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群馬県の高崎へ「きつねの嫁入り」見に行かない?

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群馬県高崎市箕郷地区では例年秋になると「きつねの嫁入り」が行われ、たくさんの見物客で賑わいを見せます。この行事は、古くこの地域で行われていた伝統的な「婚礼儀式」と、古くからの言い伝え「狐の嫁入り」を組み合わせた、高崎市が誇る秋の風物詩です。ここでは、狐に扮した参加者が織りなすきつねの嫁入り行列と、さまざまな楽しい催しが行われる「みのわの里のきつねの嫁入り」をご紹介しましょう。

古くから言い伝えられる「狐の嫁入り」とは

狐は古くから人間を化かしたり、イタズラをしたりする生き物と考えられてきました。そんな狐にちなんだ言葉の「狐の嫁入り」には2つの意味があるといわれています。

一つは晴れているのに突然雨が降る天気雨のこと。狐が嫁入りをする際に人間に見られたくないことから、雨を降らせて人間を家から出さないようにしたということから、このように呼ばれているのだそう。

もう一つは、怪火(かいか)という謎の光が、野山の暗闇に連なって見えることを言います。「狐火」とも呼ばれ、長いものは、4キロメートルにも及ぶのだそう。

かつて日本では、夕方から嫁入りが行われることが多く、嫁ぎ先まで提灯を持ち花嫁行列を作って出向いていきました。しかし、嫁入りの予定がないのにまるで提灯行列のような光が見えることがあり、狐が人を化かすのだと考えられたことから、狐の嫁入りと呼ばれるようになったといわれています。

これらはいずれも昔話や民間伝承として、現在でも語り継がれています。

高崎の秋の風物詩「みのわの里のきつねの嫁入り」

みのわの里のきつねの嫁入り開催情報。

今回ご紹介する群馬県高崎市の箕郷地区は、榛名山南麓の自然豊かなエリアとともに、今から500年ほど前の戦国時代に勢力のあった武士・武家「長野氏」の一族の一人「長野業尚」が築いたといわれる名城「箕輪城」の城下町として栄えたことでも有名です。

花嫁行列や華行列、子供花嫁行列などが行われる「みのわの里のきつねの嫁入り」は、例年10月第一日曜日に開催されます。

この地域では昭和30年代まで、婚礼の際に嫁ぎ先まで行列を作って歩く風習がありましたが、現在は見られなくなってしまいました。

この伝統的な婚礼儀式を後世に伝えたいという思いから、狐の嫁入りになぞらえ「ゆるやかなつながり」をキーワードに地域の方々が一体となり、地域活性化や伝統文化の継承そして、五穀豊穣の願いを込めて、2002年より「みのわの里のきつねの嫁入り」が行われるようになりました。

県内外にファンをもつ群馬を代表するイベントの一つです。

高崎市公式YouTubeチャンネルより:きつねの嫁入り。

婚礼行列や輿入れ行列、イベントも充実

みのわの里のきつねの嫁入り実行委員会提供:昼の華行列。

見どころはなんといっても、高崎市役所箕郷支所からふれあい公園までを練り歩く花嫁行列。化粧で狐に扮した参加者が「コーン、コーン」と言いながら練り歩く花嫁行列は、まるでいにしえの世界に足を踏み入れたかのような錯覚に陥ります。

行列のゴールは、メイン会場となるふれあい公園にあしらわれた鳥居で、これを行列が潜り抜ける光景には感動を覚えます。

みのわの里のきつねの嫁入り実行委員会提供:子ども行列や祭祀の様子。

行列が到着した後、ふれあい公園では婚礼の祭祀・式典や子どもたちによる花嫁行列、輿入れ行列や、きつね姫コンテスト・5代目ミスきつね姫美月ひなさんの「きつね姫音頭」などの催しも行われます。

みのわの里のきつねの嫁入り実行委員会提供:夜の輿入れ行列。

夜の輿入れ行列は、昼間とは趣が異なりさらに幻想的ですよ。

みのわの里のきつねの嫁入り実行委員会提供:野外劇やミスきつね姫コンテスト。

さらに、高崎アコーディオンサークル・子どもたちのチアダンス・和太鼓・南京玉すだれ・男性フラダンス・柳生新陰流演舞などのアトラクションも開催予定です。またB級グルメも登場するので、お見逃しのないように!

きつねの嫁入り行列と一緒に楽しめるさまざまなイベントが目白押しですよ。

みのわの里の狐の嫁入り開催情報

開催日時:2024年10月6日(日) 11:00〜19:00(予定)

場所:高崎市箕郷支所

場所:ふれあい公園

みのわの里のきつねの嫁入り公式ウェブサイト

文・写真:Nico
※内容・情報は掲載時のものです。

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