商店街や横丁も残るファミリータウン「所沢」。のんびり散策スポット7選
埼玉県の中でも歴史や下町情緒のある街、所沢。明治に日本初の飛行場「所沢飛行場」が完成し、終戦まで試作航空機や飛行船、陸軍の操縦訓練場として使用されていました。
2025年現在では、34万人が暮らし、高層マンションや大型商業施設も増えています。そんななかでも変わらず昭和の雰囲気を漂わせる所沢の散歩スポットを紹介します。
所沢駅の散歩におすすめのスポット
所沢駅は西武鉄道の池袋線と新宿線が乗り入れ、利用数が多い駅として、毎日多くの人が行き交います。池袋までは30分ほど、新宿までは40分ほどと都心へのアクセスが便利で、埼玉の中でも東京寄りに位置しています。
西口を降りてみると、多くの人が商店街へ向かって歩いていました。早速街歩きへ行ってみたいと思います。
所沢おすすめスポット(1)所沢プロペ商店街
1977年からある「所沢プロペ商店街」は今も健在。駅から北側へ300mほどに、グルメ・ファッション・レジャーと多くの店舗が営業し、活気を感じます。
私も学生時代は友達と買い物やランチをしに行く楽しい場所でした。久しぶりに歩くと、当時とは違う店の看板ばかり。時代の移り変わりを感じながら、どこの店も頑張る姿にエールを送りたくなりました。
名称:所沢プロペ商店街
所在地:埼玉県所沢市日吉町
ファルマン通りへ
プロぺ通りを抜け、大きな交差点から緩やかな下り坂を降りると、ファルマン通りへ。激しい人通りが一旦収まり、だんだんと昭和の香りも立ち込めてきました。
飛行機発祥の地である所沢で初飛行をしたのがファルマン機。それに由来し、今も「ファルマン通り」の名として人々の暮らしに残っています。
所沢おすすめスポット(2)盃横丁
ファルマン通りを下ると、銀座通りへ。所沢はおしゃれな名前の通りが多いことがわかります。
銀座通りにある盃横丁は、細い路地の飲み屋街で、この路地だけ少し独特な雰囲気に包まれています。戦後の闇市から発展したとされる盃横丁は、所沢市民の“人と酒をつなぐ社交場”です。
あの有名な漫画家、蛭子能収さんのイラストや本人の看板が見られ、昼間にブラックジョークも交えた作品を見にいくだけでも面白さがありました。
とはいえ昼間はどの店も閉まっているため、やはり夜に来るのがいいでしょう。お酒や揚げ物の匂いが残っていて、飲んでもいないのに酔いそうな気分になりました。
所沢おすすめスポット(3)秋田家住宅
1977年2月に国登録有形文化財になった秋田家住宅。明治時代の商店の面影を見ることができます。
高層マンションに囲まれる中、重厚な雰囲気を持つ2階建ての屋敷は、かつて「井筒屋」として所沢の織物産業の発展を支えました。
所沢おすすめスポット(4)野老澤町造商店
銀座通りを進むと見えるのが、商いを利用した所沢市の観光案内とコミュニティの拠点「野老澤町造商店」(ところさわまちづくりしょうてん)。次にどこへ足を運んだらいいか聞いてみるために、中へ入りました。
ちなみに「野老澤」は「所沢」の古い呼び名だとか。野老澤町造商店はイベントや祭りの情報がわかるだけでなく「所沢でこんなことをやってみたい」と相談をすることもできる場所です。
スタッフの方に所沢の住民の様子を伺うと「ファミリー層が多く、赤ちゃんを連れているママさんもよく見かけます。休みになると車で都内やショッピングモールへ出かける方もいます。年齢を重ねると、所沢の魅力に気付かれる方が多いですね」
名称:野老澤町造商店
所在地:埼玉県所沢市元町21-18
電話番号:04-2928-1453
営業時間:10:00〜18:00(木曜定休)琴平橋を渡って
銀座通りから東に歩き、ところざわまちセンターの裏に流れる東川を見ながら、琴平橋を渡りました。立ち止まったら、もう一つ奥に古い小さな橋がかかっているのが見えました。
