おおくす芦名堰の森 保存活用へ3者連携協定 自然観察会や環境学習も
豊かな生態系を有する「おおくす芦名堰(ぜき)の森」(横須賀市芦名、0・23ha)の保存と活用に向け、市は12日、(公財)ニッセイ緑の財団(東京都)、(公財)日本自然保護協会(同)と連携協定を締結した。外来種駆除や環境学習などを通じ、将来にわたって生物多様性の保全を図る。
同森は今年2月、生物多様性が保たれている区域として環境省の「自然共生サイト」に認定。その他、市内では野比かがみ田緑地など3カ所が認定されている。
森にはかつて農業用に活用されていたため池を中心に二次林や湿地が広がっており、カワセミやカラスザンショウなどの動植物計240種が生息。これまでは有志のボランティア団体が保全活動を担ってきたが、メンバーの高齢化のため3月末の解散が決定。市は生物多様性の損失に歯止めをかける「ネイチャーポジティブ」の実現を掲げ、新たな枠組みで環境保全を図ることにした。
今後はニッセイ緑の財団が中心となり、日本自然保護協会や市の指導や助言を受けながら外来種の駆除や地域住民や小学生を対象とした自然観察会、環境学習などを実施する。記者会見で上地克明市長は「3者の連携により、未来の世代により良い環境を残していく」と意義を説明した。