこう。
サシガメ
桜、ケヤキなど、釣り場はもちろんどこにでもある樹木に普通に生息している。毒々しい色の種類もいるので積極的に触ることもないとは思うが、こちらも危害を加えないかぎり刺されることはない。
海外ではシャーガス病という恐ろしい病気を媒介する虫だが日本のものはそうではない。筆者は経験がないが、刺されると非常に痛いようなので近寄らない方がいい。
コウモリ
橋脚下などで釣りをしていると、暗くなると同時に飛び回る姿が見える。そして釣り糸めがけて突っ込んでくるから厄介だ。
あまりないが、咬まれたり引っかかれたりすると狂犬病などに感染する恐れもあり、さらにはマダニやノミを媒介するので、興味本位で捕獲しようとするのもダメだ。
フンにもサルモネラ菌などの病原菌を含んでいる場合があり、糸に引っかかって落下しても素手で触るのは絶対やめよう。
予防には複数用意する
そして予防策だが何かひとつに絞るのではなく、アイテムを複数用意することがポイントだ。筆者は蚊取り線香のように煙系が効果が高いと感じている。しかし、野外用は巻きが少なくすぐに燃え尽きてしまうという欠点もある。
その度にいちいち火を付けていては、めんどくさいし時合も逃してしまう。なので、スプレー式の虫除けも用意しておくと安心だ。中でもハッカの虫除けは効果も高くおすすめだが、犬や猫などには毒なので家でペットを飼っているなら他のものにしたほうが無難だ。
万が一の時はすぐに病院へ
最後は万が一のための対処についてだ。もし噛まれたり刺されたりした場合は、すぐに病院で処置してもらうのが得策だ。特にマダニは自分で引き剥がすと口が傷口に残ったままになり、そこから感染症を引き起こすことだってある。
サシガメやヘビも毒こそないが、どんな雑菌を持っているかわからない。不安な気持ちを抱えているよりすぐに病院で診てもらう方が安心だ。
いかがだっただろうか、釣りは言うまでもなく大自然相手の遊びだ。そこには人間だけでなく、様々な生き物が暮らしていることを忘れてはならない。最低限の準備をして、生き物に敬意を払うのは釣り人としてのマナーのひとつだ。
<宮坂剛志/TSURINEWSライター>