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見知らぬ土地で食事をするときは、なるべくネットを使わずに周辺を探索しながらお店を探すのが好き。程よいワクワク感が加わって、食事が一段と楽しくなる気がするからだ。

さて先日、神奈川県西部にある大井町を歩いていた時のこと。『板そば丼』という謎の商品名が書かれた看板を発見した。板そば……ではなく板そば〝丼″。なんじゃそりゃ!?　ワクワクが止まらないぞ。

・想像がつかない

こちらが見つけた看板だ。

よく見ると『ご飯の上に蕎麦の天ぷら』と説明書きが書いてある。

なるほどぉ～。つまりは、こういうことか。

って、なるか（笑）

そもそも「蕎麦の天ぷら」が分からないんだよ！

もう気になって仕方がないのでお店に足を運んでみよう。

案内に従って進んで行くと住宅地に佇むお店を発見した。

その名も『うなぎ・炭火焼　山本屋』

隠れ家的で超イイ雰囲気だ。

さっそく入店。一応メニューを確認しておこう。美味しそうな各種蕎麦に……

これまた美味しそうな『うなぎ』。こちら、国産の活けうなぎを店内で調理し備長炭でじっくり焼き上げるのだとか。

しかも、結構リーズナブル。よし決めた、うな丼にしよう！

違う……（涙）

うなぎを食べたい気持ちをグッとこらえ、正直美味いのか不味いのかすらも想像がつかない謎の『板そば丼』を注文することにした。

・アレ？ なんか……

注文を済ませると、まずは小鉢が運ばれてきた。

綺麗な釜茹での小エビ。プリッと弾ける食感で美味しかった。

そうこうしているうちにメインが登場。めちゃくちゃイイ香りでイッキにお腹が空いてきた。

が、気になるのはその見た目だ。さっそく確認してみよう。

こちらが……板そばぁぁぁ

ドン！！！

アレ？　なんかイイ意味で想像よりもマトモかも。

個人的に、ウケを狙ったインパクト1点勝負のトンデモ料理とばかり考えていたので、ちょっぴり意外であった。

・板そば丼（税込1100円）

具材が卵でとじられており、どことなくカツ丼に近い印象だ。

プリッとした貝柱がトッピングされているのが嬉しい。

今のところ『蕎麦』要素は見当たらない。が……

卵とじを箸で持ち上げてみると、隠れていた蕎麦が登場！　平たくカットされた蕎麦がガッツリ入っているぞ。

んでんで驚くことに、とろけるチーズもたっぷりと仕込まれている！　凄いな「板そば丼」。

ちょっと情報量が多くてプチパニック状態になってはいるが、とりあえず味を確かめてみよう。パクッ。

……バカうめぇ！

蕎麦がめちゃくちゃ香ばしくて美味い。スッキリ甘めな上品お出汁 ＆ 卵との相性も抜群だ。

驚くことに、お米ともバッチリ調和している。

チーズのパワフルな旨味が、本来交わることの無い「蕎麦と米」をガッチリと繋いでいる。これは、どれかが1つでも欠けたらダメ。そんな神がかり的なバランスで構成された『奇跡の丼』だと感じた。

こんな凄い料理をよく思いついたなぁ。ちょっと感動してしまったぞ。

・あまりの美味さに……

数分で平らげてしまったのだが、最後までもたれずにサッパリと頂けたところも最高であった。

ひとくち食べたら蕎麦とお米の美味しい出会いにワクワクと心が躍るはず。他では味わえない絶品料理「板そば丼」が神奈川の名物になる日もそう遠くないかもしれない。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名　山本屋
住所　神奈川県足柄上郡大井町金手135-9
時間　11:30～14:30(LO. 14:00)、17:30～20:30（LO. 20:00）
休日　毎週水曜日（臨時休業の可能性があるため電話で確認下さい）

参考リンク：山本屋
執筆：イナバタクヤ
Photo：RocketNews24