いぎなり東北産[A LIVE SENDAI Vol.3 ライブレポート]きゅるして×東北産のかわいさ大量摂取で仙台悶絶
いぎなり東北産が、地元・仙台にさまざまなアーティストを迎えて行なうライブイベント<A LIVE SENDAI>の第3回が、きゅるりんってしてみてを迎えて6月1日(日)にSENDAI GIGSにて開催された。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。
取材・写真・文:Yosuke TSUJI
初の日本武道館単独公演開催まで残り1ヶ月となったいぎなり東北産が、地元・仙台にて主催する対バンライブ<A LIVE SENDAI>。その3回目が、きゅるりんってしてみてを迎えて6月1日(日)にSENDAI GIGSにて開催された。チケットが早々にソールドアウトとなった本公演では、いぎなり東北産の新曲「ツンデレラ」のライブ初披露に加え、お互いの楽曲カバーなど、見どころが盛りだくさん。気づけば東北産ときゅるしてのかわいさがぶつかり合うステージを目の当たりにして、思わず溶けてしまいそうになっているフロアという光景が広がっていた。
2024年1月には≒JOYを招聘して初開催した『A LIVE SENDAI Vol.1』。そして同年6月には、つばきファクトリーを迎えての『Vol.2』が行なわれた。どちらのイベントも、各グループのステージにはしっかりと尺が確保され、その上、楽曲カバーやトークコーナーといった企画も用意。参加したファンからも好評で、毎回終演後には興奮気味なファンから満足度と熱量の高い感想が数多く投稿されていた。
そして今回、満を持して約1年ぶりに実施となるのが、現在のアイドルシーンにおいて、とりわけ女性からの高い支持を集めているきゅるしてを迎えての<A LIVE SENDAI Vol.3>だ。
これまでの同イベントより明らかに女性の人口密度が高めなこの日のSENDAI GIGS。開演時間を過ぎ、ステージに映し出されたオープニング映像が、観客の期待感と歓声を高めてくる。ホストのいぎなり東北産が姿を見せると、葉月結菜が「『A LIVE SENDAI Vol.3』スタートです!」と、会場に向けて高らかに開会を宣言した。
なお、オープニングで意気込みを聞かれた、「きゅるして大好き」桜ひなのは”ヤバいのほんとに!一週間前からそわそわしていて、昨日はドキドキバクバクで眠れなくて!今日もメイク中に火照っちゃって。本当に好きな人に会う日って感じで、ドキドキしてます。みんな全力で楽しもうね!”と、早くも興奮を隠せない様子だった。
■きゅるりんってしてみて アドリブも盛り込んだ、かわいさ全開のパフォーマンス
まずは、いぎなり東北産に呼び込まれる形で、きゅるりんってしてみてのライブから。オープニングSEが鳴るステージでメンバーカラーの照明を受けながら、環やねから一人ずつメンバーが登場すると、会場はクラップと黄色い歓声に包まれる。1曲目は"なりたい顔"の彼女たちだからこその「君のお顔になりたいの」。SENDAI GIGSのカラフルな光の中で歌い踊る4人の姿を目にして、熱いコールを送る人がいたり、微動だにせず凝視している女の子たちがいたり。さらに恋愛の終わりと新しい一歩を明るくポップに歌い上げる「わたしのex.ダーリン」を続けて披露し、会場にきゅるしての最新型を見せつけた。
イントロの立ち位置についただけで歓声が起こる”らぶきゅん♡うぉんてっど”。チバゆなが”東北産を一番好きなのは私だもん”と言えば、逃げ水あむは”あー!どこ行くの!?東北中に指名手配してやるー”と、<A LIVE SENDAI>バージョンのアドリブも盛り込んで、4人はフロアに向けてレスを乱打しながら、TikTokでも話題になったアイドルらしいかわいさ全開のラブソングで会場のボルテージをさらに引き上げた。
MCでは、”仙台嬉しい!””いぎなり東北産さんとのイベントもめっちゃ嬉しい!”と喜びを爆発させるきゅるして。”今日のためにいっぱい頑張ってきたよね!”と、何かを匂わせる環やねの一言もありつつ、”まだ全然ライブしてないけど、またいぎなり東北産さんとのツーマン観たい人ー?”と、彼女たち独特のペースと空気感で観客を笑顔にしていく。
