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数字に縛られない働き方。スモールビジネスを続けるための考え方とは?

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ビジネスを始めるなら、目標を立てて、数値で管理して……と、考えるかもしれない。『ナリワイをつくる』(ちくま文庫)や『小商のはじめかた』(東京書籍)など多数の著書を持つ伊藤洋志さんは、やればやるほど技が身に付き、頭と体が丈夫になる仕事「ナリワイ」を実践し、「ゴールを立てない」からこそ続く働き方があると言う。持続可能なナリワイの秘訣とは?

誰か1人に試してもらって様子を見る

「目標を立てると、うまくいかないときに失敗したと思ってしまう。最初からゴールを設定しないほうが、結果的にうまくいくこともあるんです」

伊藤洋志さんが実践する「ナリワイ」という働き方は、目標や数値管理をしないところに特徴がある。代わりに重視しているのは、「1〜2人の反応を見る」ことだという。

「誰か1人に試してもらって、喜んでくれたら続ける。無理があると思ったらやめる。それくらいの判断基準がちょうどいい」

伊藤さんは過去に「木造校舎ウェディング」というナリワイを手がけていた。だが、結婚式の需要が身の回りで落ち着くと、それも自然と終えた。

「やりたいっていう人が現れたら、やり方は教える。でも自分が無理して続ける必要はない。そういうスタンスです」

継続の判断基準は「人の手応え」

ナリワイには、数値目標の代わりに“人の手応え”がある。依頼者が喜んでくれた、楽しんでくれた、またお願いしたいと言ってくれた。そういった反応が、続けるかどうかの判断材料になる。

「ナリワイをやるときは他人とのコミュニケーションが大事ですけど、共通の関心があると楽なんですよね。例えば、ブロック塀を壊す仕事では、目的が一致しているから話しやすい。黙っていてもいい」

伊藤さん自身、会社員時代は営業が苦手だった。だが、自分が興味を持てる仕事、依頼者と目的が共有できる仕事であれば、コミュニケーションも自然に生まれる。

最初から拡大を目指さない

また、ナリワイを始めるときに気になる「発信力」についても、伊藤さんはこう語る。

「10万人に届く必要はありません。まずは1人に届けばいい。その1人に試してもらって、自信がついたら次に広げる。最初から拡大を目指さなくてもいいんです」

大きな目標や拡大戦略を立てなくても、小さなナリワイは、必要な人に届いていく。そして、必要がなくなれば自然と手放す。それくらいの“ゆるさ”が、長く続ける秘訣なのかもしれない。

「ナリワイは、数珠つなぎみたいに、ひとつが次の仕事を連れてきます。だから、目の前の1人を大事にしていれば、自然と道はつながっていくんです」

失敗を恐れて、チャレンジできない人は、失敗する前にお試しのステップを踏む「ナリワイ」から始めるといいかもしれない。

文/長谷川恵子

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