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【16年前から太陽光搭載】先駆的カーボンニュートラル実践、藤井商店(弥彦村)の意識高い取り組み

にいがた経済新聞

自社工場の屋根を活用して県内トップクラスの太陽光発電を行っている

2025年は、新潟県内のリーディングカンパニーがこぞって環境負荷低減の意識の高さを示した年でもあった。

その代表例が、自社の工場や店舗の屋根に太陽光発電パネルを搭載する事例が多く見られたこと。にいがた経済新聞でニュースとして取り上げただけでも、

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と4つの事例がある。企業活動、生産活動にはどうしてもエネルギー消費による二酸化炭素放出が付きまとう。せめて自分のところで消費するエネルギー、放出する二酸化炭素の分だけでも自前で補おうという企業文化が醸成されたのは、きわめて前向きにとらえられてしかるべきだ。

しかしこうした先進事例を、既に16年前から実践している企業が、西蒲原郡弥彦村にある。1947年創業で主食米、特定米穀、米粉などの流通を手掛ける株式会社藤井商店だ。特に米菓産業に供給する特定米穀の扱いは県下有数で、味噌・醤油などの原料米も併せて年間15,000tの精米量がある。

新潟県内でも有力な米卸業の株式会社藤井商店(弥彦村)

同社が自社工場の屋根に太陽光パネルを搭載し、自家消費型太陽光発電をスタートしたのが2009年。企業のカーボンニュートラルへの意識どころではなく、ようやく一般家庭に太陽光パネルを載せる家がちらほら出始めた頃。ようやく電力会社に対し、太陽光発電の余剰電力の買い取りが義務付けられるようになった頃で、FIT(固定買取制度)が導入される以前の話である。それを考えると圧倒的な先進性、先見性と言える。

同社は先代の藤井順一社長の時代に、新発田市の共同パートナーとして風力発電事業にも参画した経緯もある。小規模水力発電も、実現はしなかったが構想段階まで練り上げていたという。また自社の事務所、工場、倉庫内の照明はすべてLEDを使用している。こうした取り組みが評価され「新潟県環境賞」も受賞している。

SDGsターゲットなどまだ世にない頃の話。口で言うのは容易だが、エネルギー関連業界以外でこれほど早い時期から実践的に環境負荷低減に取り組んできた企業は稀も稀である。

太陽光発電の取り組みについて語る藤井宣秀社長

2016年に事業承継で就任した藤井宣秀社長は「先代は『いずれは自社で消費する電力を自賄できれば』という夢があったようです」と話す。

同社は2009年に200kwの出力で太陽光発電を稼働開始した。さらに2024年に、第一工場と第一倉庫の屋根計5870平米分を増設し、もともとの発電量と合わせて1メガワットの出力になり、年間の発電量は100万キロワット時(kWh)を優に超えるようになった。これは県内の企業による太陽光発電でもトップクラス。

また2013年より燕市の「おひさまプロジェクト」(市有施設の屋根を太陽光発電向けに貸す施策)に参画し、市内の小中学校など市有施設の一部に太陽光パネルを設置。こちらも総計850キロワットの出力を有する。発電により生じた収益の一部を「燕市子ども夢基金」(子供の海外派遣事業)に寄付している。太陽光発電による地域貢献も実践している。

「先代からの地域貢献への意識は変わらず持ち続けています。現在は(会社休業日の)土日に作られた電気を地域の方々に利用してもらいたいと思い、話を投げかけているところです」(藤井社長)

米どころ新潟にとって藤井商店が手掛けるような「精米」の工程は、大変多くのCO2排出を伴うものだという。その自覚を十分に持ち、カーボンニュートラルの実践に早くから取り組んでいる同社は、環境に対しての意識が高いレベルで醸成された企業だと言える。

事務所のエントランスにはリアルタイムで発電状況を伝えるディスプレイが掲示されている

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