県商工 部活、勉学で社会貢献 県から各種表彰受ける
県立商工高校=今井町=の生徒が令和6年度の「かながわ部活ドリーム大賞」と「神奈川県立学校の児童・生徒表彰」(ともに県教育委員会によるもの)を受けた。社会貢献や地域活性化などの要素を取り入れて部活動や勉学に励んだ姿勢や成果が評価された。
ボランティア精神を
「かながわ部活ドリーム大賞」は競技力や表現力の向上のほか、活発な活動実践や地域連携に貢献した団体や個人を称えるもの。今年度は71者が表彰を受けた。
県商工の技術研究部は同大賞の文化賞を受賞。同部は昨年9月、会場内に隠された無線送信機を探し出し、見つけ出した個数やタイムで順位を競う「令和6年度第2回FOXハンティング神奈川県大会」に出場。遠藤康さんが男子個人の部で優勝、萩原愛優美さん(ともに3年)が女子個人の部で準優勝するなどの好成績を残した。
同部は昨年度からテーマを掲げて活動。今年度は「ボランティア」をモットーに地域に根差した社会貢献活動に取り組んできた。西部地域療育センターに寄せられたおもちゃを基本無料で修理する取り組み「おもちゃのお医者さん」は住民から多くの反響があり、地域の幼稚園からも依頼が来ているという。
決められたエリアで制限時間内にチームで拾ったごみの種類と量をポイント化し、得点を競い合う競技「スポGOMI」の大会にも出場。遠藤さん、萩原さん、本多悠也さん(3年)はバドミントン部を兼部しており、練習で培った体力で多くのごみを拾い集めた。こうしたボランティア精神も受賞の決め手となった。技術研究部顧問の遠藤康貴教諭は「部員たちは電気工事士の試験に合格するなど文武両道を体現している」と称える。
能登復興支援など
「神奈川県立学校の児童・生徒表彰」は、他の児童・生徒の模範となる顕著な取り組みを行った個人や団体を称えるもの。今年度は274者が受賞。県商工からは個人、団体を合わせて12者が表彰を受けた。
同校の生徒は「課題研究」という授業などを通じて地域や社会に役立つ取り組みを実践した。受賞したチームの総合ビジネス科の上野山絢香さん、山城屋唯さん(ともに3年)らは昨年6月、能登半島地震の被災地支援を目的としたイベント「高校生能登応援商店街」に参加。募金活動のほか、同級生と共に作った2種類(ゆずこしょう、焼肉のたれ)のドレッシングを販売した。
石川県の復興を応援する気持ちなどを込め、2種類のシールを作成。募金協力、またはドレッシングか他校の商品を購入した人に一枚を選んでもらう形式で配った。上野山さんと山城屋さんは「自分たちの取り組みが少しでも能登の復興につながればうれしい」と思いを込める。
そのほか、豚肉やアルコールを宗教上の理由で口にできない人々でも食べられるラーメンを開発し、文化祭や学校説明会で販売して反響を得たチームなども受賞した。