“新生橋”という名前は、かつての旧庁舎に続く橋で、今は渡っても通行止め。それでも趣があります。橋の周りには金木犀やドウダンツツジなど、木々が豊かに育っていました。
所沢おすすめスポット(5)神明神社(所澤神明社)
銀座通りを離れると、住宅街の中に突如現れる大きな杉の木と鳥居。神明神社は天照大神を祀り、所沢の総鎮守的存在です。毎年、初詣・年始には大勢の参拝者が訪れ、節分祭や七五三など地域行事の拠点にもなっています。
この日の境内には数人の方がお参りされ、静かに祈りを捧げていました。
境内の裏側まで見渡し、数羽の鳩が飛ぶ光景を見て、神聖な気持ちになります。色鮮やかな花や少しずつ色を変えていく紅葉を目にすることができました。
名称:所澤神明神社
所在地: 埼玉県所沢市宮本町1丁目6
参拝時間:8:30〜17:00
電話番号:04-2922-3919
所沢おすすめスポット(6)深井醤油(株式会社ヤマホ/ヤマホ醤油)
創業1856年の「深井醤油」は、160年続く醤油の老舗です。現在は6代目深井隆正さんが受け継ぎ、伝統の味を守っています。
所沢の本店直売所では醤油の試飲ができました。“金ヤマホ”“蔵出し”“だし醤油”など多彩な品が並び、そばつゆ、焼きそば醤油などユニークな商品もそろいます。
同じ通りには創業当初の資料館もあり、ガラス越しに昔の道具をみることができます。小規模ですが、思わず「ここはなんだろう」と入りたくなる蔵構えが魅力です。
名称:深井醤油
所在地:埼玉県所沢市有楽町7-5
電話番号:04-2924-2015
営業時間:10:00〜18:00
定休日:不定休
所沢おすすめスポット(7)焼きだんご もり善
所沢の名物である「焼きだんご」は醤油の香ばしさが食欲をそそります。もり善は、上新粉(米粉)100%の団子で、深井醤油のキンヤマホを使った所沢ならではの味を堪能できます。
子ども好きな店主、大森正善さんの元には小さい子から大人まで焼きだんごを買いに来ます。SNSを見て、遠方からも買いに来るとのこと。
もり善の周辺は一方通行の道が多いため、来られる際は要注意。車のナビを使用しても、通り過ぎてしまう人も。私も初めて行った際、1回では到着できませんでした。昨年から店舗の近くの電柱に看板が付いているので、慎重に行けば間違えることは少ないでしょう。
帰りは琴平橋周辺の小さな公園を散歩しました。見渡せば高層マンションや公共施設ばかり、でもその谷間に自然の風景を見られる場所が数ヶ所ありました。ぜひ探してみてくださいね。
名称:焼きだんご もり善
所在地:埼玉県所沢市元町15-14
営業時間:11:00〜15:30
営業日:火・木・土
駐車場:有り
航空発祥の地と呼ばれる所沢の住まい事情
所沢駅の家賃相場
所沢駅周辺の賃貸相場は、1Kで6万円弱、1LDKで9万円前後。
都心へのアクセスの良さや、生活インフラには困らないことから、多少家賃が高くても良い物件はすぐに埋まる傾向です。
所沢駅の住み心地は?住民の口コミを紹介
・バスの本数が多いため、車がなくても生活に不便を感じない
・意外と坂が多いが、公共施設やコンビニ、飲食店が徒歩圏内で済んでしまう
・早朝や夜に散歩をしても、危険を感じないくらい治安がいい
昔懐かしさと新しさが共存する街、所沢へ
所沢は「日本の航空発祥の地」としての歴史に始まり、深井醤油、だんご、雛人形など名物と文化に溢れた街です。
歩けば歩くほど独特の空気感が漂い、プロペ通りを抜けて所沢駅に近づくと、近代的なビル群に圧倒され「いつの間にこんなふうになったのか」と立ち尽くしてしまいました。
ですが、昔ながらの商店街が地域と現代をつないでいるのでしょう。
所沢はこれからも、どこまでも面白く発展するはず。そんな未来を想像し、ワクワクしました。
