赤ちゃんにとって家の中は「危ない場所」ばかり! 「リビング」「キッチン」「寝室」… 注意点と対策を小児科医
赤ちゃんがいる暮らしのなかで、気を付ける場所と対策について小児科医・岡本光宏先生に取材。体調不良時の対応やチェックすべきポイントや受診の目安など。「0~1歳児の赤ちゃんのホームケア」シリーズ(全11回の8回目)。
リビング・キッチン・寝室 家の中は赤ちゃんにとって危ない場所ばかり! 注意すべき点を小児科医が解説赤ちゃんのホームケア連載。8回目の今回は、家の中の危ない場所についてです。赤ちゃんがいる暮らしで気を付ける場所や予防方法を「おかもと小児科・アレルギー科」院長・岡本光宏先生にお聞きしました。
連載8回目は、「家の中の危ない場所(対策)」編です。
兵庫県三田市にある「おかもと小児科・アレルギー科」院長・岡本光宏先生。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医。新生児から思春期の心の疾患まで、幅広く診察している。
事故が起こりやすい場所や状況を知っておこう
まずは、家の中のどこでどのように事故が起こりやすいのかを見ていきましょう。
また、事故が起こりやすい状況や時間は次のとおりです。
・夕方~夜…ママパパが夕飯やお風呂の支度などで忙しい時間帯に多い傾向があります
・外出前…準備で慌ただしいときに、目を離してしまうことも
・帰省時…自宅と比べて事故防止対策が十分でない可能性も。また、大人の人数が増えると「誰かが見てくれているだろう」と思い、目を離してしまうケースもあります
イラスト/オヨネ
「誤飲していいものなんて存在しませんが、とくに冷蔵庫のマグネットは床に落ちているものも含めて要注意です。2つ以上飲み込むと腸管を挟んでお腹の中でくっついてしまい、手術が必要なケースもあるので危険です」(岡本先生)
グッズも活用して家の中の事故を防ごう
イラスト/オヨネ
次に、家の中の事故を防ぐためにできる対策を場所別に紹介します。
〈リビング〉
・家具の角を保護するクッションを取り付ける
・コンセントキャップで穴をふさぐ
・直径39mmより小さいものは誤飲の恐れがあるため、引き出しなど赤ちゃんの目の届かないところにしまう。引き出しを開けられないようにロックをする
・ウォーターサーバーにはチャイルドロックをかけておく
・ベビーチェアを使うときは必ずベルトをする
・ドアにストッパーや指挟み防止グッズを取り付ける
〈キッチン〉
・炊飯器やケトルなどを子どもの手の届く所に置かない
・冷蔵庫のマグネットを子どもの手の届く所に貼らない、床に落ちていないか気を付ける
〈寝室〉
・赤ちゃんのベッドや布団の周りに物を置かない
・かための布団を用意する
・スタイなど首回りにつけているものを外す
・ベビーベッドの柵を上げておく
〈ベランダ〉
・踏み台になりそうなものを置かない
〈階段〉
・階段の上下に転落防止用のゲートを設置する(階段上へ設置する場合はねじ止めタイプのベビーゲートを使うこと)
〈浴室〉
・風呂の湯を流しておく(防災の観点から湯を残しておく場合は、浴室の鍵をかけておく)
・洗濯機のそばに踏み台になりそうなものを置かない
・洗い場にすべり止めマットを敷く
・入浴中にママパパが頭や顔を洗うときは、赤ちゃんをベビーチェアなどにすわらせる
「赤ちゃんは、意外と大きいものでも飲み込む危険性があります。トイレットペーパーの芯をくぐり抜けるものは飲み込む可能性があるので、基準にするといいでしょう。また、赤ちゃんの発達に応じて注意すべきポイントも変わるため、適宜見直すことも重要です」(岡本先生)
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家の中の事故は、グッズを活用するなど対策を講じることがとても大事です。
どんなに気をつけていても起こってしまう可能性はありますが、日頃から安全対策をママパパや一緒に暮らす大人が共有しておくことも肝心です。
この記事が「お風呂のお湯は必ず流すようにしよう」など、家庭ごとの対策を話し合うきっかけになれば幸いです。
赤ちゃんのホームケア次回9回目は、「家の中の危ない場所(ケア)」についてお届けします。
取材・文/畑菜穂子