きゅるしての世界観を象徴するようなファンタジックな「♡♡♡わんだーらんど」で、愛らしさが会場を包み込む。そしてこの世界観をさらに増幅させる「ツインテールは20歳まで♡」に「しゅーぱーめるてぃらびゅふれーばー♡」。コケティッシュにぴょんぴょん踊りながらも安定の歌声を聞かせる島村嬉唄。そしてパステルな3人の衣装とは対照的にビビッドな赤ということもあってか、逃げ水あむの圧倒的ヒロイン感によって、歌詞に描かれた物語にぐっと引き込まれてしまう。事実、ペンライトを振るのを忘れてステージ上の4人から視線を外せなくなっている女の子たちが、フロアのいたるところに続出していたのが印象的だった。
ラストは彼女たちの代表曲であり、きゅるしてのアイデンティティが最も強く打ち出された「きゅるりんしてみて」と、きゅるしてのライブの楽しさが詰め込まれた疾走感と高揚感あふれる「アイドルライブコースター!」。東北産のファン(=皆産)をも巻き込んだ、"最大級の最大級の最大級の最大級の"盛り上がりと"かわいい!かわいい!超かわいい!"を仙台の地に打ち立てて、きらびやかな多幸感を残り香のように漂わせたまま、きゅるりんってしてみては、そのバトンをいぎなり東北産へとつないだ。
■いぎなり東北産 かわいい!の歓声に包まれた、新曲初披露ステージ
きゅるりんってしてみてのステージの後は、いぎなり東北産の番。いつもの出囃子が会場に鳴り響き、20センチ髪を切った藤谷美海が会場を煽りながら、9人はステージ裏で円陣を組んで声を合わせる。
ステージへと勢いよく駆け込んできた東北産は、さっきまでのきゅるしてのかわいさを、自分たちのかわいさを詰め込んだ「チョコスプレー♡」「服を着て、恋したい」で迎え撃ち。色とりどりのライトに照らされながらパフォーマンスする9人の心意気に、会場の皆産はコールや振りコピで応戦。気づけば、フロア全体に広がったペンライトの光が、波を打つようにステージへと向けられて、きゅるしてのステージにも負けず劣らずの熱量を生み出していた。
そしてここから少し雰囲気を変えていく東北産。赤く染まったステージで、ゾンビというスリリングな世界観ながら、彼女たちの強靭さ全開な「ゾンビソサエティー」を久しぶりに披露する。さらに伊達花彩が”私たちは日本武道館にてワンマンライブがありまーす!ここにいるみなさん、ぜひ足を運んでくださーい!”と観客に呼びかけて、彼女たちの最新ポジティブ全開ソング「あーぐれす」へ。ギターサウンドの疾走感が観客からの熱いコールと混じり合い、ハッピーな空気がSENDAI GIGSをパワフルに支配した。
今回、ライブ初披露として事前告知されて注目が集まっていた新曲「ツンデレラ」は、桜ひなのを筆頭に、東北産の9人がまるでツンデレなお姫様になったような楽曲。手元で魅せる振りやフォーメーションで魅せる振り、そして数々のキラーフレーズと”好き”の一言が歌詞の随所に散りばめられており、目と耳が追いつかないレベルで見どころも聴きどころも大量。初披露終了後にたまらず観客から”かわいい!”の声が飛ぶなど、9人のキュートな仕草のひとつひとつに悶絶した皆産もさぞや多かったことだろう。
終盤は、東北産の代表曲が並んだ。TikTokでムーブメントを引き起こし、オーディエンスの中でも待っていた人が多かったであろう「わざとあざとエキスパート」をあざとかわいく披露すると、最後は"可愛いだけじゃだめです"と言わんばかりの「天下一品〜みちのく革命〜」(この日の橘花怜曰く「天きゅる一品」)。いぎなり東北産が、きゅるりんってしてみてのステージからここまで、かわいいの大量摂取ですっかり骨抜きになっている観客にカウンターを食らわせるような強烈な1曲をお見舞いすれば、会場は熱狂と絶叫でいつまでも揺れていた。
トークコーナー
それぞれのパフォーマンスの後は、<A LIVE SENDAI>ではおなじみのトークコーナーへ。まずはお互いのステージでの健闘を称えつつ、交流を深めるためのグッズ交換会を実施。逃げ水あむにいぎなり東北産Tシャツを贈り、代わりにきゅるりんってしてみてのアイマスクを受け取った桜ひなのは、”まだ持ってなかったグッズだから嬉しい……。”と、完全に自分のものにするつもりの発言をして会場には笑いが起こる。
さらに、きゅるしての4人に東北のことを知ってもらい、東北のことをもっと好きになってもらうための「東北あるあるクイズ」。正解すると各県の銘菓がもらえるということで、4人は張り切って挑戦するも”山形県民が「イモ天」の愛称で呼ぶ施設は何?”とか”福島県で消費量が1位の食べ物は何でしょう?”とか、難問のオンパレード。しかしながら、東北産が毎回限りなく答えに近いヒントを与えたり、そもそも問題のスライドを作った大人たちが、限りなく答えのようなイラストを挿絵として載せていたりと、東北の人たちの優しさとおもてなしの心にあふれる展開に。かくしてきゅるしては、無事に用意された銘菓すべてを手にすることができて、とても満足げだった。
