南砺・福野の散居村にたたずむ築130年の古民家カフェ【カフェ一福】スープランチと手作りスイーツ
「散居村」で知られる富山県西部の砺波平野。
屋敷林と田畑に囲まれた農家が点在し、人々が自然と共生しながら日々の暮らしを営んできた地域です。
そんな散居村の里には、大切に受け継がれてきた昔ながらの立派な住家が今も数多く残っています。なかには、古民家の素朴であたたかな魅力を活かしつつ、現代風に改装した店もあります。
南砺市にある「カフェ一福(いちふく)」もそんな店のひとつです。
散居村にたたずむ築130年の古民家カフェ
「カフェ一福」があるのは南砺市の旧福野地域。
店主の母方の実家が空き家となったのを改装した店で、建物の築年数は130年ほどになるそう。
店内は白い壁が明るい雰囲気。現代風に改装されていますが、磨かれた柱や、ふと見上げた先にある太い梁などに歴史を感じます。
寒さが厳しい冬には薪ストーブも活躍するそう。
小上がり席は、広間をそのまま使用していて、畳もふすまもほぼ昔のままです。手作りの布小物などが飾ってあり、おばあちゃんの家に遊びにきたような懐かしい気持ちになれます。
もともと、古民家が好きだったという店主。
「歴史と思い出のあるこの家を活用したい」「みんなが集まってゆっくりと使ってもらえる場所にしたい」と考えて、10年ほど前にカフェをオープンしました。
真心のこもった手作りごはん
ほぼ週替わりのスープランチ
ランチは野菜たっぷりのスープに、混ぜごはんや丼がセットになっています。
メニューはほぼ週替わり。この日は餃子スープと、梅としらすの混ぜごはん、それに自家製の鶏ハムサラダでした。
餃子スープは野菜の旨みを感じるやさしい味わい。
店主が「うちは味薄めなんです」と笑って教えてくれました。
野菜たっぷりのスープをメインに、肉も魚もとれる一食に。なるべく体にやさしいものを、バランスよく…というのがコンセプトのようです。
素材の味をじっくりと感じられるランチで、濃いめのはっきりした味付けに慣れた現代人の舌が、リセットされるよう。じんわり体に染みわたります。
手作りスイーツでほっこりティータイム
「なるべくシンプルで体にやさしいものを」というコンセプトのもと、スイーツメニューもすべて手作りです。
「冷凍で日持ちする市販のスイーツもありますが…何が入っているか、きちんと自分で説明できるものをお出ししたいんです」(店主)
しっとりシフォンケーキはピリッと黒コショウの風味が効いた一品。甘さは控えめでほんのりスパイシー、大人向けのデザートです。
セットのドリンクはコーヒー、紅茶、加賀棒茶から選べます。
訪れたのは静かな秋雨の日。
縁側の席に座り、庭の草木を眺めながら、時間が経つのを忘れてのんびりと過ごすことができました。
店内にはハンドメイド作家たちの作品を展示・販売するスペースも。
古民家の雰囲気の中で見ると、真心のこもった手仕事がいっそう輝いて見えました。
せわしない日々の中、たまにはゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
【カフェ一福】
住所 富山県南砺市高儀312
営業時間 11:00~16:00
定休日 月・火曜、祝日