自己肯定感の低い子どもは「どうせできない」が口ぐせ… 「自己肯定感を高める」パパママの子育てを大公開
パパママが実践する「我が子の自己肯定感を高める育児」の内容を、「我が子の自己肯定感が低い」と感じる瞬間のエピソードとともに大公開。日本の子どもの自己肯定感の低さについてのパパママのリアルな考察も。
「我が子の自己肯定感」アンケート調査結果はこちら(画像4点)前回(第1回)の記事では、我が子の自己肯定感を育むことを意識しているパパママの割合や、「我が子の自己肯定感は高い」と感じたときのエピソードをご紹介しました。
今回ご紹介するのは、パパママたちが「我が子の自己肯定感は低い」と感じたエピソードです。
前回の記事でご紹介したアンケート結果では、パパママが「自己肯定感がやや低い/低い」と答えた子どもの割合は16.5%でした。
世のパパ・ママたちは、我が子のどんな言動から自己肯定感の低さを感じるものなのでしょうか。後半では、パパ・ママたちが実践している「自己肯定感を高める育児」の数々も公開します。
コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に 2024年7月26日~8月8日インターネット上で実施。有効回答数は84件。※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。また明らかな誤字等は修正のうえ記載。
「我が子の自己肯定感が低い」と感じる場面
「我が子の自己肯定感が低い」と感じたことがあるパパママたちに、実際のエピソードを聞いてみました。
・どうせぼくにはできないと言って辞めてしまう姿。・「どうせできないから」という発言が多く、最初からチャレンジしようとしないことが多い。
「どうせぼく(わたし)は○○」「できない」は、自己肯定感の低さを示す共通のキーワードのひとつかもしれません。たくさんのパパママから、同様の回答が集まりました。
・○○は下手、○○ができない。と最初から諦めるとき。・失敗するのがこわいと泣かれたとき。
なにかに挑戦・取り組む前に諦める、失敗を恐れるといった言動に、自己肯定感の低さを感じるパパママも多いよう。
子どもの諦めた言動に自己肯定感の低さを感じ取るパパママの声が多く聞かれました。 写真:years/イメージマート
・失敗をとても恐れたり、周りの目を気にして、自分に自信が持てず、チャレンジできないところがあります。・サッカーの練習でチームメイトに「へたくそ」と言われた際、その日の終わりに「オレはよいプレーできひんかった……。へたくそらしい」と言っていたときです。
周りの目を気にして行動を起こせない、他人からの評価を気にしすぎる我が子に自己肯定感の低さを感じるという回答も集まりました。
・中学時代、友人と比べてできていないことがあると嘆いていることがあったので、少し自己肯定感が低いのかなと感じました。・人に対して気を遣いすぎるところがあり、目上の人に謙遜、遠慮している姿を見たときに自己肯定感が低いと感じた。
自分と周囲を比較したり、他人に気を使いすぎたりするのが気になるというパパママも。謙遜・遠慮しすぎる、へりくだるといった態度を見て、「我が子は自己肯定感が低いのでは」と不安になるんですね。
文化的背景を理由にあげるパパママが多数
前回記事をお読みいただいた方はお気づきかもしれませんが、パパママが我が子の自己肯定感を低いと感じる理由のほとんどが高いと感じる理由の逆で、諦め、謙遜、遠慮などの共通点が見られました。
子どもたちの自己肯定感の低さには共通点があるのでしょうか。
こども家庭庁「令和6年版こども白書」には、日本の子どもの自己肯定感は他国に比べて低い傾向にあると書かれています。
「なぜこんな結果になったと思うか」とパパママに聞いてみたところ、
・謙遜する日本文化。・日本人のよさでもある謙虚さ。紙一重なのかな……とも思う。
・国民性。みんなと同じがよいという風潮。
・文化的背景が大きいのかなと思いました。自分勝手な言動は控え、協調性を大事にしている日本人と、欧米のような自己主張しないと生きていけない社会とでは大きく違うのかなと思います。
このように、文化的背景を理由のひとつとする回答がたくさん集まりました。我が子の自己肯定感の低さがもし国民性によるものであるなら、なおさら親としては子どもの自己肯定感の芽を摘むことなく、大切に育ててあげたいものですね。
「我が子の自己肯定感」の高める心がけ
ここからは、パパママたちが実践している「我が子の自己肯定感を高める育児」の具体的な内容を一挙公開します。
・やるべきことをやって報告してきたときに褒めるようにしている。・子どもが「これ見て!」と、何かを自慢気に見せてきたときは、「この部分すごい上手やん!」「これできるの、さすがやな!」と、まずシンプルに褒めるようにしています。
一番多かったのが「褒める」という回答です。ただし、一言で「褒める」といってもやみくもに褒めるわけではなく、
・褒めるときは「すごい」など抽象的ではなく、「○○ができたね」と具体的に褒めるようにしています。・できるだけ具体的に褒める。結果ではなく行動を評価する。
・プロセスを褒めるようにする。
このように、「褒め方」について自分の考えを持ち、実践しているパパママが多いようでした。
・スゴいね! とよく言います。小学生には、テストが酷くても、0点でなければ、点数とれたね! とまず言っています(中学生には言っていませんが)。
こちらのママは、「小学生は点数がとれれば褒める(中学生は例外)」という自分ルールを持っています。我が子の年齢によって、褒め方を変えているんですね。
・どんなときも大好きだよ、と声をかける。・夜寝る際に、あなたはお父さんお母さんの宝物だよと言う。
「大好き」「大切」「あなたは宝物」など、ストレートに愛情が伝わる声かけをするという回答も。「ハグする」など、愛情を行動で示すという答えもありました。
・できるだけ否定的なことは言わず、「すごいね」「かわいいね」「頑張ってるね」など、ポジティブな言葉をかけるようにしている。・行動を否定するようなことは言わないように心がけている。
否定的なことを言わない、ポジティブ・前向きな言葉を選ぶという意見も。
・人と比べず、世界でただひとりのかけがえのない宝物なんだよ。たくさんの可能性があるんだよ。と折に触れて伝えています。・個人のよいところを認める。できないことに、必要以上にこだわらない。
人と比べてすごい、相対的によい……ではなく、子ども本人のよさに焦点をあてて認める、という回答もありました。
パパママは子どものどこを見て自己肯定感を判断している?
今回の調査では、パパママが次のような基準で子どもの自己肯定感の高低を判断していることが読み取れました。
・自分に自信がある(容姿・内面・能力など)
・「自分が周囲から愛されている」と認識している
・気持ちが安定している
・失敗を恐れず行動を起こせる
・自分と他人を比較しない
このような性格の子どもを、パパママは「自己肯定感が高い」と感じており、また逆の性格を持つ子どものことは「自己肯定感が低い」と感じているようです。
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