スペシャル企画:楽曲カバー
トークの後は、本イベントでの目玉ともいえるスペシャルな企画。お互いの楽曲をカバーするコーナーがスタートする。
きゅるりんってしてみてが今回準備してきた曲として、「わざとあざとエキスパート」のイントロが流れてくる。会場からは大歓声が巻き起こるが、とはいえ、この選曲はきっと誰もが想定の範囲内。4人はかわいさを存分に振りまいてこの日のために頑張って練習した成果を披露した。
だがしかし、きゅるしてが本当に準備していたこと。なぜ直前に彼女たちはものすごく緊張していたかの理由がここで明らかになる。彼女たちが用意していたのは、まさかの東北産メドレーだったのだ。
「わざとあざとエキスパート」が終わるとすぐ「服を着て、恋したい」のイントロが鳴り、思わず会場から驚きの声が上がる。そして最後には「天下一品〜みちのく革命〜」までも。きゅるりんってしてみての世界観にはないであろう、いぎなり東北産の力強い代表曲を「Let's go きゅるりんってしてみて産」「We are きゅるりんってしてみて産」という、斬新なフレーズで歌を紡いでいく彼女たち。両グループのファンが入り混じって激しいコールが発生し、まさにこのイベントだからこそ実現した「天下きゅるりん」ともいえる貴重なパフォーマンスに誰もが酔いしれた。
次はいぎなり東北産による、きゅるりんってしてみてカバー。特徴的なイントロのシンセ音が鳴った途端、きゅるしてファンの女の子たちがいち早く反応を見せた。今日はるんちゃんではなく"きゅるるんちゃん"だと口にしていた律月ひかるが、そのキャンディーボイスで歌い始めたのは「ツインテールは20歳まで♡」。いぎなり東北産の「チョコスプレー♡」同様に清竜人がきゅるしてに提供したこの楽曲。そういう意味では、東北産のかわいさともリンクする要素があるのかもしれない。
巻いていたりまとめていたりとアレンジはそれぞれだが、ツインテールをベースとした髪型で統一されていた9人が歌い踊るきゅるして作品。普段の東北産よりも甘めな世界観で満たされていくSENDAI GIGS。そして何より、大好きなきゅるしての曲を大好きなメンバーたちと一緒に、大好きなファンの前で全力で披露できた桜ひなの。好きピに囲まれて終始とても幸せそうな彼女の姿もまた印象的だった。
ステージ上だけでなく、終演後には楽屋でも一緒に写真やTikTokを撮ったりして交流を深めた両グループ。そしてきゅるりんってしてみてからのエールを胸に、いぎなり東北産は、この10年の集大成ともいえる日本武道館ワンマンライブをいよいよ7月9日に開催する。
環やね(きゅるりんってしてみて):
緊張でございました。ほんとにメドレーの曲がやばすぎて、もうほんとメンバーもギリギリまでずっと緊張してて、もう気が気じゃなかったです。リハもきゅるしての曲は1曲もやらずに、ずっとメドレー曲だけをやっていました。新幹線の中でもやりながら来ました。ほんともう命がけでした。その成果か、本番はめっちゃよかったです。めちゃくちゃ盛り上がりましたし。ファンの人も"きゅるりんってしてみて産"ってちゃんと言ってくれて、めっちゃ嬉しかったです! 今後、きゅるしては、ツアーのファイナルとかが残ってるんですけど、ありがたいことにチケットは完売していまして。なので、あの、私たちも日本武道館でやりたいです!
桜ひなの(いぎなり東北産):
いやほんとに幸せでしかなくて。幸せが溢れかえっていて。うん、なんか自然と口角が上がったまま終わっちゃいました(笑)。本当に楽しくて、なんかこんな職権乱用していいのかなって感じなんですけど、いいんですよね? いやほんとにきゅるりんってしてみてさんは可愛くて、もう私の人生をいい意味で狂わせてくれたグループなので、本当に出会えてよかった。今日、仙台のよさがクイズとかで伝わったかなって思うので、またぜひ一緒に対バンできたら嬉しいです。私も頑張ります。今回、いぎなり東北産がカバーさせていただいた「ツインテールは20歳まで♡」は、東北産のメンバー9人でお送りすることできてすごい楽しかったし、新鮮だったかなって。ファンの人も喜んでくれてたら嬉しいなって思います。そして私たちの新曲「ツンデレラ」は、ちょっとこう、つんつんしたツンデレな女の子の曲なんですけど、(きゅるしてさんの振り付けもされているらん先生につけていただいた)振りがすごい。めっちゃ可愛くて、一緒に真似できる曲なので、みなさんぜひ一緒に踊ってほしいですし、歌詞もすごく可愛いのでぜひ注目してほしいです。